YGサーブの最適なレシーブとは?トップ選手に学ぶレシーブ講座 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

卓球技術・コツ YGサーブの最適なレシーブとは?トップ選手に学ぶレシーブ講座

2019.08.08

文:ラリーズ編集部

中国の樊振東選手や、ドイツのティモ・ボル選手が使うことで有名なYGサーブ。最近は、学生や社会人のプレーヤーでも使い始める人が増えているため、レシーブをする機会が増えてきた人も多いのではないだろうか。ただ、YGサーブは普段受ける機会も少ない上、回転量が多いことが多々あるので、上手くレシーブをできないという選手も多いであろう。

そこでこの記事では、YGサーブに対するレシーブのコツをトップ選手のプレーを見ながら学んでいきたい。相手選手にYGサーブを出されるとついレシーブが甘くなり、強打を浴びてしまうような初心者、中級者プレーヤーは必見だ。

>>【初心者必見】YGサーブの出し方とコツ|基本技術レッスン

1. YGサーブの特徴とレシーブ

相手のサーブに対して安定したレシーブをする為には、相手の回転に合わせて面を作るのが鉄則だ。YGサーブは逆横回転系のサーブであるため、上から見て反時計回りに球が回っている。この球種に対しては、レシーブ側から見てボールの左側を捉えて返球するとある程度安定してレシーブしやすい。これはアマチュア選手のみならず、プロ選手も試合で実践している。この鉄則に基づいてレシーブをし、自分の展開に持ち込むということをしているのだ。この記事では、試合の動画を見ながら、トップ選手が具体的にどのようにレシーブをしているのかを見ていきたい。

>>【初心者必見】逆横回転サーブへの対処法|基本技術レッスン

2. トップ選手のレシーブ例

今回は、関東学生卓球リーグの試合を見ながら、YGサーブに対するレシーブ方法を見てみよう。2017年と2019年の春季関東学生卓球リーグ戦の試合から、トップ選手のレシーブを確認する。

まず、こちらの専修大学所属(当時)の下山選手と明治大学所属の遠藤選手の試合。

1ゲーム目は、YGサーブからの展開を狙う下山に対して、遠藤が積極的にフォアハンドで攻めていくというゲームだった。遠藤はこのゲームを落としたものの、YGサーブに対して上手にレシーブをしている印象を受けた。特に、フォアサイドに集まるYGサーブに対して、フォアハンドのツッツキとドライブでの対処が光っていた。

まずは、3-3の場面からの遠藤のツッツキレシーブに注目してもらいたい。下山の強い回転のかかったYGサーブに対し、ボールの左側を捉えてツッツキをすることで安定した返球をしている。それに加え、しっかりと回転をかけたツッツキをすることによって、相手の3球目の強打を防ぐことができている。

7-7の場面でのドライブレシーブも注目だ。台から出た長いサーブに対してはドライブで返球する、というのはどのサーブに対してもひとつの有効な戦術となりうるが、これはYGサーブに対しても例外ではない。自分から回転を上書きすることによって、相手サーブの回転の影響をあまり受けずに返球、つまり安定して返球することができるのだ。

続いては、早稲田大学所属の緒方選手と明治大学所属の出雲選手の試合を見てみよう。

この試合ではYGサーブの名手、緒方のサーブに対して、出雲は一貫してチキータレシーブで対応した。逆横回転の球に対しては、ボールの左側を捉えると安定しやすいと前に述べたが、バックハンドを用いれば自然と左側を捉えやすい。

2ゲーム目1-2の場面でのチキータに注目すると、フォア前のYGサーブに対してもチキータでレシーブをしている。このようにフォアサイドもバックハンドで返球する場合は、バックサイドにロングサーブが来てもある程度対処できるような待ち方をすることが大切になってくる。

4ゲーム目の3-4の場面であるように、チキータができない時でもバックハンドで球の左側を捉えながらツッツキができれば安定して返球ができる。フォアハンドでは左側を捉えるのが難しいという方は、出雲のこのプレーのようにバックでレシーブすれば安定して返球ができるようになるであろう。

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3. まとめ

以上、今回は関東学生卓球リーグのトップ選手のプレーを見て、YGサーブに対するレシーブ方法を探った。動画では、ツッツキ、ドライブ、チキータの3種類が用いられていたが、基本的に逆横回転のYGサーブに対して、ボールの左側を捉えることと、自分の回転を上書きすることによって安定した返球をしていた。レシーブに悩むプレーヤーは、日本や世界のトップ選手のレシーブにアンテナを高く張ることで何か答えを見つけられるかもしれない。

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