岡山、3時間越えの激戦を制す 2勝の吉田雅己「応援があったから勝てた」  | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:吉田雅己(岡山リベッツ)/提供:©T.LEAGUE

大会報道 岡山、3時間越えの激戦を制す 2勝の吉田雅己「応援があったから勝てた」 

2021.02.12

文:ラリーズ編集部

<卓球・ノジマTリーグ2020-2021シーズン 2月11日(木)岡山武道館>

11日、卓球Tリーグ男子で3位の岡山リベッツが4位のT.T彩たまにマッチカウント3-2で勝利した。

>>あなたに勇気を与える卓球選手の言葉#8 丹羽孝希、吉田雅己編

吉田が執念の2勝

現在3位でプレーオフファイナルへの出場を目指す岡山にとって、残り少ないリーグ戦はどの試合も絶対に負けられない。気合を入れて臨んだ1番ダブルスだったが、上田仁/森薗政崇ペア(岡山リベッツ)が篠塚大登(写真左)/曽根翔ペア(T.T彩たま)に1-2で敗れ、出鼻を挫かれる。


写真:篠塚大登/曽根翔ペア(T.T彩たま)/提供:©T.LEAGUE

しかし、ここで2番シングルスの吉田雅己(岡山リベッツ)が奮闘し、英田理志(T.T彩たま)とのフルゲームの熱戦を制する。続く3番シングルスでも、森薗が松山祐季にフルゲームの末勝利。


写真:森薗政崇/提供:©T.LEAGUE

4番シングルスの丹羽孝希(岡山リベッツ)は松平健太に惜しくも敗れるが、最後のビクトリーマッチ(VM)は吉田が再び英田との熱戦を制し、マッチカウント3-2で岡山リベッツが勝利。試合時間3時間超えの大激戦を制した岡山が、プレーオフファイナル進出に望みを繋いだ。

吉田雅己 コメント


写真:吉田雅己(岡山リベッツ)/撮影:ラリーズ編集部

試合の感想は

今日は負けられない試合だったので、勝ててホッとしています。

ビクトリーマッチ振り返って

英田さんとの試合は、僕の中で戦術がすべてだと思っているので、メンタル面ではなく、どういう形で得点するかを考えていた。

フォアの打ち合いになったら自分に分があると思ったので、打ち合いになったら気持ちを強く持って戦った。

正直松平さんがそのまま来るかと思ったが、どっちと当たっても良いように作戦をしっかり練って、英田さんとの試合が決まった時は2試合目にダメだった点を把握して臨みました。自分の渋いところが出たかなと思います。

第2マッチ振り返って

ずっと集中してプレーしていた。たまには楽に勝ちたいなと2-0で思ったんですけど、いつもこのような試合ですみません(笑)。

(マッチポイントを握られて)諦めかけていたが、英田さんは今季ゲームオールの接戦で負けている展開が多いのは知っていたので、いつもだったら諦めているところをまだチャンスがあるぞともう1度気持ちを入れ直した。

第2マッチ追い込まれての逆転勝ちでかなり気持ちのこもったガッツポーズ。勝利した瞬間の気持ちは。

ダブルス落としていたので、負けたら0-2。僕の勝敗がすごく左右すると思った。それで7-10という苦しい状況から勝つことができたので、今までにないくらいのリアクションをしてしまいました。

かなり自信を持ってプレーしてるようにも見えるが全日本後での変化は

今、海外の選手がほぼいなくて、全日本選手権で3位ということは、Tリーグの中でも実力は上の方であるという実感があるので、全日本選手権での成績は大きいですね。

観客の応援は

拍手しかできない状況でも気持ちがしっかり伝わってくる。最後諦めかけたんですけど、観客が応援してくれたから勝てた。

ファイナルに向けて負けられない試合が続くが

土曜日の琉球戦では、向こうもフルメンバーではないと思うので確実に勝って、(木下との)直接対決でも負けられないので、準備をしっかりして最善を尽くしたい。

森薗政崇 コメント

試合を総括すると

今日の試合、ダブルスは負けてしまったが、シングルスは大学生のときに選考会で負けている松山選手。そのときから今、松山選手がどれほど変わっているかを映像で見て入ったが、思っていたよりもサーブにいろんな変化があってやりづらかった。最終的に上手くまとめて勝つことができて良かった。

ダブルスで敗れた後のシングルスだったが

1回試合に負けると気持ちもナーバスになって、身体も重くなって、シングルス始まる前は本当にしんどかった。1回補食をとって、ストレッチをして、頭の中をクリーンにして臨んだので、シングルスに入る時はまったく影響はなかった。

シングルスを振り返って

中盤からサーブが上手く思ったところに出せなくて、3球目も待ち方を絞れなくて、ずるずる行ってしまった。最終ゲームはサーブはコントロールできないからじたばたせず同じところに出して、相手がやってくる何個かの技術を待とうと思った。

今日は本当にサーブが悪い日だった。最終ゲームは、サーブからは得点で来てなくて、レシーブからほとんど得点していた。最後1回チキータを待って、中陣からプッシュしてたまたま点を取れた。内容的には満足していない。

シングルス勝利の瞬間、無言で噛みしめるような表情だった。そのときの感情は

今日の試合は自分の中で上手く行かないなという気持ちだったので、納得はできなかった。それでもダブルスは負けていたが、大きな1点をチームに挙げることができて、今日は自分の責任を果たすことができてホッとしたのと、まだまだ僕の卓球は改善の余地があるなといういろんな感情が入り乱れて噛みしめていました。

ファイナルに向けて大事な試合、チームが勝てたことについて

吉田さん、強いっすね(笑)英田選手はサーブが上手で、攻めもできて、ビクトリーマッチもすごいカウンターが2回くらい決まって、僕なら心は折れていそうだった。

吉田さんは頭が良くて、しっかりやるべきことを最後までできていて、勝つべくして勝ったという印象を受けたので、僕も見習っていきたい。

今後に向けて

冷静に自分たちの立ち位置を分析した時に、まだまだ3日後の木下戦に勝てないとファイナルは近づかない。ただ、それよりもまずはこれからしっかりケアをして明後日の琉球戦でしっかりとした試合をして最高の形で木下戦に臨みたい。

白神監督 コメント

試合を総括すると

3時間20分、本当に疲れました。本当に勝てて良かったです。長い試合でギリギリのラインを1人1人が繋いで勝ってくれたので、今季1番良い試合だったと個人的には思う。今日の勝利でファイナルへ一歩近づいたので、良かった。

岡山リベッツ 3-2 T.T彩たま

上田仁/森薗政崇 1-2 〇曽根翔/篠塚大登
10-11/11-8/7-11

〇吉田雅己 3-2 英田理志
11-8/11-9/6-11/9-11/13-11

〇森薗政崇 3-2 松山祐季
11-6/7-11/11-6/7-11/12-10

丹羽孝希 1-3 〇松平健太
11-7/10-11/8-11/8-11

〇吉田雅己 1-0 英田理志
11-8

吉田雅己インタビュー


写真:吉田雅己/撮影:伊藤圭

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