文:ラリーズ編集部
1月13日から19日まで、丸善インテックスアリーナ大阪にて、2020年全日本卓球選手権大会が開催される。優勝候補はやはり、先日東京五輪シングルス代表に選出された張本智和(木下グループ)であろう。
昨年8月のブルガリアオープンでは趙子豪(ジャオズーホウ・中国)を破り、2019年シーズン初優勝、さらに同11月に行われたチームワールドカップ東京大会ではオフチャロフ、フランチスカ(ともにドイツ)に勝利し、日本男子を3位に導いた。
その後、同11月のT2ダイヤモンドシンガポール大会では3位決定戦で林高遠(リンガオユエン・中国)に勝利し3位に入賞した。また男子ワールドカップでは馬龍(マロン・中国)を破り、日本男子初の銀メダルを獲得した。2020年1月発表の世界ランキングでも日本男子最高の5位をマークしており、国際大会での強さについては折り紙付きである。
また昨年12月に行われた第24回卓球ジャパントップ12では、神巧也(T.T.彩たま)、丹羽孝希(スヴェンソン)を破り優勝と、国内大会での強さも証明している。
2020年の全日本ではどのような戦いを見せるのか。シングルスの山場を詳しく紹介する。
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4回戦・緒方遼太郎と再び対戦も
写真:緒方遼太郎(早稲田大学・写真は関東学生リーグ時)/撮影:ラリーズ編集部
スーパーシードである張本は4回戦から登場する。そのシード下には緒方遼太郎(早稲田大学)がいる。
両者は昨年度の全日本選手権5回戦でも対戦しており、緒方の思い切った攻撃に押された張本が最終ゲーム1-6まで追い詰められたものの、大逆転勝利を収めた。
緒方が勝ち上がった場合、張本にとっては初戦である4回戦で対戦することになる。今大会の組み合わせ発表に伴い、昨年12月6日に行われた記者会見において、倉嶋男子代表監督は「張本が一番注意しないといけないのは初戦。緒方が張本のシード下におり、前回大会でも競っている。張本にとって国際大会も含めて初戦は鬼門。初戦の入り方を注目していきたい」と語っている。
例年スーパーシードが登場する4回戦は、初戦から勝ち上がり調子を上げてきた選手によって波乱が引き起こされることが多い。初戦であることに加えて、昨年度苦戦した緒方と対戦する場合には、張本にとってより気の抜けない戦いになると予想される。
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準々決勝・吉村真晴と対戦か
写真:チームW杯ではボルを下した吉村真晴/提供:ittfworld
準々決勝で張本は、吉村真晴(名古屋ダイハツ)や高木和卓(東京アート)らのブロックの勝者と対戦することになる。
特に吉村については昨年11月に行われたチームワールドカップ東京大会での活躍が記憶に新しい。ドイツとの準々決勝第3試合に登場した吉村は、これまで幾度となく日本選手を退けてきた“皇帝”ティモ・ボルに対して3-0と完勝している。昨年12月に行われた2020世界卓球日本代表最終選考会では準決勝で敗れ、代表の座を逃したものの、好調を維持していると予想される。
準決勝・丹羽孝希との五輪代表対決なるか
写真:トップ12での丹羽孝希。トップ12では決勝で張本に敗れた/撮影:ラリーズ編集部
準決勝で張本は、木造勇人(愛知工業大)や森薗政崇(BOBSON)、丹羽孝希(スヴェンソン)ら、強敵揃いのブロックを勝ち進んできた選手と対戦する。
ここでは2020年東京五輪シングルス代表に選出された丹羽に注目したい。丹羽は昨シーズン後半、オーストリアオープン、T2ダイヤモンドシンガポール大会、男子ワールドカップと3大会連続でベスト8入りしており、調子を上げている。
丹羽は、張本と国際大会では昨年11月に行われた男子ワールドカップ準々決勝で対戦しており、4-3の激戦の末、張本が勝利している。また、国内大会でも12月末のトップ12で対戦し、ゲームカウント4-0で張本が勝利を収めている。
五輪代表同士の対戦でもあり、実現すれば見ごたえのある試合が期待される。
前回大会では準決勝で敗れ、ベスト4に終わった張本だが、優勝候補筆頭であることは間違いない。前回大会の雪辱を果たし、2度目の優勝を掴むことが出来るか。スーパーシードである張本のシングルス初戦は1月16日から始まる。