卓球×インタビュー 台湾3戦士の兄貴分・荘智淵「37歳、ベテランの覚悟」<琉球アスティーダ特集#4>
2018.10.25
写真・取材・文:川嶋弘文(ラリーズ編集長)
Tリーグ・琉球アスティーダの本拠地、沖縄で行われた台湾3選手(荘智淵、陳建安、江宏傑)への開幕前インタビュー企画。
スケジュールの都合で最後に沖縄入りした台湾のエース荘智淵(チュアン・チー・ユアン)がインタビュー会場に到着すると、本人から意外な提案があった。
「時間は大切だし、貴方と直接話したい。だから通訳を通さずに英語でやろうよ」
約20年に渡って世界トップクラスに君臨する37歳のベテランがTリーグに求めるものとは?その想いに迫った。
とにかく、今。この瞬間が大切
荘智淵(琉球アスティーダ)
ーー卓球だけでなく英語も本当にお上手ですね。やっぱり海外が長いからですか?
荘:これまでワールドツアーで世界中を周ってきたし、ドイツ、フランス、ロシアなどのリーグに挑戦してきたから、その間に英語でのコミュニケーションが当たり前になったんだ。
ーー荘智淵選手のプレーはダイナミックでスピーディー。世界中にファンも多いから引く手あまたでしょう。そんなあなたが今回なぜTリーグへの参戦を決めたのですか?
荘:台湾から近いから(笑)。
ーーそれだけ?(笑)
荘:もちろんそれだけじゃないよ(笑)レベルの高い選手たちと沢山試合できる環境が本当に大事。日本は育成がうまくいっていて、世界ランキングの高い選手が沢山Tリーグに出るよね。世界最高レベルのリーグでプレーできるのを楽しみに参戦を決めたんだ。
荘智淵(琉球アスティーダ)
ーーTリーグで特に対戦してみたい選手は?
荘:本当に全員だよ。ワールド・ツアーでもよく当たるし、各選手のことを細かくチェックしている。
ーーまだ沖縄に着いたばかりですが、現時点での琉球アスティーダの印象は?
荘:早川社長やスタッフとはこれまでメールでのやりとりだったけど、やっと会えたばかり。これからチームの一員としての活動がスタートするのが楽しみです。
丹羽、(松平)賢二、村松とはワールド・ツアーでよく顔を合わせるし、お互いを良く知っている。左、右、カットと個性的な選手が揃っていて、チームを組めるのがとても嬉しいし、本当に楽しみだよ。
荘智淵(琉球アスティーダ)
ーー日本選手のエース格である丹羽孝希選手についてはどのように見ていますか?
荘:若くて才能にあふれている選手だね。僕も小柄な方だけど、彼も僕とは違う方法で体格をカバーするプレーが出来ている。彼が14歳、15歳くらいで頭角を現してきたころからチェックしているよ。
ーー荘選手は現在37歳。個人的には50歳くらいまで現役続けて欲しいのですが(笑)
荘:さすがにそこまでとは考えてないよ(笑)とにかく今、この瞬間が大切。2020年の東京五輪を目指している。(ドイツのティモ)ボルやブラディ(ベラルーシのサムソノフ)とともに頑張るよ。
ーーだいぶ先の話になるとは思いますが、現役引退後はどんな構想でいますか?Tリーグの監督などもありえますか?
荘:色んな選択肢があると思う。卓球のコーチや監督は最も想像がつきやすいキャリアだね。Tリーグについてももちろん選手として活躍できて日本のファンに喜んでもらえれば、引退後にオファーが来ると思う。まずは選手として頑張らないと。
ーーこれまでの長いキャリアで一番印象に残っている試合は?
荘:難しい質問だね(笑)でもやっぱり2012年ロンドン五輪のシングルスかな。メダル決定戦で(ドイツの)オフチャロフに負けてしまったんだけど、ベストパフォーマンスが出せたし、卓球人生の中で最もエキサイトしたゲームでした。
ロンドン五輪での銅メダル決定戦。荘智淵らしいダイナミックなプレーで見るものを熱くさせた。写真:AP/アフロ
2012年ロンドン五輪 男子シングルス銅メダル決定戦
オフチャロフ(ドイツ) 4-2 荘智淵(チャイニーズタイペイ)
12-10/9-11/8-11/13-11/11-6/14-12
ーー本当にアツい試合でしたよね。僕も良く覚えています。Tリーグでも是非アツい試合をお願いします。
荘:Tリーグで1つでも多く勝てるように今は特にサーブとレシーブの練習量を増やして、さらなるレベルアップを図っているところ。
ガンバリマス。
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