「活躍して注目されたい」一流企業の名を背負い戦う龍崎東寅に芽生えた自覚 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:龍崎東寅(三井住友海上火災保険株式会社)/撮影:槌谷昭人

卓球×インタビュー 「活躍して注目されたい」一流企業の名を背負い戦う龍崎東寅に芽生えた自覚

2021.07.06 取材・文:山下大志(ラリーズ編集部)

三井住友海上火災保険株式会社所属の卓球選手として活動するのが、龍崎東寅(りゅうざきとんいん)だ。

全日本卓球選手権では5年連続ランク入りを果たしており、2021-2022シーズンからはTリーグ・岡山リベッツでのプレーも決まっている。

龍崎は、明治大学卒業後、一流の大手企業で働きながら卓球選手としてもプレーするキャリアを選んだ。龍崎の卓球人生に迫るインタビュー後編では、明治大学進学後に気づいた卓球の新たな楽しさ、社会人としてプレーする今の思いを聞いた。


【龍崎東寅(りゅうざきとんいん)】1998年12月29日生まれ。新潟県出身。小学生時代は、全日本ホカバすべてで優勝を飾る。中学からはJOCエリートアカデミーに進み、カデットシングルス優勝、世界ジュニアダブルス準優勝など国内外で成績を残す。高校3年生の全日本選手権一般シングルスでランク入りし、明治大学進学後もあわせて5年連続でランク入り。2021年4月から社会人となり、三井住友海上火災保険株式会社に所属し、プレーしている。

>>前編はこちら “三井住友海上所属の卓球選手”龍崎東寅 全日本5年連続ランカーはなぜ異例の進路を選んだのか

明治大で気づいた団体戦の楽しさや面白さ


写真:龍崎東寅(三井住友海上火災保険株式会社)/撮影:槌谷昭人

――エリートアカデミー(エリアカ)卒業後は、明治大学に進学されました。なぜ明治大学に?
龍崎東寅:今もトップで活躍されている水谷(隼)選手や丹羽(孝希)選手が卒業生ということもありますし、明治は大学でトップで中高から憧れでもありました。

自分が活躍してやっていきたいと思って明治を選びました。

――入ってみてどういうところが明治大学は良かったですか?
龍崎東寅:大学の中で環境は本当にトップだと思います。

また、僕が入学したとき4年生だった森薗(政崇)さんら良い先輩にも巡り会えましたし、水谷さん、丹羽さん、森薗さんらを見てきた高山監督もいて、その中で練習やリーグ戦を戦うことができました。

3年生の時には自分がエースで出場することができたのも良かったです。


「明治大学は中高のときから憧れでした」

龍崎東寅:エリアカに所属していた中高のときは、(インターハイなどに出場することもなく)団体戦があまり多くはなかった。

基本的に個人で自分との戦いでした。でも、大学ではリーグ戦やインカレなどでチームで戦う面白さや楽しさ、これが団体戦だというプレッシャーも味わえました。

その中でリーグ戦はほとんど負けなしで戦うことができたので、そこでまた大きく成長できたと思います。

――4年時のリーグ戦はコロナでなくなりましたが、3年間でシングルス34勝7敗、ダブルス20勝8敗と確かに成績は飛び抜けてますね。
龍崎東寅:最後の年があれば、記録更新したかったんですけど残念ですね(笑)。

中高はほとんど団体戦を戦う機会がなくて、苦手だったんですが、大学に入ってからは団体戦の方が好きになったというくらい、今はほんとに団体戦が好きですね。


「今はほんとに団体戦が好きですね(笑)」

「今は活躍して注目されたい」新たに芽生えた自覚


写真:龍崎東寅(三井住友海上火災保険株式会社)/撮影:槌谷昭人

――団体戦のどういうところが好きなんですか?
龍崎東寅:団体戦だとチームメイトが目の前で応援してくれたり、観客席で応援してくれたり、自分のプレーを何人もの人が見てる。

そこで良いプレーをしたり勝ったりというのは、個人戦と比べてチームのために貢献している感じが面白いですね。


「なんと言うか団体戦は…とにかく面白いですね」

――チームメイトが見てるのが良いのか、他にもいろいろな人が注目してるのが良いのかだとどうですか?
龍崎東寅:どちらかと言えば多くの人が注目した中で、良いプレーをしたり勝ったりというのが好きだなと思いましたね。
――ということは注目された方が力が出るタイプですか?
龍崎東寅:いや、微妙です(笑)。ちょうど良い感じに注目されるのが良いです(笑)。


「注目されすぎると緊張するんですよね」

――注目されすぎてあまり良くない思い出が?
龍崎東寅:そうですね。全日本もシングルスでベスト8に残ると観客も多くて、それで結構緊張して…というのはありましたね。
――試合に関してではなく、1人の選手としてはどうですか?

全日本5年連続ランクインは、日本でもトップクラスの成績ですし、「もっと自分に注目してほしい」というような思いはないですか?

龍崎東寅:大学時代はもちろん勝ちたい、優勝させたいという気持ちはありながらも、どこか自分自身はそこまで別に注目されなくても良いやという気持ちもありました。

でも、社会人になってからは会社を背負って戦うので、生半可な気持ちではやってられない。卓球をもっと頑張りたいと思って、今は活躍して注目されたいなという気持ちが本当に大きいですね。


「生半可な気持ちではやってられない。活躍して注目されたいです」

「先輩の意地を見せてやりたい」張本や宇田ら後輩への思い

――今季は岡山リベッツからTリーグ初参戦されるということで、卓球ファンからの注目度は高まると思いますよ。
龍崎東寅:Tリーグは世界のトップレベルの選手が集うので、勝つのは簡単じゃない。そこで自分のプレーを最大限に活かして、チームの勝利に貢献できるようにやっていきたいです。


写真:龍崎東寅(三井住友海上火災保険株式会社)/撮影:槌谷昭人

――ファンへのアピールポイントとなるとやはりフォアハンドですか?
龍崎東寅:自分の強みはフォアハンドなので、一番見てもらいたいです。どんなボールもねじ込めるというところは自信があります。

でも、その他の技術も見てもらいたいです。意外となんでもできるオールラウンダー…とまではいかないんですけど、そこそこの全般の技術はできるので。

龍崎東寅:あとは自分はラリーに結構なるので、その長いラリーで僕が点を取るところは一番見てもらいたいですね。

長いラリーになればなるほど観客がワーっと沸いてくれるので、ラリー中は結構楽しいです。…実は結構見られたがりなのかもしれないです(笑)。

――確かに龍崎選手は試合でよく大きなラリーを打ち合っているイメージがあります。
龍崎東寅:でも今は前陣でやるのが男子で流行っている、というか「できないとダメ」くらいになっています。

自分は打点をちょっと落として、そこから打ち抜いていくタイプなので、前陣でもできるように最近は練習しています。今回の全日本はその練習の甲斐もあり、ベスト8に入れたと思います。

前陣でも良い卓球ができて、台から下がっても粘り強く打ち勝てるような選手を今目指してます。

――エリアカの後輩の宇田幸矢選手や張本智和選手のスタイルですね。宇田選手は明治大学の後輩にもなりましたね。

今勢いのある彼ら後輩の存在はどう感じてますか?

龍崎東寅:智和は、僕が高3のとき中1で、練習試合でも全然負けたことなかったんですけど、気づいたらもうトップになってました(笑)。もちろん練習で人一倍努力してるというのもあると思います。幸矢も全日本優勝している。僕も負けてられない。

もし試合で当たったら先輩の意地を見せてやりたいです。たぶんどこかでは当たると思うので、自分がどれだけ通用するかはすごく楽しみです。

――最後に卓球選手として今度どうなっていきたいか目標を教えてください。
龍崎東寅:パリ五輪に出場するのが目標です。あと3年もないので、そこの3年でどれだけ自分の実力を上げられるか。

日本のトップで活躍するのはもちろんですけど、世界の強豪の選手とも渡り合えるように、一日一日頑張っていかないといけないと思っています。


「自分がどれだけトップに通用するかはすごく楽しみです」

幼少期から何度も全国優勝を果たし、“怪物”と称された男は、社会人となり、一流企業で働きながら卓球選手としてもトップを目指す。

張本や宇田ら期待の10代が話題を集める中、新たな自覚の芽生えた“元祖怪物”龍崎が注目をかっさらう日が楽しみだ。

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