伊藤美誠がWTT大会初代女王に 男子はオフチャロフが優勝<卓球・WTTコンテンダードーハ総括> | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:ドミトリ・オフチャロフと伊藤美誠/提供:ittfworld

大会報道 伊藤美誠がWTT大会初代女王に 男子はオフチャロフが優勝<卓球・WTTコンテンダードーハ総括>

2021.03.07

文:ラリーズ編集部

<卓球 WTTコンテンダードーハ 2月28日~3月6日 カタール・ドーハ>

2021年2月28日~3月6日まで、WTTコンテンダードーハが行われ、男子シングルスはドミトリ・オフチャロフ(ドイツ)、女子シングルスは伊藤美誠(スターツ)が優勝した。

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男子シングルス総括

男子シングルス決勝では、ドミトリ・オフチャロフと林昀儒(リンインジュ・チャイニーズタイペイ)が対戦。オフチャロフは準決勝で張本智和(木下グループ)、林昀儒はシモン・ゴジ(フランス)を倒して、決勝に駒を進めていた。


写真:ドミトリ・オフチャロフ/提供:ittfworld

32歳のオフチャロフと19歳の林昀儒という、ベテランと若手の対決となったこの試合は、オフチャロフが2度のデュースを制して、先に3ゲームを連取する。林昀儒も負けじと、1ゲームを取り返すが、オフチャロフが第5ゲームを制し、4-1で勝利。WTT大会の記念すべき初代チャンピオンの座に輝いた。

日本勢では張本の3位が最高成績。張本はオフチャロフに敗れたものの、本戦1回戦で宇田幸矢(明治大学)に勝利した趙大成(チョデソン・韓国)や、東京五輪韓国代表の李尚洙(イサンス)に勝利するなど、何度も好ゲームを見せてくれた。8日から本戦が始まる、WTTスターコンテンダードーハでの活躍に期待したい。

男子シングルス結果


写真:張本智和/提供:ittfworld

優勝:ドミトリ・オフチャロフ
準優勝:林昀儒
3位:張本智和、シモン・ゴジ(フランス)

日本選手結果

張本智和:3位
森薗政崇(BOBSON)、宇田幸矢(明治大学):ベスト32
吉田雅己(栃木県スポーツ協会):予選3回戦敗退
田中佑汰(愛知工業大学):予選2回戦敗退

女子シングルス総括

女子シングルス決勝では、伊藤美誠と早田ひな(日本生命)が対戦。伊藤は準決勝で于梦雨(ユモンユ・シンガポール)、早田は木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)に勝利して、決勝に駒を進めてきた。


写真:伊藤美誠/提供:ittfworld

同級生対決となったこの試合は、伊藤が先に2ゲームを先取し、その後早田が2ゲームを取り返す、両者一歩も引かない展開になる。しかし、伊藤が第5ゲームを11-9で制すると、その勢いで第6ゲームも伊藤が制し、ゲームカウント4-2で伊藤が勝利。WTT大会の初代女王の座に輝いた。また、伊藤は8日からのWTTスターコンテンダードーハにも出場するため、WTT大会2連覇を目指す。

伊藤と早田以外の日本勢では、今大会は木原の躍進が光った。1回戦で申裕斌(シェンユービン・韓国)、準決勝で田志希(チョンジヒ・韓国)と現役の韓国代表2人を撃破しての3位には、非常に大きな価値がある。また、今大会の女子シングルスでは1回戦から番狂わせが多く起こり、これまでのワールドツアー常連選手が苦杯を嘗めさせられる結果となったことも大きな特徴となった。

女子シングルス結果


写真:早田ひな/提供:ittfworld

優勝:伊藤美誠
準優勝:早田ひな
3位:于梦雨、木原美悠

日本選手結果

伊藤美誠:優勝
早田ひな:準優勝
木原美悠:3位
石川佳純(全農)、平野美宇(日本生命):ベスト16
大藤沙月(四天王寺高):予選4回戦敗退
横井咲桜(四天王寺高):予選3回戦敗退

男子ダブルス総括

男子ダブルス決勝では、李尚洙/趙大成の韓国ペアがアルゼンチンのペアにゲームカウント3-2で勝利した。


写真:李尚洙(イサンス・写真右)/趙大成(チョデソン)/提供:ittfworld

李尚洙/趙大成ペアは、1回戦以外すべてフルゲームを制して勝ち上がっており、大会を通して粘り強さが光った。特に、準決勝の荘智淵(チュアンチーユエン・チャイニーズタイペイ)/陳建安(チェンジェンアン・チャイニーズタイペイ)戦では、先に相手に2ゲームを先行される苦しい展開から、逆転で勝利を収めている。また、李尚洙は8日からのWTTスターコンテンダードーハには、鄭栄植(チョンヨンシク・韓国)とのペアで、再び男子ダブルスに出場する。李尚洙がダブルスで2連覇を成し遂げるのか、注目したい。

男子ダブルス結果


写真:荘智淵(チュアンチーユエン・写真右)/陳建安(チェンジェンアン)/提供:ittfworld

優勝:李尚洙/趙大成
準優勝:Horacio CIFUENTES(アルゼンチン)/Gaston ALTO (アルゼンチン)
3位:荘智淵/陳建安、ノシャド・アラミヤン(イラン)/ニマ・アラミヤン(イラン)

女子ダブルス総括

女子ダブルス決勝では、石川佳純/平野美宇ペアと陳思羽(チェンズーユ・チャイニーズタイペイ)/鄭先知(ジェンシェンチー・チャイニーズタイペイ)が対戦した。


写真:石川佳純・平野美宇(写真右)/提供:ittfworld

石川/平野ペアは今大会第1シードとして、順当に勝ち進み、準決勝では早田/木原ペアとの同士打ち対決を制した。そんな石川/平野ペアは決勝でも躍動し、陳思羽/鄭先知ペアをなんとストレートで下して、優勝。東京五輪団体戦のペア候補として、大きな弾みをつけた。

女子ダブルス結果


写真:陳思羽(チェンズーユ・写真右)と鄭先知(ジェンシェンチー)/提供:ittfworld

優勝:石川佳純/平野美宇
準優勝:陳思羽/鄭先知
3位:早田ひな/木原美悠、田志希(チョンジヒ・韓国)/梁夏銀(ヤンハウン・韓国)

日本選手結果

石川佳純/平野美宇:優勝
早田ひな/木原美悠:3位
大藤沙月/横井咲桜:ベスト16

混合ダブルス総括

混合ダブルス決勝では、林昀儒/鄭怡静(チェンイーチン・チャイニーズタイペイ)ペアと、エマニュエル・ルベッソン(フランス)/ユアン・ジャナン(フランス)が対戦した。


写真:林昀儒(リンインジュ)と鄭怡静(チェンイーチン・写真右)/提供:ittfworld

林昀儒/鄭怡静ペアは、今大会第1シードを獲得しており、決勝までの全試合を3-0のストレートで勝負を決めてきていた。対するルベッソン/ジャナンペアも準決勝で田志希/李尚洙ペアに競り勝って決勝に進んできた実力のあるペア。試合は、2度のデュースを含んで、お互いがゲームを取り合う激戦となった。勝負は最終第5ゲームにまでもつれ込むが、このゲームは林昀儒/鄭怡静ペアが第1シードの維持を見せ、11-4で勝利。フルゲームの激戦を制して、林昀儒/鄭怡静ペアが初代王者の称号を掴み取った。

混合ダブルス結果


写真:田志希(チョンジヒ)と李尚洙(イサンス)/提供:ittfworld

優勝:林昀儒/鄭怡静
準優勝:エマニュエル・ルベッソン/ユアン・ジャナン
3位:ベルナデッタ・スッチ(ルーマニア)/オビディウ・イオネスク(ルーマニア)、田志希/李尚洙

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