文:ラリーズ編集部
今回は、ジュニア時代から中国香港のエースとして活躍し、Tリーグにも木下アビエル神奈川と京都カグヤライズに所属した経験を持つ杜凱琹(ドゥホイカン)について紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会でのシングルスだけでなくダブルスの戦績についても触れます。
杜凱栞とは?
杜凱琹は、ジュニア時代から頭角を現し、世界ジュニア選手権では4大会連続団体で銅メダルに輝き。アジアジュニア選手権でも団体戦、個人戦含め銀メダル3枚、銅メダル8枚を獲得した選手です。
その後、黄鎮廷(ウォンチュンティン)と組んだ混合ダブルスでは2015年、2017年と2大会連続で世界選手権3位に輝きました。2019年でもツアーで2大会優勝しており、グランドファイナルでは水谷隼/伊藤美誠(日本)に敗れたものの3位に輝いています。
Tリーグの木下アビエル神奈川の選手として2018-2019シーズンから参戦している、杜凱琹のプロフィールを見ていきましょう。
杜凱琹のプロフィール
杜凱琹(ドゥホイカン)は1996年11月27日生まれの27歳(2023年4月時点)で、香港の西貢区出身です。7歳の時に卓球を始め、将軍澳カトリック小学校、協恩中学へ進学し、2010年からはユース年代の国際大会に香港代表として出場するようになります。
若くして国際舞台の経験を積む機会を得た杜凱琹は、2014年のユースオリンピックではシングルスで銀メダルに輝きました。この成績が認められ、2014年には「香港の傑出した青少年アスリート」に選ばれました。また、2013年にはアジア選手権で女子ダブルス銅メダルを獲得し、シニアの大会でも強さを見せます。
写真:黄鎮廷(ウォンチュンティン)と杜凱琹(ドゥホイカン・中国香港)/撮影:ラリーズ編集部
そして、2015年の世界選手権蘇州大会では黄鎮廷(ウォンチュンティン・中国香港)との混合ダブルスで銅メダルを獲得し、2017年のデュッセルドルフ大会でも銅メダルを獲得しました。このように、ダブルスで数多くの大会の表彰台に上がった杜凱琹は、ダブルスの名手としても知られるようになります。
写真:杜凱琹(ドゥホイカン・中国香港)/撮影:ラリーズ編集部
Tリーグには、1st、2nd、4thシーズンは木下アビエル神奈川に、5thシーズンは京都カグヤライズに所属して、シングルスで通算14勝を挙げています。
杜凱琹のプレースタイル
杜凱琹の戦型は、右シェーク裏裏ドライブ型です。ラリー戦でのミスが少なく、特にバックハンドでのブロック力の高さが目を見張ります。中国選手のような強烈なドライブを打つ選手ではありませんが、緩急や前後のボールの押し引きに抜群の冴えを見せるクレバーな選手です。
混合ダブルスではうまくコースを突いたブロックやカウンターで、チキータの質、精度が高く、中陣からのフォアハンドも強力な黄鎮廷との抜群のコンビネーションを見せます。
サーブは女子選手には珍しくYGサーブを使用し、得意なバックハンドのラリー戦に持っていき、甘い球をフォアで狙っていきます。レシーブではチキータを多用し、得意な上回転のラリー戦に持っていく傾向がみられます。
杜凱琹の使用用具
杜凱琹は、ラケットはSTIGAの『インフィニティ VPS V』、ラバーは両面に紅双喜の『キョウヒョウ NEO 3』を使用しているようです。
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杜凱琹の世界ランキング
杜凱琹の世界ランキングは20位(2023年4月時点)で、最高ランキングは9位(2018年1月)です。
2013年12月時点で77位でした。ジュニア大会の成績が考慮され、2014年1月53位、3月に24位とジャンプアップを果たしました。その後、2017年12月まで10位台から30位の間で推移していました。ランキングの計算方法が変更になった2018年1月には9位に輝き、初の1桁順位となりました。
杜凱琹の主な戦績
2011年 | 世界ジュニア選手権 | 女子団体:銅メダル |
2012年 | 世界ジュニア選手権 | 女子団体:銅メダル |
2013年 | アジアジュニア選手権 | 女子シングルス:銀メダル、女子ダブルス:銅メダル、女子団体:銅メダル |
世界ジュニア選手権 | 女子団体:銅メダル | |
アジア選手権 | 女子ダブルス:銅メダル | |
2014年 | ユースオリンピック | 女子シングルス:銀メダル |
アジアジュニア選手権 | 女子シングルス:銅メダル、混合ダブルス:銀メダル、女子団体:銅メダル | |
世界選手権東京大会 | 女子団体:銅メダル | |
世界ジュニア選手権 | 女子団体:銅メダル | |
2015年 | 世界選手権蘇州大会 | 混合ダブルス:銅メダル |
アジア選手権 | 女子団体:銅メダル | |
2017年 | カタールオープン | U21シングルス:優勝 |
世界選手権デュッセルドルフ大会 | 混合ダブルス:銅メダル | |
アジア選手権 | 女子団体:銅メダル | |
2018年 | ジャカルタアジア競技大会 | 女子団体:銅メダル |
グランドファイナル | 混合ダブルス:優勝 | |
チームワールドカップ | 女子団体:ベスト4 | |
世界選手権ハルムスタッド大会 | 女子団体:銅メダル | |
2019年 | 世界選手権ブダペスト大会 | 女子シングルス:ベスト8 |
アジア選手権 | 混合ダブルス:銅メダル | |
グランドファイナル | 混合ダブルス:ベスト4 | |
2021年 | 東京五輪 | 女子団体:銅メダル |
アジア選手権 | 女子ダブルス:銀メダル、混合ダブルス:銅メダル、女子団体:銅メダル |
まとめ
混合ダブルスだけでなく、近年シングルスの成績も残している杜凱琹。混合ダブルスではグランドファイナルや世界選手権でも好成績を挙げており、東京五輪で金メダルを狙う日本ペアの強力なライバルとなるのは間違いないです。
鉄壁のバックハンドとクレバーさをもっている杜凱琹が、Tリーグを含めどこまで活躍していくのかに注目が集まります。