今回は、2019年の世界選手権ブダペスト大会で自身初の決勝の舞台に上り、世界王者である馬龍（マロン・中国）との激闘を演じたマティアス・ファルク（スウェーデン）について紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても見ていきます。

マティアス・ファルクとは？

マティアス・ファルクは2019年の世界選手権で決勝戦まで進出し、世界王者の馬龍と死闘を演じたことで一躍有名になり、以後急速な勢いで実績を積み重ねて世界のトップ選手にまで上り詰めたスウェーデンの選手です。

また、ファルクは2018年に結婚して性が変わりましたが、旧姓はカールソンでした。そのため、ダブルスのパートナーであるクリスティアン・カールソン（スウェーデン）と兄弟と思われることが多いですが、兄弟でも親戚でもありません。

マティアス・ファルクのプロフィール

マティアス・ファルクは1991年9月7日生まれの31歳（2023年4月現在）で、スウェーデンの出身です。卓球選手だった父親の影響で7歳のころに卓球を始めました。13歳のころにコーチのすすめで、現在のファルクの代名詞とも言える表ソフトラバーをフォア面に貼ると、徐々に頭角を現し始めました。

2012年にはクリスティアン・カールソンとのダブルスでヨーロッパ選手権で銀メダルを獲得すると、以降もカールソンとのダブルスで数々の大会で表彰台に上るようになります。

ファルクはダブルスだけでなく、シングルスでも強さを見せるようになります。2016年にはスウェーデンオープンで準優勝を飾ると、2018年には地元開催となった世界選手権団体戦で銅メダルを獲得します。

写真：マティアス・ファルク（スウェーデン）/提供：ittfworld

そして、翌年の2019年に開催された世界選手権ブダペスト大会では、李尚洙（イサンス・韓国）、シモン・ゴジ（フランス）、安宰賢（アンジェヒョン・韓国）といった強敵を次々と撃破。スウェーデン人選手としては1997年大会のヤン＝オベ・ワルドナー以来22年ぶり、ヨーロッパ勢としては2003年パリ大会のヴェルナー・シュラガー（オーストリア）以来16年ぶりとなる決勝進出を果たしました。

決勝では五輪王者の馬龍に敗れたものの熱戦を繰り広げ、世界中に鮮烈な印象を残しました。

写真：クリスチャン・カールソンとマティアス・ファルク（スウェーデン）/撮影：ラリーズ編集部

その後は新型コロナウイルスの流行で国際大会が消滅したこともあり、大きな活躍ができていませんでしたが、2021年の世界選手権ではカールソンとの男子ダブルスで見事金メダルを獲得しました。

マティアス・ファルクのプレースタイル

ファルクの戦型は、右シェーク表裏前陣速攻型です。長身を生かした強力な両ハンド攻撃と、フォア面に貼った表ソフトラバーから繰り出されるスマッシュを武器に相手を圧倒します。

特にバックハンドは彼の最大の武器であり、その威力や安定感は世界でもトップクラスです。通常、フォア表の選手の弱点となりやすいバックハンドですが、ファルクの場合はそのバックハンドを世界のトップレベルまで極めることで自らの弱点を克服していると言えます。

そして、なんといってもファルクと言えばそのフォア面に貼った表ソフトラバーが特徴的です。

表ソフトラバーとは表面が低い粒に覆われたラバーのことを言います。通常の裏ソフトラバーに比べると非常に球離れが早く、相手の球の回転の影響をほとんど受けずに強力なスマッシュを打つことができます。その一方で、自分から回転をかけることも難しいので、扱いが難しく、近年の回転が重視される卓球界では使用者が減っている珍しいラバーです。

ファルクは世界でも屈指のフォア表プレイヤーで、トップ選手の中では非常に希少な戦型の選手です。

ファルクは相手のドライブを前陣でフォアスマッシュする戦術を多用します。表ソフトラバーから放たれる彼のスマッシュはナックル性の球になっていて返球することは容易ではありません。

マティアス・ファルクの使用用具

マティアス・ファルクはヤサカの契約選手で、ラケットはヤサカの『馬琳ソフトカーボン』、ラバーはフォア面が『ラクザPO』、バック面が『ラクザX』を使用しているようです。

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マティアス・ファルクの世界ランキング

マティアス・ファルクの世界ランキングは28位（2023年4月時点）で、最高ランキングは7位（2019年8月）です。

マティアス・ファルクの主な戦績

まとめ

ワールドツアーや世界選手権でも世界のトップ選手として活躍するスウェーデンのエース、ファルク。その特異な戦型ですでに日本の強力なライバルになりつつあります。来年の東京オリンピックでどんな活躍を見せてくれるのか、今後の彼の活躍から目が離せません。

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