文:ラリーズ編集部
3月3日から8日にかけてITTFワールドツアープラチナ・カタールオープンが開催されている。5日からは本戦が始まり、今大会では絶対王者とも呼ばれる馬龍(マロン)を含む中国選手も参戦しており、多額の賞金獲得が見込まれている。
中国選手たちは今大会で獲得した賞金を全て新型コロナウイルス感染症に苦しむ武漢に寄付するとITTF(国際卓球連盟)が報じた。
馬龍らが賞金の寄付を発表
写真:中国の許昕(写真左)・馬龍ペア/提供:ittfworld
中国卓球協会の選手会の会長を務める馬龍はカタールオープンに参加する中国選手を招集し、現在の中国国内の状況について議論を行った。
その結果、中国選手がカタールオープンで獲得した賞金を全て武漢に寄付することを決定した。さらに、大会直前の負傷により棄権を余儀なくされた劉詩雯(リュウスーウェン、中国)は女子シングルスの優勝賞金と同額を寄付することを提案。
新型コロナウイルスの蔓延により多くの大会などが中止や延期となっている一方で、中国選手団の決定は現在のような非常事態の下では賞賛されるべき行為と言えるだろう。
今回のことは、賞金の寄付を決定した中国選手団だけでなく、開催地のカタール卓球協会にも大きな功績があるといえる。大統領ハリル・アル・モハナディの主導の下、コロナウイルスによる大会中止の可能性が出たとき、迅速にトレーニング会場を確保した。素早い対応により大会の中止を回避したカタール卓球協会の努力も見逃せない。
熱戦が続くカタールオープン。日本選手の活躍はもちろん中国選手の戦いにも注目だ。大会4日目の6日、水谷隼(木下グループ)、丹羽孝希(スヴェンソン)、石川佳純(全農)、平野美宇、森さくら(ともに日本生命)がシングルスで中国選手と相まみえる。