【卓球】イケメンモデルがTへ参戦、ポルトガルの英雄が選んだ「彩たま」というキャリア | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

卓球×インタビュー 【卓球】イケメンモデルがTへ参戦、ポルトガルの英雄が選んだ「彩たま」というキャリア

2018.10.22

取材・文:川嶋弘文(ラリーズ編集長)

TリーグT.T彩たま入りが決まったポルトガル出身のティアゴ・アポロニア

186cmの高身長に端正な顔立ちでモデル経験もある32歳は、ドイツ・ブンデスリーグの名門オクセンハオゼンでの安定したキャリアを捨てて、Tリーグへの挑戦を決めた。

実はドイツ・ブンデスリーグは二重登録が禁止されており、これまで数々の世界トップ選手たちを受け入れてきた名門ドイツリーグを蹴ってTリーグ参戦をする海外選手はアポロニアが初となる。

北京、ロンドン、リオと3度の五輪を経験し、ヨーロッパ選手権でのシングルス銅メダルも獲得しているアポロニアにTリーグ参戦の経緯を聞いた。

イケメンモデルがT参戦

ティアゴ・アポロニア(ポルトガル/T.T彩たま)

ーーアポロニア選手は現在32歳。20年以上の長い卓球のキャリアの中で成功を収めています。そんなあなたがTリーグ参戦を決めた背景について教えて下さい。

アポロニア:
僕はドイツ(ブンデスリーグ)で長くプレーをしていたけど、自分の卓球のキャリアはまだまだ続くし、選手としてレベルを上げていきたいというモチベーションが高い。

そんな中、昨年秋頃、(松下)浩二(チェアマン)を含む複数のTリーグ、球団関係者からのコンタクトがあった。リーグ構想を聞き、自分のレベルを引き上げてくれるリーグであることが分かり、すぐに参戦したいと思った。

実際Tリーグに出るメンバーの顔ぶれを見ると、本当に世界最高レベルの卓球リーグが実現出来ていると思う。

ティアゴ・アポロニア(ポルトガル/T.T彩たま)

ーー複数の球団がある中でT.T彩たまに決めたのは?(岸川)聖也の存在は大きい?

アポロニア:
聖也の存在はもちろん大きいよ。ドイツでチームメイトだった頃からの長い付き合いで大切な親友の1人だからね。

強くなるために新しい環境に飛び込むので、卓球以外の部分でのストレスを出来る限り少なくしたいと思っているんだよね。そういう意味では日本滞在中に何かあった時に相談出来るメンバーがいる環境は本当にありがたい。

実際、今週は日本でチームに合流して初の合宿もしたけど、とてもいい練習が出来たし、(監督の坂本)竜介も、チームスタッフもサポート体制が良く充実している。シーズンを通じてパフォーマンスで期待に応えたいと思っている。

どこまで強くなれるのか楽しみ

ティアゴ・アポロニア(ポルトガル/T.T彩たま)

ーーTリーグでは誰との対戦が楽しみですか?

アポロニア:
(選手リストを見ながら)この中から1人を選ぶの難しいね(笑)本当に全員強い!

ーーもちろんティアゴ(アポロニア)もね(笑)

アポロニア:
WOW、本当にレベルの高いリーグができたね。

日本はトップレベルが全員いるし、台湾からも(琉球アスティーダ)の荘智淵(ソウチエン)が出てる。彼とはドイツで一緒にプレーしてたから彼の強さは一番良く分かってる。

そして韓国と香港のエースはチームメイトだから心強い。

ティアゴ・アポロニア(ポルトガル/T.T彩たま)

ーーダブルスに出るなら誰と組みたい?

アポロニア:
いい質問だね。ただ誰とは今は答えられないね。ダブルスはお互いの強いところを組み合わせることで高いパフォーマンスが発揮できる。合宿をやりながらチームメイトの特徴を確認してたんだけど、もっと知る必要がある。シーズンを通じて調整していくよ。

ーー長いキャリアの中でTリーグをどう位置づけていますか?

アポロニア:
僕は今の日本の子供たちのように早く本格的に卓球を始めたわけではない。それでもここまで強くなれたのは試合を沢山させて貰ったから。

そして今後も長く続くキャリアの中で、新しい環境に身を置き、レベルの高い試合を沢山出来ることの意味は大きいね。

Tリーグで沢山試合をしてどんなことが吸収できるのか、どこまで強くなれるのかが楽しみ。

ティアゴ・アポロニア(ポルトガル/T.T彩たま)

これまでの長い卓球人生でのベストゲームは?

アポロニア:
2010年のオーストリアオープン決勝でティモボルを倒して優勝した試合だね。

それまでは普通の選手、勝ってからは世界のトップランカーと見られるようになったんだよね。

ーーその試合では何が起きたのですか?

アポロニア:
ボルは僕に勝てば世界ランク1位になれる重要な試合だったので、とても勝ちへのモチベーションが高かったと思う。ただ、僕も準決勝で(松平)健太(Tリーグ・木下マイスター東京)をストレートで倒すなどとても調子が良く、自信を持って戦えて勝つことが出来た。チャレンジャーとして向かっていけたんだ。

2010年ITTFオーストリアオープン 男子シングルス決勝
◯ティアゴ・アポロニア(ポルトガル) 4-3 ティモ・ボル(ドイツ)
10-12/11-8/3-11/8-11/11-8/11-9/11-6

ーーこの勝利でどう人生が変わりましたか?

アポロニア:
さっきも言った通り、周りの見方が変わったんだよね。

普通のそこそこ強い選手ではなく、世界のトップ選手として見てくれるようになった。

いろんなチームからオファーが来るようになったし、スポンサーもついた。

全てが変わった一試合だった。

ーーそれはすごい!そして夢のある話をありがとうございます。ちなみにいつから卓球を始めたのですか?

アポロニア:
兄の影響で5歳から卓球で遊ぶようになり、本格的には6歳から試合に出始めた。

ーー初めて大会で優勝したときのことを覚えてる?

アポロニア:
実は6歳でその世代の大会でいきなり優勝した。僕には卓球の才能があるのかもしれないね(笑)

ーー羨ましいほどの才能です。今の日本にも才能溢れるプレーヤーが沢山います。そんな若いプレーヤーたちに一言アドバイスをお願いします。

アポロニア:
日本にはお手本になる沢山のプレーヤーがいる。参考にしながら、集中して練習すること、トレーニングしていくことに尽きるね。僕もYoutubeで最新のワールドツアーの試合を見て、自分のプレーに活かせるところはないか研究してるよ。

ティアゴ・アポロニア(ポルトガル/T.T彩たま)

ーー素晴らしいアドバイスをありがとう!最後に、日本での生活はどうですか?

アポロニア:
これまで試合などで日本に20回以上来ているけど食べ物も人もすっかり気に入っているよ。

食べ物は本当に何でも美味しくて、特に寿司とすき焼きが好き。

そして僕は日本人が好きだし、そんな僕のことを好きになってくれる日本人も多いんだ。

ーーTリーグでのプレーを見たらもっとファンになる人が増えそうですね。今日はありがとうございました!開幕戦、楽しみにしてます。

アポロニア:
アリガトウゴザイマス、ガンバル。

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写真:伊藤圭