文:ラリーズ編集部
<T2ダイヤモンド2019シンガポール 2019年11月21日~11月24日>
最終日を迎えたT2ダイヤモンドシンガポール大会。日本女子で唯一勝ち残っていた伊藤美誠(スターツ)が女子シングルス決勝に登場した。対戦相手は、今年だけで5度目となる、同世代・19歳の孫穎莎(スンイーシャ・中国)だ。試合は最後までもつれる展開となったが、伊藤は3-4で敗れ準優勝となった。
>>張本智和「次の大舞台にも繋がる」 中国選手下し3位入賞<卓球・T2ダイヤモンド>
最後の一本までもつれ込む大激戦
写真:孫穎莎(中国)/撮影:ラリーズ編集部
試合は、はじめの2ゲームこそ孫穎莎が完全にペースを握ったものの第3、第4ゲームは伊藤が取り返し追いついた。「T2は精神面が鍛えられる試合」と語った伊藤。T2ダイヤモンド独自ルールである5点先取のFAST5でも果敢に戦った。
FAST5に突入した第5ゲームは、先手を取られる展開で先にゲームポイント握られた。最後は孫穎莎のバックハンドを止められず、ゲームカウント2-3と伊藤は後がなくなる。
写真:伊藤美誠(スターツ)/撮影:ラリーズ編集部
第6ゲームは激しいラリーの連続となる。パワー全開の孫穎莎のドライブを返しミスを誘い、ネットが絡むラッキーな点もあり勝負は最終ゲームへと委ねられた。
第7ゲームはお互い一歩も引かない展開から、伊藤が先にマッチポイントを握った。続くラリーは孫穎莎が伊藤のフォア側へドライブを打ち込み4-4。最後は、伊藤がサーブでチャンスを作るも、振り抜いたフォアハンドスマッシュは無情にも台の外へ。伊藤は敗れ準優勝で大会を終えた。
>>【最新版】張本・伊藤、五輪代表選考基準満たす 2020年1月有効な世界ランキングポイント(オーストリアOP終了時点)
伊藤美誠 試合後のコメント
写真:伊藤美誠(スターツ)/撮影:ラリーズ編集部
試合後「30~40%しか自分の卓球が出せなかった」と振り返った伊藤。「いろんなことをやられても自分の卓球を出せれば勝てるんだ、と負けたけど自信がついた試合だった」と力を発揮できないながらもフルゲームに持ち込んだことに一定の手応えを得たようだ。
また、今年の4月の世界選手権で孫穎莎に敗れた時に比べて「絶対取れないといったボールはなくなった。パワー勝負は孫選手の方が強いかもしれないが、しっかり打ち返せるようにもなってきた。これからの自分が楽しみだし、孫選手が100%の力を出しても勝てるようになりたい」と自らの成長についても語った。
写真:伊藤美誠(スターツ)/撮影:ラリーズ編集部
試合中の感情については「0-2から1ゲーム取ったあたりから自分のペースに入ってきたと感じた。自分のミスをなるべく減らして、行けるところはしっかり攻めようと思えてから楽しくなった。どれだけ離れていても、いつもよりは落ち着いてできるようになったし、楽しめるようにこれからもしていきたいと思う」と今後のイメージを膨らませた。
>>日本女子唯一の4強入り・伊藤美誠、“楽しむ姿勢”貫くワケ<卓球・T2ダイヤモンド>
詳細スコア
伊藤美誠 3-4 ○孫穎莎(中国)
7-11/3-11/11-6/11-7/3-5/5-3/4-5
>>【W杯決勝レポ】中国女子V9の偉業 伊藤美誠、東京五輪に向け「良くても変えていくうまさを」<JA全農 ITTF卓球チームワールドカップ>