文:ラリーズ編集部
ラリーズではこれまで、東京五輪の日本代表選手について、過去の五輪での活躍を振り返ってきた。
ここからは、きたる東京五輪で日本のライバルとなり得る海外の選手について、過去の五輪での成績を振り返ろう。
今回はその第1回、馬龍(マロン・中国)編だ。
ロンドンでは団体で金、リオでは個人と団体の2冠を達成した馬龍。世界選手権では15年、17年、19年と3連覇を達成しその強さは健在だ。30歳を超えた世界王者は、東京五輪に出場すれば間違いなく日本の脅威となるだろう。
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団体戦で金メダルに貢献・ロンドン五輪
団体戦:金
五輪デビューを果たしたロンドン五輪では、団体戦のみの出場だった。
シングルスで金メダルの張継科(ジャンジーカ)、銀メダルの王皓(ワンハオ)と組んだ団体戦では、中国が圧倒的な力を見せつけた。馬龍は団体戦の試合を全勝で終え、特に準決勝のドイツ戦ではシングルスで2勝を挙げるなど、金メダル獲得に大きく貢献した。
個人と団体の2種目で金・リオ五輪
写真:リオ五輪で金メダルを獲得した馬龍/提供:ittfworld
個人戦:金
2015年の世界選手権で頂点に輝いた馬龍は、翌年のリオ五輪で初のシングルス代表となった。
3回戦からの出場となった馬龍は、世界王者として順当に勝ち上がる。準決勝では水谷隼の決勝進出を阻み、つづく決勝ではロンドン五輪王者の張継科をストレートで下した。五輪シングルスのデビュー戦で、堂々の金メダルに輝いた。
3回戦:○馬龍 4-0 ジョナサン・グロート(デンマーク)
4回戦:○馬龍 4-2 鄭栄植(韓国)
準々決勝:○馬龍 4-0 クアドリ・アルナ(ナイジェリア)
準決勝:○馬龍 4-2 水谷隼(日本)
決勝:○馬龍 4-0 張継科(中国)
団体戦:金
写真:リオ五輪での馬龍/提供:ittfworld
張継科、許昕(シュシン)と馬龍の3選手で団体戦に臨んだ中国代表は、他国を圧倒した。
1回戦のナイジェリア戦、準々決勝の英国戦、準決勝の韓国戦まで、馬龍個人としても、さらには中国代表としても無傷で勝ち上がる。そして迎えた決勝は日本との対戦だったが、馬龍は吉村真晴、丹羽孝希をともにストレートで下す活躍を果たし、金メダル獲得の立役者となった。
馬龍は個人戦と団体戦を無敗で終え、2種目制覇を達成。世界王者の実力を世界に見せつけた。
最強王者が日本の前に立ちはだかる
リオ五輪の後も、17年と19年の世界選手権で優勝を果たし、その力は衰えない。19年はカタールOP、中国OPで優勝し、他の大会でも安定して上位進出を果たす。
“最強王者”の馬龍が東京五輪に出場するかは未定だが、五輪に限らず、日本勢にとっては今後も壁となり続けることは間違いない。