文:ラリーズ編集部
<2020年度後期日本卓球リーグ熊本大会 2020年11月11日~11月15日 熊本県立総合体育館>
男女実業団が熱戦を繰り広げる日本卓球リーグ。2020年度後期の熊本大会は15日、最終日を迎え、ついに男女1部で優勝チームが決まる。
男子1部では4勝をあげている東京アートと協和キリンの直接対決が予定されている。
東京アートは主将の高木和卓、39歳の大ベテラン吉田海偉、協和キリンは主将の松平賢二が5戦5勝と好調を維持している。この3選手は、名門・青森山田高校のOBだ。
写真:松平賢二(協和キリン)/撮影:ラリーズ編集部
名将・吉田安夫監督のもと、日本を卓球大国に押し上げてきた青森山田は、平成30年の歴史のうち16度のインターハイ優勝を果たすなど圧倒的な存在感を放っていた。東京五輪代表に内定している水谷隼(木下グループ)、丹羽孝希(スヴェンソン)も青森山田出身だ。
今回の日本リーグでも青森山田出身者が多くプレーしている。
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第1世代から“最後の代”までが揃う
東京アートの39歳・吉田海偉は、青森山田高校での名将・吉田監督の最初の教え子、つまり第1世代に名を連ねる。もともと中国からの留学生で宋海偉という名前だった吉田は、インターハイシングルス3連覇。その後、青森山田を率いた名将・吉田安夫監督にあやかって「吉田」という名を背負い帰化し、39歳になった今も日本トップレベルでプレーしている。
写真:熱いガッツポーズを見せる吉田海偉(東京アート)/撮影:ラリーズ編集部
現在、青森山田はかつてのような卓球部強化はしていない。
“最後の世代”としてプレーした選手達が、大学を卒業し今年社会人1年目となった。三部航平(専修大→シチズン時計)、一ノ瀬拓巳(中央大→日鉄物流ブレイザーズ)が日本リーグでデビューを果たした。三部は0勝3敗、一ノ瀬は0勝1敗と実業団の洗礼を浴びているが、今後も実業団を背負っていく存在となるだろう。
写真:社会人の洗礼を浴びている三部航平(シチズン時計)/撮影:ラリーズ編集部
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女子でも青森山田出身者が活躍
写真:宋恵佳(中国電力)/撮影:ラリーズ編集部
女子でも青森山田出身者が各チームの中心選手として活躍している。中国電力の宋恵佳、庄司有貴、昭和電工マテリアルズの鈴木李茄、十六銀行の山本怜がレギュラーとしてチームを牽引する。
写真:鈴木李茄(昭和電工マテリアルズ)/撮影:ラリーズ編集部
中国電力と十六銀行の試合では、庄司と山本のOG対決が実現し、後輩の山本が勝利を飾っている。
写真:山本怜(十六銀行)/撮影:ラリーズ編集部
また、十六銀行のエース・安藤みなみも高校2年で転校するまでは青森山田に在籍していた。
写真:安藤みなみ(十六銀行)/撮影:ラリーズ編集部
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卓球界に息づく青森山田魂
40余年の歴史を誇る日本卓球リーグには、日本卓球の総本山、“最強養成機関”青森山田の系譜が息づいている。
ちなみに、青森山田“最後の世代”には、三部、一ノ瀬の他に、もう1人日本リーグで活躍している男がいる。今回の日本リーグもライブ配信している株式会社LaboLive(ラボライブ)の高橋徹氏(中央大卒)だ。ラボライブの全試合生配信によって、今回無観客開催の日本リーグを楽しむことができている。卓球界を選手としてではなく裏方としてサポートしている。
「これも山田魂です」と高橋氏は笑って、会場を走り回っていた。
日本リーグ1部 青森山田出身者
男子
写真:インターハイ3冠王の坪井勇磨(東京アート)/撮影:ラリーズ編集部
吉田海偉(2000年卒・東京アート)
高木和卓(2007年卒東京アート)
坪井勇磨(2015年卒・東京アート)
松平賢二(2008年卒・協和キリン)
池田忠功(2012年卒・リコー)
藤木祥二(2011年卒・日鉄物流ブレイザーズ)
一ノ瀬拓巳(2016年卒・日鉄物流ブレイザーズ)
三部航平(2016年卒・シチズン時計)
下山優樹(2014年卒・原田鋼業)
吉村和弘(東京アート)※中学のみ
写真:下山優樹(原田鋼業)/撮影:ラリーズ編集部
女子
写真:庄司有貴(中国電力)/撮影:ラリーズ編集部
宋恵佳(2014年卒・中国電力)
庄司有貴(2013年卒・中国電力)
鈴木李茄(2013年卒・昭和電工マテリアルズ)
山本怜(2014年卒・十六銀行)
安藤みなみ(十六銀行)※高2で慶誠高校(熊本)に転校