ナックルサーブに効果的なレシーブとは?トップ選手に学ぶレシーブ講座 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

卓球技術・コツ ナックルサーブに効果的なレシーブとは?トップ選手に学ぶレシーブ講座

2019.08.28

文:ラリーズ編集部

初級者から上級者まで幅広い層で必ず使われているナックルサーブ。

他のサーブに比べて、覚えやすく出しやすいサーブであるため、レシーブする機会は多い。複雑な回転はないため、ナックルサーブが返球できずに試合で負けてしまうことはほとんどない。

ただ、相手の台の中に返球するだけなら容易であるが、高く浮いたレシーブになってしまったり、うまく返球できたと思っても相手の展開になってしまったりして、なかなか点数に結びつかないという選手も多いであろう

そこでこの記事では、ナックルサーブに対するレシーブのコツをトップ選手のプレーを見ながら学んでいきたい。相手選手にナックルサーブを出されても、浮かせずに上手くレシーブをしたい初心者、中級者プレーヤーは必見だ

>>ナックルサーブの効果的な使い方とは?トップ選手に学ぶサーブ講座

1. ナックルサーブの特徴とレシーブ

ナックルサーブはボールに回転がかかっていないのが基本である。

ナックルサーブの中にも下回転系と上回転系の2種類のサーブがあるが、そのどちらも返すだけなら、他の複雑な回転のサーブに比べて難しくはない。ただ、毎回同じ様なレシーブをしてしまうと、相手の展開に持ち込まれてしまうため、レシーブにも工夫を凝らす必要がある。

これはアマチュア選手のみならず、プロ選手も試合で実践している。このように相手の待ちを外すレシーブをすることで、自分の展開に持ち込むということをしているのだ。この記事では、試合の動画を見ながら、トップ選手が具体的にどのようにレシーブをしているのかを見ていこう。

>>勝てるナックルサーブの出し方を徹底解説 下回転との出し分けが大切

2. トップ選手のレシーブ例

今回は、全日本大学総合卓球選手権大会と関東学生卓球リーグの試合を見ながら、ナックルサーブに対するレシーブ方法を見てみよう。

2017年の全日本大学総合卓球選手権大会と2019年の春季関東学生卓球リーグ戦の試合から、トップ選手のレシーブを確認する。

まず、こちらの明治大学所属(当時)の森薗政崇選手と愛知工業大学所属(当時)の吉村和弘選手の試合。

この試合では、吉村のチキータを警戒する森薗は、試合序盤からフォア前に落とす下回転サーブとナックルサーブを混ぜて先手を取ろうとしていた。

そのナックルサーブに対して、吉村は3ゲーム目までは浮かせる場面もあったが、4ゲーム目以降は上手くレシーブをしているという印象を受けた。特に、フォア前のナックルサーブ対するフリックレシーブ、バック側のナックルサーブに対するチキータやバックドライブが光っていた。

まずは、4ゲーム目の2-5の場面からの吉村のフリックレシーブに注目してもらいたい。森薗のフォア前のナックルサーブに対し、ボールの頂点を捉えて、コンパクトにスイングしてフリックをすることで安定した返球をしている。それに加え、低く速いフリックをすることによって、相手の意表を突くことができている

3-4の場面でのドライブレシーブも注目だ。台から出た長いサーブに対してはドライブで返球する、というのはどのサーブに対してもひとつの有効な戦術となりうるが、これはナックルサーブに対しても例外ではない。

サーブに回転があまりかかっておらず、その回転を利用できないからこそ、自分から回転をかけてレシーブすることによって、安定したレシーブができ、自分の優位な展開にすることができる。

6ゲーム目の6-8の場面では、吉村は森薗のサーブに対して、強烈なチキータで得点している。ナックルサーブは回転が少ないからこそ、コンパクトなスイングで自らの回転にしたチキータを放つことが重要だ。

続いては、専修大学所属の及川選手と早稲田大学所属の緒方選手の試合を見てみよう。

この試合では及川のナックルサーブに対して、緒方は得意のチキータレシーブだけでなくストップレシーブも使っていた。ナックルサーブはツッツキしてしまうと相手の展開につながりやすいが、ストップを用いることでタイミングをずらすことができる

2ゲーム目0-0の場面でのストップに注目してみよう。バック前のナックルサーブに対して緒方はストップでレシーブをしている。このときバウンド直後を的確にとらえることで、浮かせることなくストップしている。緒方は第1ゲームで多用していたチキータではなく、あえてストップを選択することで及川の強打を防いでいる。

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3,まとめ

以上、今回は全日本大学総合卓球選手権大会と関東学生卓球リーグのトップ選手のプレーを見て、ナックルサーブに対するレシーブ方法を探った。

動画では、フリック、ドライブ、ストップ、チキータの4種類が用いられていたが、基本的にナックルサーブに対して、ボールの頂点をとらえ、コンパクトにスイングすることによって安定した返球をしていた。

ナックルサーブは返球こそ難しくはないが、いかに相手に強打をさせないように返球するかが大切であり、そのヒントはトッププレーヤーのプレーの中に隠されているのかもしれない。

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