文:ラリーズ編集部
今回は、元世界ランク1位、世界選手権王者の肩書を持つヨルゲン・パーソン(スウェーデン)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
このページの目次
ヨルゲン・パーソンとは?
ヨルゲン・パーソンは、ヤン=オベ・ワルドナー、エリック・ランドらとともにスウェーデンの黄金時代を牽引した卓球選手です。現役を引退してからは、スウェーデン男子チームの監督として、国際大会等でのスウェーデン選手の活躍に貢献しています。
ヨルゲン・パーソンのプロフィール
ヨルゲン・パーソン(Jorgen Persson)は1966年4月22日生まれの57歳(2023年12月時点)で、スウェーデンのハルムスタッド出身です。
1986年にヨーロッパ選手権で男子シングルス初優勝を果たし、一躍ヨーロッパのトップ選手として名乗りを上げると、その後もヨーロッパトップ12を中心に上位入賞を次々に果たしました。1991年には千葉県で行われた世界選手権の男子シングルスで初優勝、世界ランキングも1位になるなど、名実ともに世界のトップの座をつかみました。
同年の男子ワールドカップでも優勝を飾り、飛ぶ鳥を落とす勢いのヨルゲン・パーソンは、その後もヨーロッパを中心に国際大会で上位に進出します。2000年のシドニー五輪と2008年の北京五輪では男子シングルス4位入賞と、大舞台での上位入賞も度々果たしています。五輪も1988年のソウル五輪から7大会連続出場という記録も持っています。
その後は国際大会に参加するも、第一線から徐々に退いていきます。2018年には、世界ベテラン選手権の50歳代男子シングルスで優勝、男子ダブルスでも盟友であるエリック・ランドと組んで優勝を飾っています。その後、2020年には男子スウェーデン代表の監督に就任し、マティアス・ファルクやトルルス・モーレゴードら現役選手をサポートする立場となっています。
また、ITTF理事会のメンバーとして、卓球界にも貢献しています。
ヨルゲン・パーソンのSNS
ヨルゲン・パーソンのプレースタイル
ヨルゲン・パーソンの戦型は右シェーク裏裏の攻撃型で、リーチの長さを活かした強烈な両ハンド攻撃と守備力の高さが特徴的な選手です。
ヨルゲン・パーソンは身長が186cmと高く、リーチが長いため豪快なスイングによって強烈な回転をかけることができます。特にバックハンドが得意で、中陣や後陣からでも引き合いに持ち込むことができる威力を持っています。コースの打ち分けやミートうち等の技術の幅も持ち合わせており、世界トップクラスの技術力を持っていました。
また、ヨルゲン・パーソンは両ハンドにおいて安定感があり、バックハンドのブロックやフォアハンドの台上技術の精度も高く安定して相手コートにボールを打ち込むことができる選手です。一方で、積極的にフォアハンドで攻撃を仕掛けるプレースタイルで、プレー領域も広めです。
ヨルゲン・パーソンの使用用具
ヨルゲン・パーソンはDONIC(ドニック)と契約していて、自身の監修したラケット「パーソン」シリーズも発売されています。現役時代も「パーソン」シリーズのラケットに、DONIC(ドニック)の裏ソフトラバーを両面に使用していたそうです。
ヨルゲン・パーソンの世界ランキング
2023年12月時点で、ヨルゲン・パーソンは世界ランキングを持っていません。2015年以降は国際大会に参加していません。最高ランキングは1位(1991年5月)です。
ヨルゲン・パーソンの主な成績
1986年 | ヨーロッパ選手権 | 男子シングルス:金メダル、男子団体:金メダル |
1987年 | ヨーロッパトップ12 | 男子シングルス:第3位 |
1988年 | ヨーロッパトップ12 | 男子シングルス:準優勝 |
ヨーロッパ選手権 | 男子ダブルス:銅メダル、男子団体:金メダル | |
1989年 | 世界選手権 | 男子シングルス:銀メダル、男子団体:金メダル |
ヨーロッパトップ12 | 男子シングルス:第3位 | |
1991年 | 世界選手権 | 男子シングルス:金メダル、男子ダブルス:銅メダル、男子団体:金メダル |
ヨーロッパトップ12 | 男子シングルス:第3位 | |
男子ワールドカップ | 男子シングルス:優勝 | |
1992年 | ヨーロッパ選手権 | 男子ダブルス:金メダル、男子団体:金メダル |
ヨーロッパトップ12 | 男子シングルス:優勝 | |
1996年 | ヨーロッパ選手権 | 男子シングルス:銀メダル、男子ダブルス:金メダル、男子団体:金メダル |
1997年 | 世界選手権 | 男子ダブルス:銀メダル |
2000年 | シドニー五輪 | 男子シングルス:4位 |
世界選手権 | 男子団体:金メダル | |
2008年 | 北京五輪 | 男子シングルス:4位 |
2018年 | 世界ベテラン選手権 | 50歳代男子シングルス:優勝、50歳代男子ダブルス:優勝 |
まとめ
スウェーデンの黄金時代を支えた元世界王者が、再びスウェーデンの最強時代を築き上げることができるのか。今後の彼の動向や采配にも注目したい。
パーソンのインタビュー記事(2021年5月公開)
写真:アドバイスを送るヨルゲン・パーソン氏(写真中央)/提供:ittfworld
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