卓球ニュース ヨーロッパチャンピオンズリーグ決勝戦が開幕 水谷擁するオレンブルグは黒星スタート【ECL2017/2018決勝】
2018.05.16
文:ラリーズ編集部
*写真は世界卓球2018ハルムスタッド大会の水谷隼(木下グループ)
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ヨーロッパのクラブチーム王者を決める一戦が開幕
ヨーロッパチャンピオンズリーグの決勝戦が日本時間5/13(日)の20時から始まった。
チャンピオンズリーズの幸先を占う初戦、登場したのは”ドイツの皇帝”ティモ・ボル(5月度世界ランキング3位)擁する強豪、ボルシア・デュッセルドルフ。対するはロシアのオレンブルグだ。オレンブルグにはボルと並ぶドイツのエース、オフチャロフ(同2位)、そして日本のエース、水谷隼(同13位・木下グループ)、と、古豪サムソノフ(同24位)が所属しており、“世界のオールスター”との呼び声も高い。
去年も同カードで、オレンブルグが優勝を飾っている。
世界卓球を終えて迎えた、クラブの世界一を決める大一番。果たして勝利の女神はどちらに微笑んだのか。
ヨーロッパチャンピオンズリーグの制度
ヨーロッパ各リーグの上位が参戦し、現在は男子は16チームが参戦しており、4チームずつ4つの組に分かれてホーム&アウェイでリーグ戦を行い、各組の上位2チームが決勝トーナメントに進出する。
決勝トーナメントはホーム&アウェイで2戦行い、2勝するか、1勝1敗で得失点差で上回ったチームが勝ち上がる。
ECL決勝第1戦:オレンブルグ 2-3 デュッセルドルフ
第1試合:オフチャロフ 1-3 ボル
<スコア>
7-11/8-11/12-10/6-11
不調のオフチャロフ、ミスが相次ぎ1、2ゲームを落としてしまった。
オフチャロフのカウンターが決まり始め、点差が詰まるもボルが台から距離取り、オフチャロフのタイミングを外し、ミスを誘う。
しかし、オフチャロフも維持を見せ、第3ゲームを取るも、ボルの安定した卓球を前に敗北に終わった。
第2試合:水谷 3-2 Kカールソン
<スコア>
11-8/8-11/12-10/9-11/14-12
相手は世界卓球で勢いづくスウェーデンの主砲、Kカールソン。
今シーズンもここまで10戦全勝の活躍を見せていた水谷はカールソンよりボールの威力こそ劣るものの、カールソンのミスを誘う緩急のあるボールを多用し、カールソンの重いドライブに対して防戦一方になってしまい、ゲームカウント1-1のイーブンに。
3ゲーム目は水谷の大量リードから始まったものの、互いに譲らぬシーソーゲームとなった。そして最後は水谷が鋭いカウンターでこのゲームを奪った。4ゲーム目、カールソンの攻撃を封じようとストップ(レシーブ技の一種。台の手前にボールを短めに落とし、相手に攻めさせない技)を軸に試合を組み立てていく水谷だが、思ったよりカールソンのサーブが鋭かったのか、ストップが浮いてしまい、このゲームを落とす。
迎えた最終ゲーム。水谷は自らのチキータ(レシーブ技。相手のサーブに対して、サイドスピンをかけて、曲がる球を打つ)がカールソンに狙われていると判断したか、ここでもレシーブ策としてストップを多用していた。
ここではうまくカールソンのサーブに対応し、カールソンの思い通りな攻撃をさせない。最後は水谷の粘り勝ち。これで団体戦はイーブンに。
第3試合:サムソノフ 3-1 カールバーグ
<スコア>
11-6/11-3/7-11/11-6
サムソノフが持ち前の安定した、守備の堅いプレーでスウェーデンの若手、アントン・カールバーグに確実に試合に勝利し、再び水谷の出番に。
第4試合:水谷 1-3 ボル
<スコア>
11-13/8-11/11-5/3-11
第1ゲームから両者の熾烈なラリー戦となった。しかしここは回転量で勝るボルがデュース戦の末、ゲームを先取。2ゲーム目も水谷は流れを変えられず、ボルにゲームを奪われてしまう。
追い詰められた水谷は3ゲーム目、ラリー戦は不利と見たのか、的確にコースを突き、ボルの卓球を封じこめ、ゲームカウント1-2とした。
しかし4ゲーム目は、またも激しいラリーの応酬。ここはボルの独壇場だった。水谷に付け入る隙を与えず、ボルに軍配が上がった。
第5試合:オフチャロフ 0-3 Kカールソン
<スコア>
8-11/4-11/8-11
そして迎えた最終試合。悪い流れで迎えてしまった水谷のオレンブルグだが、結局オフチャロフがその流れを断ち切ることができず、ストレートで敗北。チームとしても、大事な初戦を落とした。
写真:千葉格/アフロ