文:ラリーズ編集部
<ITTFワールドツアープラチナ・オーストリアオープン 2019年11月12日~11月17日>
先月20日に終了したドイツオープン以来、約1ヶ月ぶりとなるワールドツアーが12日に開幕する。今大会はドイツオープンと同じく、獲得ポイントの多いプラチナ大会のため、世界ランキング上位の選手も軒並みエントリーしている。今回は、そんなオーストリアオープンの男女シングルスの見どころを紹介する。
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男子シングルス見どころ
日本勢は14人がエントリーし、張本智和(木下グループ)、水谷隼(木下グループ)、丹羽孝希(スヴェンソン)が本戦から出場する。
先日のチームワールドカップで全試合にシングルス2点起用される大車輪の活躍を見せた張本。ドイツ戦ではパトリック・フランチスカ、ドミトリ・オフチャロフという共に世界ランキング上位の難敵を撃破し、日本のメダル獲得に大きく貢献した。今大会は第3シードを獲得しており、実力を発揮できれば表彰台も十分狙えるだろう。
丹羽もワールドツアー直近2大会は初戦を突破して、調子は上向きになってきている。チームワールドカップでの経験を活かして、上位進出できるか。
写真:2018オーストリアOPの丹羽孝希/提供:ittfworld
今大会は、樊振東(ファンジェンドン・中国)、ウーゴ・カルデラノ(ブラジル)、マティアス・ファルク(スウェーデン)、ティモ・ボル(ドイツ)など、世界ランキング1桁の選手が軒並みエントリーしている。
特に、樊振東は10月のドイツオープンでワールドツアー今シーズン初優勝を果たし、チームワールドカップでもシングルス全勝と、今最も勢いに乗っている選手の一人だ。第1シードを獲得しており、まさに優勝候補筆頭。上位を狙う日本勢の前に大きな壁として立ちはだかるだろう。
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女子シングルス見どころ
写真:2019ドイツOPの伊藤美誠/提供:ittfworld
日本勢は16人がエントリーし、伊藤美誠(スターツ)、石川佳純(全農)、平野美宇(日本生命)、佐藤瞳(ミキハウス)が本戦から出場する。
伊藤はスウェーデンオープン、ドイツオープンとワールドツアー2大会連続準優勝を果たしており、チームワールドカップではシングルスで全試合に出場して、日本の準優勝の原動力となった。
決勝の中国戦では孫穎莎(スンイーシャ)に敗れたものの、フルゲームに持ち込む互角の戦いを演じて、改めて中国トップ選手と対等に渡り合える実力があることを証明した。今大会は第3シードを獲得している。表彰台はもちろん、ワールドツアー今シーズン初優勝も十分に狙えるだろう。
伊藤と同じく、チームワールドカップで全試合に出場した平野も上位を狙う。石川と佐藤は、昨年の同大会では本戦1回戦敗退と悔しい思いをしているだけに、今大会ではなんとしてでも勝ち進みたいところだろう。
日本勢のライバルとなるのは、朱雨玲(ジュユリン・中国)、劉詩雯(リュウスーウェン・中国)、杜凱琹(ドゥーホイキン・中国香港)、徐孝元(ソヒョウォン・韓国)あたりか。特に、先月の女子ワールドカップで優勝したばかりの劉詩雯は、チームワールドカップでも中国の優勝に大きく貢献した要注意の選手だ。
彼女たちを攻略することが、勝利の鍵となるだろう。