写真:T2ダイヤモンドマレーシア大会の水谷隼(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部
大会報道 丹羽孝希ら4人が準々決勝へ 2日目は水谷隼、平野美宇が登場<卓球・T2ダイヤモンド2日目見どころ>
2019.11.22
文:ラリーズ編集部
<T2ダイヤモンド2019シンガポール 2019年11月21日~11月24日>
大会初日の21日、T2ダイヤモンドは男女シングルス1回戦の半分が行われた。この日、日本人選手は5人出場し、伊藤美誠ら4選手が23日の準々決勝へ進出した。2日目は残りの1回戦が行われ、ベスト8が出揃う予定だ。
T2ダイヤモンドは、7ゲームマッチのシングルス形式だが、従来の卓球のルールとは異なり、デュースなしの1ゲーム11点先取で行われる。また、試合時間が24分を越えた場合は1ゲーム5点先取のFAST5へと移行する。
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男子シングルス 1日目
写真:張本智和(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部
日本からは、張本智和(木下グループ)と丹羽孝希(スヴェンソン)の2選手が登場した。両選手とも1回戦を勝利で飾り準々決勝進出を決めた。また、男子の試合は他に2試合行われ、許昕(シュシン)とパトリック・フランチスカ(ドイツ)が勝利した。
開幕戦は、許昕と黄鎮廷(ウォンチュンティン・中国香港)という世界屈指のペンホルダー対決に。しかし、意外な結末を迎えた。許昕が1ゲーム先取して迎えた第2ゲーム、黄鎮廷がフリックを打ち終わった時に、足を滑らせてしまい足首を捻ってしまった。黄鎮廷はすぐには立ち上がれず、中国香港だけでなく中国の関係者も治療にあたった。結局、黄鎮廷は棄権となり許昕が準々決勝へ進む形となった。
写真:治療を受ける黄鎮廷(中国香港)/撮影:ラリーズ編集部
張本は、開催地シンガポールの周哲宇(チュウ・クラレンス)と対戦。第1ゲームを先取し、張本ペースで試合が進むと思われたが、地元の声援を受けた周哲宇は簡単に崩れなかった。勝負の分かれ目は、張本がゲームカウント2-1でリードして迎えた第4ゲームの10-10の場面。ここで張本が強気のチキータを放ち、大きな得点を奪った。T2独特のルールについて、「前大会は意識しすぎたが、今大会は慣れてきた」と語った張本。T2ダイヤモンド初勝利を飾った。
フランチスカは韓国の李尚洙(イサンス)に勝利。両者は、世界卓球2018男子団体準決勝で対戦しており、李尚洙が勝利している。しかし、今回はフランチスカが要所で思い切ったプレーをし、3ゲーム連取し勝利に王手をかけた。1ゲーム取り返されるも、最後まで押し切りフランチスカが李尚洙を下した。
丹羽はウーゴ・カルデラノ(ブラジル)との対戦。両者は、先日行われたオーストリアオープン準々決勝で対戦したばかりで、その時はカルデラノが4-2で丹羽を下していた。しかし、今回は4-2で丹羽に軍配が上がった。台に近いところでの早い打球点のラリーから、台から離れたところでのダイナミックなラリーまで様々なラリーが繰り広げられた。「リラックスしてプレーできた」と語った丹羽。オーストリアオープンでの雪辱を見事に晴らした。
写真:パトリック・フランチスカ(ドイツ)/撮影:ラリーズ編集部
23日に行われる準々決勝は、張本と丹羽の対戦が決まった。国際大会では、2勝1敗と張本が勝ち越しているものの、今年のアジアカップでは丹羽が勝利を収めている。勝利の女神はどちらの選手に微笑むのか。また、許昕は梁靖崑(リャンジンクン・中国)と鄭栄植(チョンヨンシク・韓国)の勝者と、フランチスカは、林昀儒(リンインジュ・チャイニーズタイペイ)と張禹珍(チャンウジン・韓国)の勝者と対戦する予定だ。
女子シングルス 1日目
写真:佐藤瞳(ミキハウス)/撮影:ラリーズ編集部
日本からは、佐藤瞳(ミキハウス)、伊藤美誠(スターツ)、石川佳純(全農)の3選手が出場。佐藤は、中国の王藝迪(ワンイーディ)を、伊藤は石川を下し、準々決勝に駒を進めた。また、中国の陳幸同(チェンシントン)と王曼昱(ワンマンユ)も準々決勝進出を決めた。
佐藤は、中国の22歳王藝迪に完勝。王藝迪は、直近のオーストリアオープンで、石川を破りベスト4に入った実力者だ。佐藤は、持ち前の守備力に加え、積極的に攻撃を入れていった。また、高いロビングを使って、失点時であっても簡単に点を取らせない粘りのあるプレーをしていたのが印象的だった。
伊藤は、石川との日本人対決に。「お互いが分かりあっているからこそ、勝つ意味がある」と語った伊藤は、サーブやバックハンドを巧みに使い得点を重ねていく。第3ゲームを取られるも、終始伊藤のペースで試合は進み、4-1で伊藤が勝利を収めた。石川は「コースが厳しかった」と語ったが、伊藤は石川のフォアからバックへと大いに揺さぶり、試合の主導権を握った。
23日に行われる準々決勝では、伊藤と佐藤の日本人対決となることが決まった。オーストリアオープンでも両者は対戦しており、4-1で伊藤が勝利している。しかし、今大会はいつもと異なるルールが採用されており、何が起こるかわからない。準決勝に勝ち上がるのは、伊藤か佐藤か。
>>【最新版】張本・伊藤、五輪代表選考基準満たす 2020年1月有効な世界ランキングポイント(オーストリアOP終了時点)
男子シングルス見どころ
写真:T2ダイヤモンドマレーシア大会の林昀儒(チャイニーズタイペイ)/撮影:ラリーズ編集部
男子シングルス
マティアス・ファルク(スウェーデン) – 林高遠(中国)
鄭栄植(韓国) – 梁靖崑(中国)
林昀儒(チャイニーズタイペイ) – 張禹珍(韓国)
ドミトリ・オフチャロフ(ドイツ) – 水谷隼(日本)
2日目も世界トップクラスの戦いが目白押しだ。
中でも日本からは水谷隼(木下グループ)が登場する。相手はドイツのドミトリ・オフチャロフだ。両者は過去に18回対戦しており、12勝6敗で水谷が勝ち越しているが、今回は2018年の7月以来の対戦となる。経験豊富な選手同士の戦いは、どんな結末を迎えるのだろうか。
他には、チームワールドカップで繰り広げられた激戦を再現する組み合わせが2試合ある。
1つは、鄭栄植と梁靖崑の対戦だ。チームワールドカップ決勝で、鄭栄植は梁靖崑からマッチポイントを取るまで追い詰めた。結果的には、梁靖崑が巻き返し勝利したが、ほとんど互角と言っても過言ではないだろう。鄭栄植がリベンジを果たすのか、それとも梁靖崑が連勝するのか、どちらに転ぶかは想像つかない。
もう1つは、林昀儒と張禹珍の対戦だ。林昀儒は、T2ダイヤモンド・マレーシア大会で、馬龍(マロン)と樊振東(ファンジェンドン)を連破し優勝に輝いた選手だ。一方の張禹珍は、過去に世界ジュニアで優勝しており、許昕や梁靖崑といった中国の主力にも勝ったことのある実力者だ。チームワールドカップでは、第3ゲームのデュースを制した張禹珍が流れを掴み林昀儒に勝利したが、今回はどうなるだろうか。
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女子シングルス見どころ
写真:香港OPの平野美宇(日本生命)/提供:ittfworld
女子シングルス
孫穎莎(中国) – 鄭怡静(チャイニーズタイペイ)
何卓佳(中国) – 丁寧(中国)
馮天薇(シンガポール) – 陳夢(中国)
平野美宇(日本) – 田志希(韓国)
大会2日目、日本からは平野美宇(日本生命)が登場する。対戦相手は、韓国の田志希(チョンジヒ)だ。両者はチームワールドカップの準決勝でも対戦しており、平野がストレートで勝利している。平野は持ち前のバックハンドを武器に連勝したいところだ。
他には、今大会第1シードの19歳孫穎莎が登場。孫穎莎は今シーズン3つのワールドツアーとアジア選手権を制しており、最も乗っている選手といっても過言ではないだろう。チームワールドカップでは、伊藤美誠から大逆転勝利。その孫穎莎はTリーガーの鄭怡静(チェンイージン・チャイニーズタイペイ)と対戦。激しい打ち合いが予想されるが、準々決勝にはどちらが進むのだろうか。
また、第2シードの陳夢(チェンムン・中国)も登場。陳夢は今年の6月から世界ランキング1位を維持している。今シーズンはワールドツアー4大会で優勝しており、今大会の優勝候補大本命といっても良いだろう。相手は、地元シンガポールの馮天薇(フォンティエンウェイ)だ。馮天薇にとっては自国開催の今大会。地元の声援を受け陳夢に勝ちたいところだ。
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T2ダイヤモンド・シンガポール大会1日目 詳細スコア
男子シングルス1回戦
写真:今大会第1シードの許昕(中国)/撮影:ラリーズ編集部
○許昕(中国) 2-INJ 黃鎮廷(中国香港)
周哲宇(シンガポール) 1-4 ○張本智和(日本)
李尚洙(韓国) 1-4 ○パトリック・フランチスカ(ドイツ)
ウーゴ・カルデラノ(ブラジル) 2-4 ○丹羽孝希(日本)
女子シングルス1回戦
写真:石川佳純(全農)/撮影:ラリーズ編集部
○佐藤瞳(日本) 4-1 王芸迪(中国)
朱雨玲(中国) 3-4 ○王曼昱(中国)
○陳幸同(中国) 4-2 于梦雨(シンガポール)
○伊藤美誠(日本) 4-1 石川佳純(日本)