文:ラリーズ編集部
<JA全農 2019ITTFチームワールドカップ東京大会 2019年11月6日~11月10日>
9日、全農 2019ITTFチームワールドカップ東京大会は4日目を迎え、男女団体準決勝が行われた。男子は中国vs日本、韓国vsチャイニーズタイペイの試合が行われ、中国と韓国が勝利し、明日の決勝へ駒を進めた。一方の女子は、中国vsチャイニーズタイペイ、日本vs韓国の試合が行われ、中国と日本が決勝へ進んだ。
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日本は中国の牙城を崩せず 決勝は中国vs韓国
写真:チャイニーズ・タイペイ戦の鄭栄植/撮影:ラリーズ編集部
注目の準決勝第一試合は、韓国vsチャイニーズタイペイ。接戦になることが予想された。しかし、チャイニーズタイペイ注目の林昀儒(リンインジュ)を張禹珍(ジャンウジン)がゲームカウント3-1で倒し、鄭栄植もストレートで勝利して、3-0で韓国が圧勝。決勝進出を決めた。
写真:中国戦の吉村真晴/撮影:ラリーズ編集部
一方、準決勝第二試合の中国vs日本は、お互い準々決勝と同じオーダーで試合に臨んだ。強豪ドイツを倒して勢いに乗る日本代表だったが、結果は3-0で中国の勝利。1番のダブルスを落とし、2番シングルスの張本智和(木下グループ)も樊振東(ファンジェンドン)にストレート負け。唯一ゲームを取ったのが3番シングルスの吉村だけ、という力の差を見せつけられた試合となった。
男子決勝は中国vs韓国
明日の男子団体の決勝は13時から行われる。注目は、中国代表のメンバーだ。決勝トーナメントの2試合はいずれも、樊振東、許昕(シュシン)、梁靖崑(リャンジンクン)の3人でオーダーを組んでおり、馬龍(マロン)と林高遠(リンガオユエン)はグループステージの出場のみに留まっている。
対する韓国も、今大会は張禹珍、李尚洙(イサンス)、鄭栄植(チョンヨンシク)の3人を固定して起用し続けている。おそらく決勝もその3人でオーダーを組んでくるだろう。
韓国が下馬評を覆し、1995年アトランタ大会以来24年ぶりの優勝を掴みとるのか。それとも、中国代表が8連覇を達成するのか注目だ。
日本は韓国のとの激戦制し、中国に挑む
写真:中国戦の陳思羽(チェンズーユ・チャイニーズ・タイペイ)/撮影:ラリーズ編集部
準決勝第一試合は、中国vsチャイニーズ・タイペイ。絶対王者中国に、チャイニーズ・タイペイがどこまで粘れるかが注目された。シングルスで丁寧(ディンニン)と陳夢(チェンムン)がそれぞれ1ゲームずつ落としたのみで、結果的に3-0で中国が勝利し、明日の決勝へ駒を進めた。
写真:田志希(写真奥)と申裕斌(写真手前)/撮影:ラリーズ編集部
女子日本代表は準決勝で韓国と対戦。ダブルスは今大会初のペアリングとなった田志希(チョンジヒ)/申裕斌(シェンユービン)ペアが、1ゲーム目から先に攻撃をしかけて優位に立ち、今大会無敗の平野美宇(日本生命)/石川佳純(全農)ペアを3-1で撃破した。
思わぬ結果に暗雲が立ち込めた日本代表だったが、2番シングルスの伊藤美誠(スターツ)が崔孝珠(チェヒョジュ)と3-2の接戦を制して悪い流れを断ち切ると、続く平野も田志希にストレート勝ちで勢いをもたらす。最後は、伊藤が申裕斌に勝利し、3-1で日本が2大会連続の決勝進出を果たした。
試合後、伊藤は「2試合とも接戦だったんですけど、勝つことができたのは自分のものにもなりましたし、自信にもなったので、明日に繋がる試合ができたと思います。2試合とも1ゲーム目を取られてはいたんですけれども、自分から攻める展開を作ろうとか、逆にあまり深く考えずにできたので、切り替えはうまくできました」と韓国戦を振り返った。
「明日の中国戦は大事な一戦ですし、それこそ決勝戦ですけど、最近では中国選手というのは自分にとって特別な存在ではないです。もちろん、勝つことで自信にはなりますけど、勝っていかなくてはならない存在になってるので、勝って次に繋げたいと思います」と決勝戦への思いを語った。
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女子決勝は日本vs中国
写真:韓国戦の伊藤美誠/撮影:ラリーズ編集部
明日の女子団体決勝は19時から行われる。日本代表は、ここまで石川、平野、伊藤の3人を固定で起用している。しかし、カットマンの佐藤瞳(ミキハウス)は、今年4月の世界選手権では王曼昱(ワンマンユ)に2-4で敗れはしたものの接戦を演じ、6月ジャパンオープンでは丁寧に勝利するなど、中国選手とも互角に戦える力を持っている。
もちろん、石川、平野、伊藤の3人は今大会シングルスでは未だ無敗と、コンディションは好調といえるだろう。中でも、中国撃破の鍵は、やはり伊藤だ。10月のスウェーデンオープンで中国選手を次々と撃破して準優勝に輝くなど、直近の試合で中国選手に対する勝率は一番高い。自国開催のチームワールドカップの決勝ということで、プレッシャーもあるだろうが、持ち前の強靭なメンタルで勝利を掴みとれるか。
対する中国は、ここまでの試合で登録メンバー全員を起用している。加えて、個々の実力に大きな差はないため、誰が出てきてもおかしくはない。陳夢、丁寧、劉詩雯(リュウスーウェン)のベテラン勢に、先日のドイツオープン決勝で伊藤美誠を倒して優勝した孫穎莎、世界ランキング5位の王曼昱と、絶対王者の名は伊達ではない。オーダーの予想は難しくなるだろう。
プレ五輪とも言われる今大会。どの国が優勝し、来年の東京五輪に弾みをつけるのか。最後まで目が離せない。
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