文:ラリーズ編集部
日本や中国と並び、アジアの強豪として知られる韓国。長きにわたり世界の卓球界のトップクラスに位置し、世界大会でも数多くのメダルを獲得してきた。今回はそんな韓国のこれまでの軌跡や現在の主力選手を紹介し、さらに韓国が卓球が強い理由に迫っていく。
このページの目次
韓国・栄光の軌跡
まずは韓国の戦績を見ていこう。世界選手権団体ではここ10年の5大会のうち、4大会で3位入賞、五輪では2008年銅メダル、2012年銀メダル、2016年4位入賞と安定して表彰台に登っている。日本とは直近では2018年にチームワールドカップと世界選手権で対戦し、1勝1敗となっている。東京五輪でも日本にとって手強い存在になるだろう。
また個人戦でも、劉南奎(ユナムキュ)と柳承敏(ユスンミン)の2人の五輪金メダリストを輩出しており、世界選手権では2017年に李尚洙(イサンス)が、2019年に安宰賢(アンジェヒョン)がともに銅メダルを獲得している。彼らのように、大舞台での爆発力を持った選手が多いのも強みと言える。
韓国を支える選手たち
ここでは現在の韓国の主力選手を紹介する。どの選手もここ数年で急速に力をつけてきており、ビッグゲームでも結果を残している。
張禹珍(ジャンウジン)
写真:張禹珍/提供:ittfworld
まず紹介するのは2013年世界ジュニア王者の張禹珍だ。天才的なボールタッチを持ち、多彩なプレーやサーブで得点するシーンも多い一方で、韓国選手らしく力強いラリー戦も得意としている。2019年の世界選手権では安宰賢との同士討ちに敗れたものの、ベスト8に入っている。日本選手に対しても勝率が良く、2017年のアジア選手権や2018年の世界選手権の団体で貴重な勝利を挙げている。
李尚洙(イサンス)
写真:李尚洙/提供:ittfworld
続いては2017年世界選手権単複銅メダリストの李尚洙だ。攻撃的な卓球が持ち味で、一度攻め始めた時の爆発力は凄まじい。現在29歳とベテランの域に入りつつあるが、その実力はまだまだ健在だ。対日本選手では分が悪いことが多いが、大激戦となった2018年チームワールドカップ日本戦では、張本智和(木下グループ)に対し勝ち星をあげている。またダブルスの名手でもあるため、東京五輪に出てくるとすれば各国にとって怖い存在だ。
鄭栄植(チョンヨンシク)
写真:鄭栄植/提供:ittfworld
続いて紹介するのはTリーグでのプレー経験もある鄭栄植だ。独創的なフォームの両ハンドを操り、威力や精度が非常に高く、ラリーで圧倒的な強さを見せる。2018年の世界選手権、対日本戦では張本智和と水谷隼(木下グループ)に勝利し、韓国を勝利へ導いた。中国選手に対してもたびたび接戦を繰り広げており、2019年の韓国オープンでは樊振東(ファンジェンドン・中国)を下している。
安宰賢(アンジェヒョン)
写真:安宰賢/提供:ittfworld
最後に紹介するのは2019年大ブレイクした20歳のホープ、安宰賢だ。世界選手権では黄鎮廷(ウォンチュンティン・香港)やチームメイトの張禹珍、さらに日本のエース・張本智和といった並居る強豪を次々と破り、世界ランキング157位(2019年4月当時)ながらベスト4に入る大躍進を見せた。2020年1月の世界ランキングでは39位と、1年足らずで100位以上もランクを上げた。今後ますます力を伸ばし、韓国を支える存在となるだろう。
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韓国対日本 直近の対戦成績
2018年 世界選手権準々決勝
日本 1-3 ○韓国
張本智和 2-3 ○鄭栄植
15-17/11-6/11-9/3-11/9-11
○水谷隼 3-2 李尚洙
11-9/11-13/11-3/12-14/11-7
松平健太 1-3 ○張禹珍
9-11/11-9/9-11/7-11
水谷隼 0-3 ○鄭栄植
5-11/8-11/7-11
2018年 チームワールドカップ準決勝
○日本 2-3 韓国
○上田仁/丹羽孝希 3-2 李尚洙/鄭栄植
13-11/6-11/10-12/11-9/11-5
○張本智和 3-1 丁祥恩
11-9/11-9/8-11/11-7
丹羽孝希 1-3 ○鄭栄植
7-11/11-7/9-11/9-11
張本智和 2-3 ○李尚洙
11-8/11-6/2-11/14-16/8-11
○上田仁 3-2 丁祥恩
12-10/5-11/6-11/11-6/16-14
2017年 アジア選手権準決勝
日本 0-3 ○韓国
松平健太 1-3 ○李尚洙
丹羽孝希 1-3 ○張禹珍
吉村真晴 0-3 ○丁祥恩