大会報道 日本女子金メダルへ 最強メンバーで打倒中国なるか【世界卓球2018】
2018.05.05
文:ラリーズ編集部
<世界卓球選手権(団体)2018年4月29日〜5月6日・ハルムスタッド>
日本時間今夜21時30分から、いよいよ中国との最終決戦が行われる。日本は途中苦しんだ場面もあったが、ここまで1マッチも落とさない完璧な勝ち上がりを見せた。
打倒中国も夢ではない最強のメンバーで臨む日本。そこで今回は最強・中国のメンバーを紹介したい。
中国メンバー、どの選手が出て来ても苦戦必至
前年度及び今年度の対戦で、かつシングルスで今回世界卓球に出場している5人の中国メンバーに勝ち星があるのが平野美宇(日本生命・4月度世界ランク6位)と伊藤。平野は記憶に新しい2017年のアジア選手権での快進撃の際に丁寧、朱雨玲、陳夢を破って優勝している。
過去の対戦成績を調べる限りでは日本は苦しい戦いが予想される。加えて、平野はアジア選手権以降、中国から徹底してマーク・研究をされてしまっているため、もはや一筋縄ではいかない。
中国選手の紹介
陳夢(4月度世界ランク1位)
2011年に世界ジュニア選手権で4冠という圧倒的な成績を残し、翌年以降もワールドツアーなどで活躍し、脚光を浴びた陳夢。
去年末の2017ワールドツアーグランドファイナルで同年代のライバル、朱雨玲(同2位)をストレートで下し優勝している。
しかし、去年の世界卓球シングルスではその朱雨玲に準々決勝で敗退。アジア選手権でも平野美宇に決勝でストレート負けを喫しており、ビッグゲームにやや弱い印象がある。
台の近くのプレーの安定感はもちろん、女子選手の中ではトップクラスの威力を誇る両ハンドを持ち合わせており、台から下がっても強い。穴の少ないプレーをする陳夢を日本女子はどう攻略するのか。
丁寧(同11位)
2017年世界卓球シングルス女王、そしてリオ五輪チャンピオン。最強中国の大黒柱。
また、世界卓球、五輪、ワールドカップの3大大会を制す「大満貫」(グランドスラムのこと)を達成した、女子で史上5人目の選手である。
2016年の世界卓球マレーシアの女子団体決勝で伊藤が対戦し、第1ゲームををもぎ取ったが、そこから世界女王の圧倒的な力を見せつけられた。
そして今年のチームワールドカップ決勝でも伊藤が対戦。丁寧がストレートで勝利した。
プレースタイルは女子では珍しく、170cmを超える長身を生かして、台から離れても強いタイプ。ロビング(台から大きく離れ、ボールを高く打ち上げて、返球までの時間を稼ぐ守備的な技)や、中陣でのドライブの打ち合いもお手の物で、先手を取られてもラリーで取り返すことができる幅の広いプレーをする選手だ。
劉詩雯(同10位)
劉詩雯は、世界卓球2015では準優勝。
最終ゲーム、丁寧が足を負傷し、劉詩雯が優勝かと誰もが思ったが、丁寧が自由にならない足を引きずりながら執念の返球。なんと丁寧に逆転優勝を許した。また2010年の世界卓球決勝ではシンガポールに対して、2点を献上してしまうなど、ビックゲームにあまり縁のない劉詩雯。
だが、実力は折り紙つき。全くブレない体幹を持っており、台に張り付いての速攻プレーは右に出る者はいない。
王曼昱(同5位)
世界ジュニアを15歳で制した”怪童”は今年に入り、ワールドツアーで同国のライバルを破り初優勝を果たし、今まさに伸び盛り。
中国国内で行われた世界卓球よりもハイレベルな可能性すらある国内予選では並み居る強豪を倒し、2位で通過した。
ただ、19歳の若手で、世界卓球初出場のため、決勝では控えに回る可能性が高いだろう。
朱雨玲(同2位)
陳夢とともに現在の中国を引っ張る中心選手。2017年の世界卓球シングルスでは準決勝で劉詩雯を下すと、決勝では丁寧と接戦を繰り広げた。今年のチームワールドカップ決勝では石川と対戦したが、朱雨玲はストレートで石川を撃破している。
持ち味は鉄壁の守りを誇る粘りのラリー。ミスがほとんどなく、勝負所での駆け引きの巧さも光る。
抜け目がほとんどない中国だが、日本も勢いに乗っている。金メダルの行方やいかに。
写真:ロイター/アフロ