石川が平野を逆転し"最終決戦"へ 五輪選考に関わる世界ランキングポイント(北米OP終了時点) | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:T2ダイヤモンドでの石川佳純/撮影:ラリーズ編集部

卓球ニュース 石川が平野を逆転し“最終決戦”へ 五輪選考に関わる世界ランキングポイント(北米OP終了時点)

2019.12.10

文:ラリーズ編集部

石川佳純 ノースアメリカンOP優勝

現地時間8日、ノースアメリカンOPが全日程を終えた。女子シングルス決勝は石川佳純(全農)と平野美宇(日本生命)の日本勢対決となった。五輪シングルス代表の残り1枠を争う2人による勝負だったが、これを石川佳純が制して優勝を果たした。

優勝してポイントを加算した石川は、五輪代表選考に関わる2020年1月時点での世界ランキングポイントで平野を逆転。135pt差をつけた。石川は“最終決戦”グランドファイナルに優位な状態で臨むことができる。

>>石川佳純がV 平野美宇との五輪代表争いに逆転<卓球・ノースアメリカンオープン>

五輪出場権を左右する世界ランキングの算出方法とは?

東京五輪シングルスの出場権は2020年1月時点の世界ランキング上位2名に与えられる。その2020年1月を見据え、「2020年1月時点で有効であるポイント」を集計し、五輪出場争いの展望をまとめた。

まずは、世界ランキングの算出方法からおさらいをしておこう。

ITTFが定める卓球世界ランキングは、以下のような規定により決定される。

・ITTFが規定する大会のうち、過去1年以内の大会結果をもとに算出
・世界選手権など一部の大会は1年以上前でも計算対象とする。同大会が次に開催されるまで有効となる。
・対象となる大会のうち、獲得ポイントが多い上位8大会でのポイント合計がその選手の合計ポイントとなる。
・T2ダイヤモンドでの獲得ポイントは上位8大会のポイント合計とは別に加算される。

つまり、現時点の世界ランキングポイントの中から、2020年1月には失効してしまうものを考慮する必要がある。

今回は「2020年1月時点で有効であるポイント」だけをノースアメリカンOP終了時点まで集計した。そのため、以下で紹介する各選手のポイントはITTFが発表する世界ランキングポイントとは異なるものとなる。

>>【最新版】卓球・世界ランキングの決め方は? 規定が2020年を目前に改定、そのポイントとは

ノースアメリカンOPを終え、各選手のポイントは?


写真:男子W杯での丹羽孝希/提供:ittfworld

ノースアメリカンOPの結果を含め、2020年1月まで有効なポイントだけで算出した男女日本選手のポイントランキングは以下の通り。

女子選手順位

1 伊藤美誠 14310Pt(14310Pt)
2 石川佳純 10830Pt(10630Pt)
3 平野美宇 10695Pt(10695Pt)
4 佐藤瞳  7995Pt(7995Pt)
5 加藤美優 7585Pt(7545Pt)
6 早田ひな 7520Pt(7520Pt)

※太字がノースアメリカンOPでポイントを増やした選手
※左のPtはノースアメリカンOP終了時、()内はノースアメリカンOP前の2020年1月まで有効なポイント

男子選手順位

1 張本智和 12465Pt
2 丹羽孝希 9420Pt
3 水谷隼  8925Pt
4 森薗政崇 5195Pt
5 神巧也  5055Pt
6 吉村和弘 4830Pt

※男子の上位陣については、ワールドカップ終了時から変動なし

>>石川佳純と平野美宇 東京五輪シングルス代表権はどちらの手に

“最終決戦”グランドファイナルが12日に開幕

12日からワールドツアーグランドファイナルが中国で開幕する。20年1月の世界ランク発表前最後の国際大会。つまり、事実上の五輪代表決定戦だ。

男子は丹羽孝希と水谷隼が残り1枠を争う。


写真:T2ダイヤモンドでの水谷隼/撮影:ラリーズ編集部

男子は張本智和(木下グループ)が既に日本選手2位以内を確定させ、残るシングルス代表の枠は1つ。勝負は丹羽孝希(スヴェンソン)と水谷隼(木下グループ)の一騎打ちだ。

グランドファイナルには張本と水谷が出場予定。現在は丹羽が水谷を495Ptリード。水谷が代表権を獲得するには、ベスト4以上に入ることが必須となる。

世界のトップ選手が集うグランドファイナルでベスト4に入ることは容易くはない。長年にわたって日本卓球界を背負ってきた水谷は、この苦境をどう切り抜けるか、グランドファイナルでの戦いを見守ろう。

女子は石川か平野か 1勝の差が左右するレースの行方は

女子は伊藤美誠(スターツ)が五輪代表内定の条件を満たした。残る1枠を石川と平野が争う。

石川は今回のノースアメリカンOP優勝で平野をリードし、優位な形でグランドファイナルに臨む。グランドファイナルには石川と平野の両者が出場するため、他方より多く勝ち上がった者が代表権を獲得する。両者の成績が同じだった場合は、既にリードしている石川が五輪代表となる。


写真:平野美宇/提供:ittfworld

東京五輪の代表という狭き門を巡って、多くの選手がしのぎを削ってきた。時には自らの身体にむちをうって、ハードスケジュールをこなしてきた選手も多い。

長かった五輪代表レースは、いよいよ最終章を迎える。グランドファイナル終了時に、代表権を獲得するのはどの選手か。12日から始まる、選手たちの“最終決戦”に注目しよう。

>>グランドファイナル 日本は前回覇者・張本ら9選手が出場権獲得