大会報道 【世界卓球2018・日本女子】予選G山場のオーストリア戦快勝 各試合を分析してみた
2018.05.02
文:ラリーズ編集部
<世界卓球選手権(団体)2018年4月29日〜5月6日・ハルムスタッド>
世界卓球2018 日本女子 予選第4戦の結果
日本時間5月1日17時から、世界卓球の女子日本代表の予選第4戦が行われた。
石川佳純(全農・2018年4月度世界ランク3位)、平野美宇(日本生命・同6位)、伊藤美誠(スターツSC・同7位)で、世界ランク上位3人が起用された。
第1試合:伊藤 3-0 ポルカノバ
相手は今年に入り世界ランク急上昇させたポルカノバ(同21位)。180cmの長身で、左腕から繰り出されるサーブからの威力ある攻撃と守備範囲の広さが特徴だ。
この試合は1ゲーム目が勝負を分けた。序盤、伊藤はポルカノバの威力あるサーブに苦しめられた。相手のネットインを拾うなど集中力の高いプレーを見せ10-8と先にゲームポイントを握る。しかしポルカノバのYGサーブと強烈なバックハンドで一気に3本連取され、10-11と逆にゲームポイントを握られるピンチもあったが冷静に切り抜け13-12に。ここで日本ベンチはタイムアウトを取り、勝負をかけた。最後は伊藤がストレートに威力のあるフォアハンドドライブを打ち抜き1ゲーム目は14-12で切り抜けた。
2ゲーム目以降も相手回転量の多い打球にやや苦しめられたが、伊藤もサーブから積極的に崩しにかかり、リードを保ったままストレートで逃げ切った。
第2試合:石川 3-0 リュウ・ジャ
第2試合はキャプテンの石川対元欧州チャンピオンのリュウ・ジャ(同42位)。中国からの帰化選手で安定したラリーが持ち味の実力者だ。石川は1ゲーム目からリュウ・ジャのバック側にロングサーブを出し、そこから速攻を仕掛けて試合の主導権を握る。熾烈なバック対バックのラリー戦になるが、最後は石川がラリーを制す展開が多かった。
2ゲーム目以降はリュウは石川のフォアにもボールを散らすが、そこを見逃さない石川。石川のエースボールであるフォアハンドドライブをストレートコースに叩き込み世界ランク10位以内に入ったこともある強豪に対し、ゲームカウント3−0で完勝した。
第3試合:平野 3-0 A・ソルヤ
平野の相手はA・ソルヤ(ドイツからの帰化選手である、同188位)。女子ドイツの主軸、P・ソルヤの姉で、フォア面に表ソフトラバー(粒が敷き詰められているラバーで、相手の回転の影響を受けにくい。日本の伊藤美誠がバック側に使用している)、バック面にアンチラバー(ラバー表面がツルツルしており、相手の回転を受けて変化ボールを生むラバー)という異質ラバーの使い手で、かなり戦いにくい相手である。
平野の回転量のあるサーブやドライブはソルヤのアンチラバーに当たると大きく変化し、ミスをしやすくなるが、平野はその変化を見極め、威力のあるフォアハンドでしっかりタメを作って打ち抜いて行った。
試合の中盤では相手の回転の変化にミスを誘われることもあったが、終始ノータッチのボールを連発し、流れを引き寄せた。
伊藤、石川、平野とまたも全試合ストレート勝ちの日本。快進撃の影には各試合の勝負をかけたタイムアウトや緻密な戦術転換があった。
世界卓球2018女子グループB第4戦:日本 3-0 オーストリア
伊藤 3-0 ポルカノバ
14-12/11-6/11-9
石川 3-0 リュウ・ジャ
11-7/11-7/11-9
平野 3-0 A・ソルヤ
11-7/11-9/11-5