文:ラリーズ編集部
22日、東京五輪女子日本代表の石川佳純が、自身がアスリートアンバサダーを務めるシスコシステムズのイベント『卓球 × テクノロジーによる戦い方改革2020』に参加した。石川は、改めて東京五輪への意気込みを語ると共に、試合映像分析などテクノロジー分野で行なっている取組みの一端を公開した。
>>国際卓球連盟、大手IT企業・シスコシステムズとパートナーシップ締結
映像分析による戦術改善をITで実現
写真:イベントに登場した石川佳純/撮影:ラリーズ編集部
石川にとって東京2020はロンドン、リオに続く3度目の五輪出場となる。これまでで最も狭き門だったと自身が語る五輪代表選考レースの間、ますます高速化していく現代卓球において勝ち続けるために、シスコが石川のために開発した映像分析を活用し、リスクをとる攻撃的なプレースタイルに変えていった。
写真:試合映像分析が映し出された/撮影:ラリーズ編集部
「特にサーブレシーブについて、実際の試合データと自分のイメージが違うことが多くて、とても参考になる」と石川はシスコの映像分析を評した。
「私は頑固なので(笑)、試合中コーチにもっとロングサーブを、と言われて、え?出してるよと思ったけど、試合後データを見ると確かに2本しか出してなかったり(笑)」と映像分析で客観的に見ることが戦術改善にも繋がっているという。
写真:IT導入の効果について説明する石川佳純/撮影:ラリーズ編集部
また、連戦が続くワールドツアーでは、自身のプレー分析だけでなく、現地で次の対戦相手の映像を確認する際にも大いに役立てている。
「これまでは、見たい相手の見たいプレーを探すだけで時間がかかっていた。今は開発して頂いたシステムのおかげですぐに見られるので、試合前のストレスが減っている」と過密スケジュールの中、シスコのツールが石川を手助けしていた。
優勝した昨年12月の北米OPでも、初対戦の二人の中国選手との対戦の際に、事前に試合映像が見られたことで、比較的不安の少ない状態で試合に臨めたという。
写真:ビデオメッセージで登場した張本智和/撮影:ラリーズ編集部
シスコ社は、アスリートアンバサダープログラムで張本智和も支援している。今回のイベントでは、ビデオメッセージで張本もサプライズ登場し、張本のメッセージに石川が笑顔を浮かべる一幕も見られた。
>>北米OP決勝では平野美宇との直接対決を制し、石川佳純が優勝を果たした
“チーム佳純”が全力サポート
写真:システムの利点を語る石川佳純/撮影:ラリーズ編集部
シスコ側も、トップアスリートである石川選手の要望に応えられるよう、“チーム佳純”と呼ばれる約10名のチームを作り、全力でサポートに当たっている。
写真:左から生田大朗氏、石川佳純、鈴木和洋氏/撮影:ラリーズ編集部
「石川選手のご要望にお応えして、映像提供だけでなく、その試合映像分析からどんなことがわかるかという分析レポートを、今は最短で翌日に、石川選手に送るようになってきた」と、マーケティング本部 東京2020五輪・パラ五輪部長の生田大朗氏は胸を張る。
IT業界からの力強い“チーム佳純”のサポートも受けて、いよいよ残り半年のオリンピックロードを、石川佳純が全力で駆け抜けていく。