卓球ニュース 男女とも中国に敗れ銀メダル【世界ジュニア卓球選手権2017(団体)】
2017.12.01
文:中川正博(ラリーズ編集部)
文:中川正博(ラリーズ編集部)
写真:getty
<11月26日〜12月3日 2017年世界ジュニア卓球選手権 (イタリア / リーヴァ・デル・ガルダ)>
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2017年世界ジュニア卓球選手権(団体の部)日本チームの結果
昨年の世界ジュニアでは男女団体アベック優勝、男子シングルスで張本智和(ITTF世界ランク16位、11月現在)が優勝し、世界的に注目を浴びた。
今年の日本チームは張本がケガのため大会直前にキャンセル。平野美宇、伊藤美誠、早田ひならは元々エントリーをしておらず、大幅な戦力ダウンを強いられた中での大会参加となった。
大会4日目となる11月29日(以下、現地時間)には、男女団体戦の決勝戦が行われ、男女ともに日本と中国の対戦となった。
結果は、男女ともに決勝で中国に敗れ、銀メダル獲得となった。
ラストを2回制した田中佑汰の活躍で男子銀メダル獲得
日本男子団体は第2ステージからのスタートとなり、準々決勝のフランス戦、準決勝の韓国戦とともにラストまでもつれ、苦戦が強いられた中の決勝進出となった。
準々決勝のフランス戦は、3時間を超える激闘。1番で木造勇人(ITTF世界ランク86位、11月現在)、2番で田中佑汰(同308位)がそれぞれ危なげなく勝利。その後3番の高見真己(同246位)もゲームカウント2-2の7-3でリードしていたが、勝利目前で惜しくも逆転負けを喫すと、嫌な流れがコートを包んだ。4番の木造も嫌な流れを止めることができずフルゲームで落とした。勝負を託された田中は、2ゲーム目を8-10の場面から4点連取し逆転するなど、プレッシャーのかかる場面でも落ち着いたプレーを見せ、3-0で勝利。苦しみながらも準決勝進出を決めた。
準決勝の韓国戦も、木造と田中が1点ずつ落としてラストまでもつれる激戦となったが、ここでも田中がラストで逆転劇を見せ、日本の救世主となった。ゲームカウント1-2で後がない4ゲーム目、5-9という劣勢な場面から6点連取で逆転し、5ゲーム目も気合の入ったプレーで勝利。田中がラストで日本チームに勝利を2度ももたらし決勝に導いた。
そして迎えた決勝の中国戦では、互いに決勝トーナメントからオーダーを変更しない真っ向勝負となった。1番の木造はアジアジュニアチャンピオンの薛飛(同79位)に対して1ゲーム目を奪うも、1-3で敗れた。準決勝まで大活躍した田中も、中国で最も注目されている若手選手の王楚欽(同106位)を抑えることができず1-3負けを喫すと、3番の高見も徐海東(同193位)にそのまま0-3で敗北し、チームも0-3負けとなった。
決勝で中国に敗れ、王者を奪還されてしまった日本男子だったが、張本智和を負傷で欠く中、価値ある準優勝を果たした。
平野、伊藤、早田抜きでも銀メダル獲得
ステージ2からの登場となった日本女子は、危なげなく決勝戦まで進んだ。
苦戦が予想された準決勝の韓国戦では、1番で今大会キャプテンの加藤美優(同17位)が的確なミドル攻めでカットの金裕珍(同ランク外)に勝ち、チームを勢いづかせた。後に続く、木原美悠(同106位)、長崎美柚(103位)も競りながらも勝利し、結果として韓国にストレート勝ち。良いムードのまま決勝進出を決めた。
迎えた決勝の中国戦では、1番で加藤が孫穎莎(同9位)、2番で木原が王曼昱(同10位)という世界ランク10位以内の二人にそれぞれ1ゲームを奪うも、ともに1-3で負けを喫した。しかし、中国に一矢報いたのが長崎だった。去年の世界ジュニアシングルス女王の石洵瑶(同79位)に対し、得意のチキータと両ハンドドライブを見せ、3-1で勝ち、4番の加藤に繋いだ。しかしながら加藤は、2年前、3年前の世界ジュニアシングルス女王である王曼昱に及ばずストレート負け、チームも1-3で敗れた。
決勝では中国に敗れてしまったものの、平野、伊藤、早田の3名が不在の中で銀メダルを獲得したのは立派。加藤は昨年のシングルスで3位に入っており、シングルスでもメダル獲得が期待される。
世界ジュニアの団体戦は男女ともに終了したが、同日から混合ダブルスが始まっており、30日からは男女別シングルス、12月1日からは男女別ダブルスもスタートする。個人戦の結果からも目が離せない。
男子団体戦結果
ステージ2 第1試合
日本 3-0 イタリア
木造勇人 3(-10,11,5,-4,8)2 アマト
宇田幸矢 3(7,7,-8,-8,7)2 ムッティ
田中佑汰 3(8,9,10)0 ピント
ステージ2第2試合
日本 3-1 ドイツ
宇田幸矢 1(10,-7,-5,-9)3 ヒップラー
木造勇人 3(4,9,4)0 エンゲマン
髙見真己 3(7,-4,2,10)1 シュトゥンパー
木造勇人 3(-8,3,13,4)1 ヒップラー
準々決勝
日本 3-2 フランス
木造勇人 3(-11,9,8,9)1 ロラン
田中佑汰 3(-5,8,5,5)1 ベルトラン
髙見真己 2(-10,2,-11,8,-9)3 ランベール
木造勇人 2(6,-8,6,-3,-7)3 ベルトラン
田中佑汰 3(6,10,7)0 ロラン
準決勝
日本 3-2 韓国
田中佑汰 2(-9,-1,8,10,-5)3 安宰賢
木造勇人 3(7,5,6)0 白ヒョギュン
髙見真己 3(8,9,12)0 郭ユビン
木造勇人 1(8,-6,-11,-7)3 安宰賢
田中佑汰 3(-12,12,-9,9,5)2 白ヒョギュン
決勝
日本 0-3 中国
木造勇人 1(9,-3,-8,-9)3 薛飛
田中佑汰 1(-6,8,-6,-6)3 王楚欽
髙見真己 0(-6,-9,-4)3 徐海東
女子団体戦結果
ステージ2 第1試合
日本 3-0 セルビア
長﨑美柚 3(8,6,8)0 ルプレスク
木村光歩 3(7,11,-7,4)1 スルヤン
木原美悠 3(6,-9,3,9)1 ビグニェビッチ
ステージ2 第2試合
日本 3-1 香港
加藤美優 1(-11,9,-11,-8)3 李嘉宜
木原美悠 3(10,6,-9,8)1 黄芊柔
木村光歩 3(4,8,7)0 周穎詩
加藤美優 3(5,4,2)0 黄芊柔
準々決勝
日本 3-0 台湾
加藤美優 3(6,4,4)0李幼芃
長﨑美柚 3(-9,-1,7,5,8)2 蘇珮綾
木原美悠 3(8,7,4)0 陳亭婷
準決勝
日本 3-0 韓国
加藤美優 3(5,4,4,)0 金裕珍
木原美悠 3(7,-8,7,-6,5)2 金智淏
長﨑美柚 3(4,-9,3,10)1 シン・ユビン
決勝
日本 1-3 中国
加藤美優 1(-4,11,-6,-9)3 孫穎莎
木原美悠 1(-9,-2,8,-5)3 王曼昱
長﨑美柚 3(9,9,-7,6)1 石洵瑶
加藤美優 0(-5,-7,-12)3王曼昱
試合結果の見方
表記ルール: 選手名A ゲーム数(各ゲームのポイント)ゲーム数 選手名B
各ゲームのポイントの表記例: 選手Aが選手Bと対戦し、1ゲーム目11対6、2ゲーム目11対5、3ゲーム目12対10で選手Aが勝ち、選手Bが負けた場合、
「選手A 3(6,5,10)0 選手B」 または 「選手B 0(-6,-5,-10)3 選手A」 と表記。