文:ラリーズ編集部
中国はこれまでに多くの世界チャンピオンを輩出しており、“卓球帝国”として長きにわたって卓球界を牽引している。また、高すぎる壁としてこれまで何度も日本チームの前に立ちはだかっており、日本最大の難敵でもあるチームだ。
そこで今回は、女子中国代表の名選手たちを紹介し、その強さの理由に迫る。
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卓球帝国・中国
まずは中国の戦績を振り返ってみよう。世界選手権団体では直近の20大会中で18回で優勝しており、金メダルの常連国となっている。また、五輪では団体競技が種目に加わった2008年の北京五輪から3大会連続で金メダルを獲得している。
日本も負けじと力をつけてきており、個人戦では中国選手に勝利する機会は増えてきたが、団体戦で中国を倒すには至らない。
女子中国代表の歴代エース
続いては、中国チームを支えてきた選手たちを紹介する。どの選手も素晴らしい実力と実績を持ち、女英雄と呼ぶのにふさわしい選手ばかりだ。
王楠(ワン・ナン)
写真:王楠(ワン・ナン)/提供:ittfworld
まずは、1990年後半から2000年代に活躍した王楠(ワン・ナン)だ。世界選手権では、女子シングルスで3連覇、女子ダブルスで5連覇をしている。五輪でもシドニー五輪で女子シングルスと女子ダブルスで金メダルを獲得するなど、輝かしい実績を持つ。
2008年の北京五輪を最後に引退をした王楠。晩年は病に苦しむなど波乱万丈な卓球人生であったが、長きにわたって中国を支え続けてきた。
張怡寧(ジャン・イーニン)
写真:張怡寧(ジャン・イーニン)/提供:ittfworld
中国では世界選手権、オリンピック、ワールドカップの全てで優勝することを「大満貫」と呼ぶが、張怡寧はこの大満貫を達成している。中国女子では珍しく、大舞台でも淡々と無表情で試合を進めることが多かった。
2009年の全中国運動会を最後に現役を引退した張怡寧。2008年の北京五輪では開会式で選手宣誓を務めるなど、卓球界を越えたスター選手として活躍していた。
丁寧(ディン・ニン)
写真:丁寧(ディン・ニン)/提供:ittfworld
張怡寧と同じく「大満貫」を達成している丁寧(ディン・ニン)。2009年大会から世界選手権に出場しており、2015年大会と2017年大会で女子シングルス連覇するなど、これまで多くのメダルを獲得している。リオ五輪では、団体と女子シングルスで金メダルを獲得している。
その端整なルックスからファンも多い丁寧。これからも日本チームの前に大きく立ちはだかる存在であるだろう。
劉詩雯(リュウ・スーウェン)
写真:劉詩雯(リュウ・スーウェン)/提供:ittfworld
最後に紹介するのは現世界チャンピオンである劉詩雯(リュウ・スーウェン)。2009年大会から世界選手権に出場しており、2019年大会で悲願のシングルス初タイトルを手にした。世界選手権ではこれまで15枚のメダルを獲得している。五輪にはシングルでの出場は無いものの、2016年リオ五輪では団体で金メダルを獲得している。
世界卓球団体でシンガポールに敗れた“モスクワの悲劇”などの挫折を糧に大きく成長した劉詩雯。丁寧と共に、これからも日本チームの前に大きく立ちはだかる存在であるだろう。
まとめ:中国の強さの秘密
卓球帝国・中国の強さの秘密は「卓球人口の多さ」と「万全な強化体制」だと考えられる。卓球を国技として扱う中国の卓球人口は、約8,500万人と言われている。加えて万全な強化体制が整っており、かつての世界王者が有望な後輩の指導にあたるといった教育体制が出来ている。これは他国には真似のできないことである。