文：ラリーズ編集部
＜2021卓球NIPPONドリームマッチ 2021年7月2、3日＞
7月2日、2021卓球NIPPONドリームマッチ（日本卓球協会創立90周年記念）が開催された。ボールは紅双喜、卓球台は三英（MOTIF、輪島塗）と五輪本番と同じものを使用している。
混合ダブルスの水谷隼（木下グループ）/伊藤美誠（スターツ）ペアは、男子ダブルスの吉村真晴（愛知ダイハツ）/有延大夢（琉球アスティーダ）ペアにゲームカウント0-4で敗れた。
男子ペアの猛攻に苦戦
写真：水谷隼/伊藤美誠ペア/提供：日本卓球協会
混合ダブルスは五輪本番と同じ7ゲームマッチで行われた。リラックスした表情で登場した水谷隼（木下グループ）/伊藤美誠（スターツ）ペア。しかし、序盤から吉村/有延ペアが声を出し、引き締まった表情で全力プレーを見せ、2ゲームを連取した。
写真：有延大夢/吉村真晴ペア/提供：日本卓球協会
0-2で劣勢となった水谷/伊藤ペアは、3ゲーム目に伊藤がシングルスでも多用する横回転の強い巻き込みサーブを使用し、サービスエースで流れを変えようとしたが及ばない。4ゲーム目も水谷がハイトスサーブに変更し、流れを変えようと試みるも吉村/有延ペアにうまく処理され、0-4のストレート負けに終わった。
スコア
水谷隼/伊藤美誠 0-4 〇吉村真晴/有延大夢
9-11/6-11/8-11/9-11
水谷隼コメント
ミックスの反省をどう生かすか
男子ペアとは実際は展開は違うので、残り3週間、自分たちは今できることを精一杯やっていきたい。「
伊藤美誠コメント
今日確認したかったことは
いつもこういう選手には勝ちづらいねと話していた、パワーのあるタイプの選手のペア。合宿でも試合をしていて負けていた。これまでのミックスでも、韓国や香港のパワーの攻撃力のある選手には勝ちきれないことがあったので、今日そういう選手と試合ができたのは嬉しい。自分たちペアができることを広げていきたいです。
何が大切だと思っていますか
ミスを恐れないことが大事。シングルスのほうが思い切って行けてると感じている。私個人の考えですが、相手が向かってくる選手の場合は、私もどんどん仕掛けていかないと、守りに入ってしまう。質の高いボールをミス無く入れることが大事。
残り3週間程度だが、今後の調整は
シングルスとミックスを合わせて練習していく。お客さんの前で試合するのは明日で最後。他の場所で練習して、試合会場で試合をやるという環境にも慣れていきたい。
サーブ・レシーブで首をかしげるシーンもあったが
普段は1ゲーム目から思い切って自分の展開に持っていくんですが、私たちが良くないときは1ゲーム目から流れが守りに入ってしまう。勝っても負けても、1ゲーム目から思い切って仕掛けていく、出し切りたいと思います。そして、仕掛けながらミスをしないように、調子を上げていきたいと思っています。
どういうスタイルを貫いて勝っていきたいと思いますか
今日は男子ペアでしたが、最近は女子の選手も男子並みに強いボールを打てる。ミックスでは、私自身が積極的に行けるからこそ、水谷選手にも繋げると思う。
入れながら繋ぐのではなく、攻めながら水谷選手に繋ぐ展開にしていきたい。シングルスでは自分が仕掛けていくという意識でやっているが、（ミックスは）どうしても私だけじゃないので、しっかり回そうという意識になってしまう。ミスしても、というより、ミスしないけど質の高いボールで仕掛けるということを意識していきたい。
倉嶋監督コメント
ミックスについて
相手もダブルスのスペシャリストを組ませて、ちょっと強すぎたかなというイメージもありましたが、パワーヒッターを相手にどうするか、強いチキータを打つ相手にどう戦うか、そういう課題点も見えてきたので、あと3週間、やっていきたい。
男子右右ペアを対戦させた意図
今、インカレの時期や、Tリーグの他のチームがイベントでいなかったり、選手があまりいなかった。「やるなら強い相手とやろう」と水谷・伊藤と話して決めた。もし大学生もいたら、五輪を想定した相手にしただろうと思う。そこは今後の合宿でシミュレーションしていきたい。
結果については
男子ペアとの対戦は女子をつく、というミックスダブルスの鉄則ができない。今日ほどのパワーボールが連続で来ることもないので、今日の結果でどうこうはなく、全然気にしていない。
サーブレシーブをもう少し意識したい。水谷は安定性。伊藤美誠はもっとアグレッシブに。今日の展開は、やや単発であまりコンビネーションが良くなかった。ピーキングを五輪に合わせていきたい。
女子団体見どころ
写真：石川佳純・平野美宇ペア/提供：新華社・アフロ
3日には女子団体が行われる。五輪代表チームから伊藤美誠、石川佳純（全農）、平野美宇（日本生命）の3名が出場する。対戦相手は、仮想ドイツ代表を意識して、カットマンの原田春輝（希望が丘高）、左シェークの長﨑美柚（日本生命）、ペンホルダーの宋恵佳（中国電力）の3名で構成される。
女子団体で日本代表が金メダルを目指すうえで強敵となるドイツ代表を倒すためには、この試合は負けられない。五輪代表の3選手の活躍に注目だ。
水谷隼インタビュー
写真：水谷隼（木下グループ）/撮影：伊藤圭
＞＞第1話「全盛期の7割あれば十分」 水谷隼、最後の大舞台へ懸ける思い
＞＞第2話 「金メダルの可能性は20％」伊藤美誠との“最強ペア”で描く水谷隼のゲームプラン
＞＞第3話 水谷隼、北京からロンドン、飛躍の4年間 きっかけは“中国武者修行”
＞＞第4話 水谷隼「一人で強くなってやる」すべては卓球界を変えるために
石川佳純インタビュー
写真：石川佳純（全農）/提供：全農
