英田理志の使用用具・大会成績・プロフィール | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:英田理志(タカシマアカデミー)/撮影:ラリーズ編集部

卓球選手紹介 英田理志の使用用具・大会成績・プロフィール

2024.10.30

文:ラリーズ編集部

今回は、TリーグのT.T彩たまで活躍し、WTTフォトローダーデール2022男子シングルス優勝を飾った英田理志を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。

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英田理志とは?


写真:英田理志/提供:ittfworld

英田理志は、朝日大学から実業団・信号器材に進み、その後信号器材を離れ、プロ選手として活躍をしている選手です。裏裏カットマンという異色のプレースタイルで相手を驚愕させ、個人成績とチーム成績の両方で1位を獲得しています。

過去にはスウェーデンリーグに参加した経験もあり、現在はTリーグの静岡ジェードに所属しながらアメリカのMLTT(メジャーリーグテーブルテニス)に参戦しています。

英田理志のプロフィール

英田理志(あいださとし)は1993年3月19日生まれの31歳(2024年11月時点)で、鳥取県米子市出身です。福岡大学卓球部に在籍していた父親の影響で2歳ごろから卓球に触れるようになりました。しかし、本格的に始めたのは小学校6年生とかなり遅めで、静岡の藤枝スポーツ少年団に所属しました。

中学校は静岡県青島中学に進学し、全日本マスターズで優勝経験のある西村雅裕氏と練習するようになり、徐々に実力をつけていきます。

そして、高校は静岡県の島田商業高校に進学。県内には静岡学園や浜松修学舎など、強豪と言われる学校が力を見せる中、徐々に実力を伸ばしていった英田は、高校3年時のインターハイ県予選でシングルス準優勝を飾り、念願のインターハイ出場を果たします。しかし、本戦では惜しくも2回戦敗退に終わり、結果的に高校生活では全国の舞台で結果を残すまでには至りませんでした。

高校を卒業した英田は、静岡と同じ東海地方にある岐阜県の朝日大学に進学します。朝日大学では、週40時間以上を練習に費やし、東海学生リーグや日本リーグなど数多くの舞台で実践経験を積んだ英田は、メキメキと実力を伸ばし、大学4年時には東海学生選手権でシングルス優勝を飾ります。

牧師である父の影響で自身もキリスト教徒でもある英田は大学卒業後は牧師になるための勉強をする予定でしたが、大学4年間で卓球への手ごたえを掴み、卒業後は実業団の信号器材に就職しました。

社会人1年目の2015年には、全日本社会人選手権でダブルス3位という結果も残し、朝日大学時代も含めて日本リーグではシングルス通算58勝33敗、ダブルス通算35勝34敗(ともに1部、2部含む)という成績を残し、実業団選手としてもトップレベルの選手に成長します。


写真:英田理志/撮影:伊藤圭

そして、2017年に英田は大きな決断を下します。所属していた信号器材を退職し、自身の用具スポンサーであるヤサカの矢尾板社長の紹介でスウェーデンリーグへの参戦を発表。それは、これまでの「実業団選手」から「プロ選手」への転向を意味するものでした。

スウェーデンリーグでは、1部のスパルバーゲンというチームに所属しました。スパルバーゲンはバルセロナ五輪金メダリストのワルドナー(スウェーデン)や神巧也が所属していた名門クラブで、英田は1年目からリーグ個人成績2位という結果を残します。

その後、英田は同じスウェーデンリーグのエースレーブというチームへ移籍。シーズン17勝2敗で個人成績1位という結果に加え、チームもリーグ1位に輝きます。

そして、2020年7月にはTリーグ・T.T彩たまに加入することが決まり、3rdシーズンを迎えるTリーグに参戦。3rdシーズンはシングルス9勝13敗、4thシーズンは5勝5敗という成績を残し、チームの中心選手として活躍します。


写真:英田理志/撮影:ラリーズ編集部

2021年には全日本選手権男子シングルスベスト8入りを果たすと、同年の全日本社会人選手権でもシングルスベスト4入りを果たします。2022年も全日本選手権シングルスベスト16入りを果たすと、9月に開幕したTリーグ5thシーズンでは、開幕戦でリオ五輪、東京五輪ブラジル代表のウーゴ・カルデラノから白星を挙げました。


写真:英田理志/提供:WTT

そして、2022年に入ってからは国際大会への参加も復活させました。月に行われたWTTコンテンダーリマでは予選敗退に終わりますが、12月に開催されたWTTフォトローダーデールでは決勝で東京五輪フランス代表のシモン・ゴジ(フランス)を破って、見事優勝を飾りました。

また、2023-2024シーズンにはアメリカで開幕したMLTTに参戦し、24-2025シーズンはT.T彩たまから静岡ジェードに移籍しました。

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英田理志のプレースタイル


写真:英田理志/提供:ittfworld

英田理志の戦型は右シェーク裏裏のカットマンです。カットマンとは思えないほどに攻撃する場面が多く、オールラウンドなプレーが得意です。

カットマンと言えば、バック面に表ソフトラバーや粒高ラバーを使用している選手が大半です。表ソフトや粒高ラバーは相手の回転を利用して変化をつけることができるため、カットとしても安定しやすいという利点がありますが、裏ソフトラバーよりも攻撃力は低くなってしまうため、反転させたり、打ち方を工夫したりする必要がありました。


写真:英田理志/撮影:伊藤圭

英田はバック面に裏ソフトラバーを使用することで、自ら回転の変化をつけてカットしたり、隙あらば攻撃したりという自由が利くようになりました。両ハンドのドライブも安定して入るため、攻撃型としても充分に戦える素質を持っています。

裏裏のカットマン自体が少ないため、慣れがないという部分で相手が戸惑う場面があり、自分の流れに持っていくのが上手です。特に、近頃は両面に粘着テンションラバーを使用することで回転量の変化幅も大きくなりカットで点を取れるようになったほか、攻撃でも威力のあるボールを打てるようになっています。

英田理志の使用用具

ヤサカの契約選手である英田理志は、ラケットはヤサカの『正宗』、ラバーはフォア面にヤサカの『ラクザ7』、バック面にヤサカの『翔龍』を使用しているそうです。

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英田理志の世界ランキング

英田理志の世界ランキングは340位(2024年11月時点)で、最高ランキングは80位(2023年10月)です。

英田理志の国内大会での主な成績

2014年 東海学生選手権 男子シングルス:優勝
2015年 全日本社会人選手権 男子ダブルス:3位
2021年 全日本選手権 男子シングルス:ベスト8
全日本社会人選手権 男子シングルス:3位
2022年 全日本選手権 男子シングルス:ベスト16

英田理志の国際大会での主な成績

2015年 USオープン 男子シングルス:ベスト4
2022年 WTTフィーダーフォトローダーデール 男子シングルス:優勝
2023年 WTTフィーダーヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア 男子ダブルス:準優勝(ペア:吉村和弘)

まとめ

スウェーデンで修業を積んだ異色のカットマンが、Tリーグや国内、そして国際大会で活躍なるか。今後の彼の活躍に目が離せません。

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