文:ラリーズ編集部
11月6日から11月10日にかけてJA全農 2019ITTFチームワールドカップが開催され、男女団体戦の2種目で世界一決定戦が行われた。1年後に行われる東京五輪と同じ会場・同じ試合形式で行われた今大会は、各国が来るべきオリンピックの前哨戦と位置づけて臨んだ。
結果は中国が、男子では今年の世界選手権シングルス王者の馬龍(マロン・11月世界ランキング4位)を温存するなど、層の厚さを見せながらも男女揃ってのアベック優勝を果たした。
日本は男女ともに中国に敗れたものの、東京というホームグラウンドで男子は銅メダルを、女子は銀メダルを獲得する結果となった。
男子団体 試合結果
写真:8連覇を達成した中国男子チーム/撮影:ラリーズ編集部
男子団体の優勝は中国で、今大会の優勝により8連覇を達成した。準優勝は韓国となった。決勝1番のダブルスでは梁靖崑(リャンジンクン)/許昕(シュシン)VS鄭栄植(チョンヨンシク)/李尚洙(イサンス)の好カード。中国ペアが2ゲームを先取し、ストレートで勝利するかと思われたが、そこから韓国ペアが3ゲームを巻き返し、今大会唯一中国に土をつけた。
その後も鄭栄植が梁靖崑をあと1点のところまで追い詰めたが、最強・中国のプライドを見せた梁が逆転で勝利し、襷を受け取った樊振東(ファンジェンドン・中国)がそのまま優勝を決めた。
写真:ティモ・ボルに初勝利した吉村真晴(名古屋ダイハツ)/撮影:ラリーズ編集部
日本男子は予選リーグ初戦でイングランドと対戦。TリーグT.T彩たまで活躍するリアム・ピッチフォードがシングルスで張本智和(木下グループ)と丹羽孝希(スヴェンソン)を破る活躍を見せ、日本は1-3と黒星発進となった。
しかし続くオーストリア戦を勝ち切ると、準々決勝でドイツと対戦。ダブルスで敗れた後、張本智和と吉村真晴がそれぞれドミトリ・オフチャロフとティモ・ボルに初勝利を挙げ、チームも3-1で勝利。
その後の準決勝で中国と対戦したが、吉村真晴が許昕に1ゲームを奪うにとどまり、3-0で敗れた。中国との壁を痛感させられたが、強敵ドイツを破って獲得した価値ある銅メダルとなった。
女子団体 試合結果
写真:優勝の中国チーム/撮影:ラリーズ編集部
女子団体も中国が優勝となり、驚異の9連覇を成し遂げた。日本女子は決勝で中国に敗れ、準優勝となった。
日本女子はグループリーグで、アメリカとオーストリアにわずか1ゲームしか落とさず連勝し、予選1位で準々決勝へと進む。準々決勝ではヨーロッパ選手権団体で優勝している強敵・ルーマニアと対戦。どの試合もうまくスタートダッシュを切れなかったものの地力で上回り、準決勝へと駒を進めた。
準決勝では、韓国との対戦となった。ダブルスでは15歳の天才少女・申裕斌(シェンユービン)をダブルスとシングルスに起用し、韓国勢で最も世界ランキングの高い徐孝元(ソヒョウォン・同16位)が出場しないという意外なオーダーになる。
日本は石川佳純(全農)/平野美宇(日本生命)ペアで臨んだダブルスを落とし、悪い流れでバトンを受け取った伊藤美誠(スターツ)はフルゲームまで追い込まれるも競り勝ち日本チームを勢いづけた。1-1で迎えた平野が田志希(チョンジヒ)を一蹴すると、日本は再び伊藤が登場。伊藤が貫禄を見せて申裕斌を下し、決勝への切符を掴んだ。
写真:決勝で惜しくも逆転負けした伊藤美誠(スターツ)/撮影:ラリーズ編集部
決勝ではリオ五輪女王の丁寧(ディンニン・中国)が腰痛で欠場するも、世界ランキング1位の陳夢(チェンムン)、世界選手権女王の劉詩雯(リュウスーウェン・同2位)、孫穎莎(スンインシャ・同3位)と世界ランキングトップ3を据える布陣。
日本はダブルスでスタートダッシュで差をつけられ、試合を落とす。続く2番の伊藤美誠が孫穎莎にゲームカウント2-0でリードしたものの逆転負けを喫した。3番の平野はプレースタイルが近い劉詩雯にストレートで完敗し、3-0で敗れる結果となった。