【卓球・Tリーグ】T.T彩たま、坂本監督「危機感ツイート」の真意


「Tリーグ本体、各チーム、頼むからもっともっとプロモーションしてくれ!!」こんな言葉で始まる1件のツイートが卓球界で話題だ。発信源は坂本竜介氏、現在、Tリーグ、T.T彩たまの監督を務める。現役時代は「怪童」の異名で、水谷隼、岸川聖也らとともに日本卓球を牽引してきた男だ。

危機感を露わにしたつぶやきには「関係者があぐらをかいてるのでは?」や「声をあげてくださり、ありがとうございます」などのコメントが寄せられる。坂本はすべてのコメントに目を通し、そのほとんどに丁寧に返事をする。坂本はあの101文字にどんな思いを込めたのか。その真意を探るために話を聞いた。(インタビュー:武田鼎/Rallys編集部)

坂本竜介(T.T彩たま監督)の”危機感ツイート”

坂本監督独占インタビュー

――あのツイートはどんな思いでつぶやいたのでしょうか?

坂本:このままじゃ…!って言うのが本音ですよね。歯がゆいっていうのかな。僕はビジネスの上ではスピードが命だと思っている。でも正直Tリーグの歩みはいくらなんでも遅すぎるし、全員が同じ方向を向いてるように感じない、って思ってツイートしたんです。無論、Tリーグの内部の人間でもない僕にああだこうだいう権利はないのはわかっている。でもツイートに寄せられたコメントを見てくれ、と。案の定、コメントで「坂本何言ってんだ」というお叱りのコメントはあまりなくて、「Tリーグ大丈夫か?」と心配するような声が多かったじゃないですか。

僕はTリーグを批判したいわけではないんです。ただ、「あと2ヶ月しかない」という危機感があるのかな、と思うわけです。卓球が日の目を見るのはもうこのタイミングしかない。ここで失敗したら卓球選手のキャリア、観客、関係者、みんなが卓球を楽しむ機会のすべてが失われてしまう。

――何か具体的に感じる点があったのでしょうか?

坂本:例えばTリーグの情報をネットで取ろうと思った時に何かSNSなどで発信が見られますか?ほとんど広まっていませんよね。選手のチームの所属も、この時期にまだ確定していません。かたや同じころに開幕する麻雀のMリーグはメディアを呼んでド派手にドラフトで決めました。傍から見ていても盛り上がりは伝わってきます。

他にも開幕戦の価格設定も高すぎるように感じています。10万円の席があったり6万円の席がある。プレミアムな席があるのはいいことだけど、10万円と6万円の席とは何が違うのかわからない。そして一番安い席でも6000円。これだってサラリーマンにとってはなかなかの金額でしょう。「俺らに卓球見るなってこと?」って言われても仕方ない。この前僕が見に行ったブルーノマーズのライブは最前列でも8000円でしたよ。

――なるほど、では坂本さんだったどうするのですか?提案をしてほしいです。

坂本:僕だったら、一番高いシートは20万円の最高級シートにして、選手と写真が撮れたり、たくさんのグッズがついてくるようにします。次に高い席は2万円以下の価格設定に変更。これくらいはっきり差別化をします。一般の席は1000円とか500円とかにしちゃう。もちろん小学生は無料です。

坂本氏の運営するupty卓球ステーションの壁には来所した有名人、有名選手のサインが並ぶ。Tリーグチェアマンの松下浩二氏、T.T彩たまでタッグを組む岸川聖也選手らTリーガーのサインも多く見られた

――それだとペイしないのではないでしょうか?

坂本:単発のイベントで考えるからそうなる。開幕戦なんです。その後もずっと続くわけだから、極論しちゃえば全額借金でもいいくらい。スポーツビジネスの収益でチケット代はそこまで大きくありません。飲食、グッズ、スポンサーの3本柱で中長期的に補って黒字にしていけばいいんです。個人的に思うのはスポーツビジネスで短期での「成功」ばかりにとらわれない方がいい。大事なのは「成長」なのではないでしょうか。継続的に成長させていけば市場は大きくなるし、スポンサーにも共感してもらえるはずです。

――スポンサーはどういうところに注目するのでしょうか?

坂本:いきなりスポーツビジネスが黒字になるとは思っていないでしょう。それよりも多くの人が試合会場に押しかけて、立ち見が出るくらい人が集まって、卓球に熱中している。子どもたちも揃いのユニフォームを来て、親と一緒に試合会場に訪れる。そういうところに「これならスポンサーしてみよう」って思わせる魅力がスポーツにはある「卓球って競技人口多いんでしょ?じゃあチケット売れるよね?」では人はやってこない。まだやるべきことはある。人を呼んで、そこからどう楽しんでもらうか。まさか「試合を見て、おしまい」では人は去ってしまいます。試合に飽きてしまう人がいるかもしれない。ここからがチームの努力です。例えば僕ら(T.T彩たま)ではインスタ映えする写真スポットを作ったり、スピードガンで自分の打球が測れたり、世界レベルの選手の打球が飛んでくるようなコーナーを作ったり、ストラックアウトのようなことをしたり…。チーム単位でもやるべきことは山積みです。

――なるほど、確かにJリーグやプロ野球などから学ぶ点は多そうですね…

坂本:だから僕は積極的に他のスポーツの方とも交流しています。外部から学ぶことの方が多いですからね。最後に、一つ言えるのは、各チームの運営やTリーグサイドを含め、業界内部で僕より卓球を熱く語れる人に会ったことはない。それくらいの自信と熱意を持って監督という立場を引き受けました。やるからには絶対楽しんでいただけるチーム、リーグにしていきます。

撮影地:upty卓球ステーション

この記事のURLとタイトルをコピーする
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
Twitter で フォローする