ナックルサーブの効果的な使い方とは?トップ選手に学ぶサーブ講座 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:サーブの構え/撮影:ラリーズ編集部

卓球技術・コツ ナックルサーブの効果的な使い方とは?トップ選手に学ぶサーブ講座

2019.08.20

文:ラリーズ編集部

初級者~プロに至るまで幅広く用いられ、ダブルスの際には特に重要なナックルサーブ。

試合中にナックルサーブを使う利点として2つ挙げられる。

1つ目は、YGサーブのように複雑な回転をかけることはなく、あらゆる選手が実践可能なサーブであること。

2つ目は、回転をかけないため、3球目以降の展開を作りやすく攻めやすいことにある。

ただ、単純であるが故に使いどころや攻撃の展開を作るのが難しいという選手も多いだろう。

そこで、この記事ではナックルサーブを出してからの展開をトップ選手のプレーを見ながら学んでいきたい。ナックルサーブを試合で効果的に使い、さらに実力を付けたい初級者や中級者のプレーヤーに必見の情報だ。

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1.ナックルサーブの特徴

ナックルサーブを出す際に、回転をかけずにサーブを出すことが前提になってくる。その中にも2種類あり、下回転系のナックルサーブと上回転系のナックルサーブがある。

下回転系は真下回転のサーブを打つ時と同じ面で回転をかけずにサーブ出す。一方で、上回転系は打球の際にラケット面を立ててサーブを出すという違いがあり、ナックルサーブの中でも微妙な回転量差を生み出すことが出来る。

この2つを使い分けることで相手のレシーブを乱し、自分の攻撃の展開に持っていくことができる。

トップ選手になるにつれて、2つのサーブを同じフォームで出し、より効果的なサーブとして用いているのである。それでは、実際の試合の動画を見ながらトップ選手がどのようにサーブから3球目に持ち込んでいるのかを見ていきたい。

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2.トップ選手のサーブ例

今回は、東京選手権の試合を見ながら、ナックルサーブの実践例を見ていこう。2018年の東京選手権の試合から、トップ選手のナックルサーブを確認する。

明治大学所属の龍崎選手と野田学園高校所属の戸上選手の試合。

この試合は両ハンド攻撃が得意な選手同士の対戦ということもあり、序盤からバック対バックの展開が多い。バックハンドで先手を取ろうと、お互いに強烈なチキータからラリーに持ち込もうとする印象を受けた。また、その中でストップレシーブやツッツキレシーブを織り交ぜて待ちを外す展開も見られた。

まずは、1ゲーム目の12-12の大事な場面(1:59~)。ここで戸上はミドルあたりからミドル前にサーブを出し、バック対バックに持ち込み、最後はフォアの強打で得点できている。


 

ここで注目したいのはナックルサーブを出すコースである。戸上は強打されにくいミドル前に出し、相手のチキータの威力を下げ自分の強打できる展開に持ち込んでいる。

ナックルサーブは単純であるがゆえに強打されやすいため、次の展開を考えて出すことが重要である。

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次に紹介したいのは5ゲーム目の5-8の場面(8:28~)。今度はフォア前に真下回転と同様のフォームで下回転系のナックルサーブを出し、龍崎のストップが甘くなった所を強烈なフォアフリックで仕留めている。


 

ここでも、コースに注目したい。試合の終盤になり、チキータの展開に慣れてきたところで、フォア前にサーブを出すことでチキータを防ぐと共にレシーブを甘くすることにも成功している。

ナックルサーブにはラリーに持ち込ませるだけでなく、相手のレシーブを甘くする力もあるという分かりやすい例であろう。

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3.まとめ

以上、今回は東京選手権のトップ選手のプレーを見てナックルサーブの実践方法を探った。動画では、ナックルサーブを出し、相手にチキータさせてからラリーに持ち込む展開と、相手のレシーブを甘くし、3球目を強打する展開を紹介した。

戸上はナックルサーブをあえてチキータさせて自分の得意な展開に持ち込み、また、真下回転や横下回転のサーブを効果的に織り交ぜ、相手のレシーブを甘くさせていた。

このようにナックルサーブはトップ選手にも頻繁に使われており、初級者や中級者にも実践可能ではないだろうか。

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