文:ラリーズ編集部
<卓球・WTTスターコンテンダードーハ 3月5日~13日>
WTTスターコンテンダードーハの男子シングルス決勝に張本智和(木下グループ・世界ランキング5位)が登場し、カットマンのルーウェン・フィルス(ドイツ・同42位)にゲームカウント4-2で勝利した。
張本は今季の国際大会初タイトル獲得とともに、直前の伊藤美誠(スターツ)の女子シングルス優勝と合わせてアベックV達成となった。
張本智和 vs ルーウェン・フィルス
写真:張本智和(木下グループ)/提供:新華社/アフロ
今大会第1シードの張本は、先週のWTTコンテンダードーハで敗れたドミトリ・オフチャロフ(ドイツ)を準決勝で4-2で下し、勝ち上がってきた。準決勝以外はすべてストレートで相手を下しており、非常に良い仕上がりの戦いぶりをここまで見せている。
写真:ルーウェン・フィルス/提供:ittfworld
対する185㎝と長身のフィルスは、守備型のカットマンながら攻撃も得意とする。今大会は張禹珍(チャンウジン・韓国)、水谷隼(木下グループ)、林昀儒(リンユンジュ・チャイニーズタイペイ)ら、並み居る実力者たちを連破して決勝まで勝ち上がってきた。
国際大会での通算成績は1勝1敗で、直近は2019年のオーストリアオープンで張本がゲームカウント4-1で勝利している。
張本が今季初優勝目指しカットマンに挑んだ
試合は、第1ゲーム、張本が11-9で先取した。様子見気味に入ってきたフィルスに対し、張本が早い展開で得点を奪い、終盤は追い上げられたものの逃げ切った。
フィルスは、バックスピンをかけるカットだけでなく、両ハンドでの攻撃や高く上げるロビングなどで張本のラケット角度を狂わせようと策を講じてくる。第2ゲームは、そのフィルスの策やサービスがハマるも、張本が我慢のプレーを見せ、逆転でゲームを連取した。
写真:張本智和(木下グループ)/提供:新華社/アフロ
第3ゲーム、張本は左右に振り回すフィルスの戦術にハマり、2-8と離される。しかし、そこから追い上げ、5-8となったところでフィルス側がたまらずタイムアウト。そのまま張本が逆転で10-8とゲームポイントを握るも、デュースにもつれ込み、12-14で張本が落とした。
嫌な流れとなった第4ゲームだが、張本が冷静に打つべきボールと繋ぐべきボールを見極める。フィルスも焦りからかミスを重ね、11-5で張本が優勝に王手をかけた。
第5ゲーム、張本はフィルスにフォアを突かれゲームを落とすも、第6ゲームでは張本が冷静にフィルスを攻略。ゲームカウント4-2で勝利し、張本が嬉しい今季初の国際大会タイトル獲得を果たした。
東北・仙台市出身の張本は、優勝直後、ユニフォーム胸にある「WASURENAI.3.11」のメッセージをアピールし、東日本大震災から10年、被災地への思いをプレーで示した。
直前の女子シングルスでは、伊藤美誠が2大会連続の優勝を飾っており、日本勢のアベックVとなった。
男子シングルス決勝
〇張本智和 4-2 ルーウェン・フィルス(ドイツ)
11-9/11-9/12-14/11-5/7-11/11-8
張本智和インタビュー
写真:張本智和(木下グループ)/提供:長田洋平/アフロスポーツ
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