「誰にでもオープンで、誰でも強くなれるチームに」卓球も人間性も育成する地域クラブを目指すやばせTTC | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:代表の藤井さんと生徒/提供:やばせTTC

卓球×インタビュー 「誰にでもオープンで、誰でも強くなれるチームに」卓球も人間性も育成する地域クラブを目指すやばせTTC

2025.02.14

この記事を書いた人
Rallys編集長。学生卓球を愛し、主にYouTubeでの企画を担当。京都大学卓球部OB。戦型:右シェーク裏裏

秋田県秋田市にある卓球クラブ・やばせTTCは、「誰にでもオープンで、誰でも強くなれる」をモットーに運営している。

そこには、部活動で十分に練習できなかったり、そもそも部活動がなかったりする子どもたちを受け入れたいという、やばせTTC代表・藤井滉大さんの思いがあった。

今回は藤井さんに、やばせTTCをオープンしたきっかけからクラブのアピールポイント、今後の展望まで、さまざまなお話を伺った。

プレーヤーを続けながら指導者としても活動

ーーまず、藤井さんの卓球経歴を簡単にお伺いしてもよろしいですか?
藤井さん:小学4年生のとき、親と温泉卓球をしたのが楽しくて、小学校のスポーツ少年団で卓球を始めたんです。そこで6年生まで続けて、そのまま地元の中学校でも卓球部に入りました。

中学時代は県大会に出場できる程度の成績だったのですが、もっと強くなりたいという思いから、秋田県1位だった秋田商業高校に入学しました。高校3年生のときには、団体戦でインターハイと国体に出場することができました。

ーー卒業後も卓球を続けられたのでしょうか?
藤井さん:はい。高校卒業後に就職した会社に、卓球をされている方がいて、その方の紹介で夕凪クラブに入り、今もそこで卓球を続けています。

全日本社会人選手権のシングルスとダブルスに出場、東京選手権では当時日野自動車にいた村井桂さんとも対戦し、Rallysで動画を上げてもらったのを覚えています。

ーー11万回再生されてるあの動画ですね(笑)。

プレーヤーもされていますが、指導者としての活動はいつから始められたのでしょうか?

藤井さん:元々、母校の泉中学校に知り合いがいたため、選手として練習するついでに教えに行っていましたが、当時はまだ本格的にコーチとしては活動していませんでした。
コーチの仕事は、2年前に個人レッスンから始めました。東京だと個人レッスンがたくさんあると思いますが、秋田にはあまりなく、だったら始めてみようと約1年間続けました。

そして、2024年4月から正式に卓球協会に登録して、やばせTTCでグループレッスンを始めたという感じですね。

子どもたちとのコミュニケーションを重視

ーーやばせTTCはどの年齢層の選手が所属していますか?
藤井さん:全体で11人いて、小学生と中学生が半分ずつくらいですね。
ーー普段の練習スケジュールや内容を教えてください。
藤井さん:練習は週1、2回、1日に3〜5人くらいが集まっています。

活動は基本的に平日の19時から21時。平日に来れない方のために、土日に体育館を借りて練習をすることもありますね。僕が球出しと練習相手をしていて、それ以外は生徒同士で打つという形です。


写真:藤井滉大さん/提供:やばせTTC

ーー子どもたちと接するときに意識していることはありますか?
藤井さん:わかりやすい言葉で伝えるようにしています。

難しい用語を使うと、子どもには絶対伝わらないので、1つ1つの言葉をわかりやすく噛み砕いて話すようにしています。

ーー伝え方は確かに大事ですよね。卓球の技術指導で、意識していることはありますか?
藤井さん:生徒のなかには卓球を始めたばかりの子もいるので、基礎をすごく重視しています。

目先の試合で勝つことよりも、卓球を長く続けてもらうという長期的な視点を重視して教えています。

生徒の上達していく姿を見られるのがやりがい


写真:やばせTTCの練習風景/提供:やばせTTC

ーーチームを運営していく中で、嬉しかったことは何かありますか?
藤井さん:生徒の一人が秋田市の大会の個人戦で準優勝してくれたことは嬉しかったですね。
その試合では、ベンチコーチである自分とプレーする選手が一体となって戦っている感覚がありました。

選手も試合の中で自ら考えて、練習した成果を出せていたので嬉しかったですね。

ーー大会で生徒が結果を出すこともそうだとは思うのですが、指導者としてのやりがいをどこに感じていますか?
藤井さん:大会で結果を出してくれることに加えて、日々の練習で上達している姿が見られるとやっぱり嬉しいですね。

生徒のモチベーションも上がり、表情も変わってくるのが見て取れるので、指導者としてやりがいを感じます。

満足に練習できない子どもたちを受け入れたい

ーーどういった方がやばせTTCには合っていると思いますか?
藤井さん:基本的にすごくオープンなクラブなので、年齢以外の制限はありません。他のクラブで選手登録をしている子が練習に来ることもあります。

他にも、中学校の部活だけでは十分な練習時間を確保できず、プラスアルファで練習したい方や、中学校に卓球部がなくて大会に出たい方などにも、やばせTTCを活用してほしいです。

ーー部活動から地域クラブへの移行は全国で議論されており、卓球部のない中学校も増えていくかと思います。地域クラブを運営する藤井さんとしてはどうお考えでしょうか?
藤井さん:秋田市外ではすでに生徒数がかなり少なくて、部活動ではなくクラブ所属で試合に出ている子がたくさんいます。

一方、秋田市では学校の部活動に所属している子もまだまだ多いので、これからどうなるのかは正直まだあまり見えてはいません。

ただ、もし部活動がなくなった場合に備えて、試合に出たい子がすぐに出られるよう、いつでも受け皿になれる体制を整えています。

ーーやばせTTCとして思い描く今後の展望はありますか?
藤井さん:やばせTTCは、誰にでもオープンで、誰でも強くなれるチームを目指しています。

また、これから取り組みたいこととして、練習の合間に道徳的な学習ができる時間を作りたいと考えています。

保護者の方との相談が必要ですが、卓球の技術だけではなく、人間的な成長を促す機会も設けたいですね。

ーー卓球も人間性も育成するクラブ、いいですね!
藤井さん:例えば、メジャーリーガーの大谷翔平選手のような一流プレーヤーは、一人の人間としてもちゃんとしていて、アスリートの鑑のような存在だと思います。

やばせTTCの子どもたちにも、誰に対してもリスペクトを持った、スポーツマンシップ溢れる人間になってほしいと願っています。


写真:指導風景/提供:やばせTTC

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