文:ラリーズ編集部
今回は、Tリーグや全日本選手権、国際大会など、国内外で数々の好成績を残している平野美宇(木下グループ)を紹介します。
プロフィール、プレースタイル、使用用具などの基本的な情報から世界ランキングを上げる要因にもなっている国際大会での戦績についても触れます。
黄金世代の1人として注目され、日本を代表する選手として進化し続けている平野美宇。そんな平野美宇のプロフィールを見ていきましょう。
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このページの目次
平野美宇とは
平野美宇は伊藤美誠や早田ひなと同世代の女子卓球黄金世代の1人で、2017、2019年の世界卓球選手権日本代表に選ばれるなど、現在の日本の女子卓球界を牽引している選手です。
他にも数々の大会で好成績を残している平野美宇のプロフィールを見ていきましょう。
プロフィール
平野美宇(ひらのみう)は2000年4月14日生まれの年齢は22歳(2023年1月時点)で、山梨県中央市出身です。
4歳のとき、全日本選手権バンビの部に出場してから、数々の最年少記録を更新し、幼少期から注目されていました。
写真:伊藤美誠・平野美宇/撮影:YUTAKA/アフロスポーツ
中学校は東京都北区立稲付中学校に進学すると同時に、JOCエリートアカデミーに入校しました。全日本選手権ではジュニアの部で2014年準優勝、2015年には一般の部でシングルスベスト8に入るなどの結果を残しました。
また、国際大会でもシングルスでは2014年のスペインオープンで準優勝、ダブルスでも伊藤美誠とペアを組み、数々の大会で優勝を果たしてきました。2014年のドイツオープンの女子ダブルスでは伊藤美誠と当時最年少優勝を果たし、一躍話題となりました。
高校は大原学園高等学校に進み、引き続きJOCエリートアカデミーに所属しました。平野は2016年のリオ五輪日本代表を目指していましたが、一歩届かず落選していまいました。
写真:平野美宇(日本生命)/提供:ittfworld
しかし、その悔しさをバネに、同年の女子ワールドカップでは優勝、2017年の全日本選手権では石川佳純に勝利し、当時最年少優勝を果たしました。アジア選手権ではリオ五輪で金メダルを獲得した丁寧を含む中国勢に勝利し優勝するなど大きく飛躍しました。
また、補欠という悔しさを味わったリオ五輪後に立てた「世界ランキングトップ5位入り」「世界ランキング日本人トップ」という目標を2017年7月に同時に達成しています。
高校卒業後は大学には進学せず、「強い人間にならないといけない」と考え、プロになることを決意。日本生命に所属することになりました。Tリーグには日本生命レッドエルフの一員として参戦し、2018年度のTリーグでは、見事日本生命レッドエルフの初代王者に貢献しました。
2019年には、東京五輪シングルス出場をかけて熾烈な戦いを繰り広げ、惜しくもシングル代表の座を逃したものの、団体戦メンバーに選出されました。
2020年には東京五輪が開催される予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期。もどかしい時間を過ごしながらも、2021年の開催に向けて着実に準備を重ねていきます。
そして、2021年には東京五輪が開催。悲願の五輪初出場を果たし、団体戦メンバーとして貴重な勝ち星を挙げ、日本女子の銀メダル獲得に貢献しました。
2022年4月には4年間在籍した日本生命を退社。名門・木下グループへの所属を発表し、大きな話題となりました。Tリーグも日本生命レッドエルフから木下アビエル神奈川へと移籍を果たしました。
また、この年から、2024年のパリ五輪代表国内選考会がスタートしました。第1回、第2回では思うような成績を残せなかった平野ですが、第3回となった船橋大会では決勝で早田ひな(日本生命)を下し、念願の初優勝を達成。現時点(2022年12月現在)で、ポイントランキング3位につけています。
平野美宇のSNS
平野美宇のプレースタイル
平野美宇の戦型は右シェークドライブ型で、攻撃的な強打で仕掛ける超攻撃型の速い卓球が持ち味です。
以前は安定したラリー型のプレースタイルでしたが、2016年リオ五輪日本代表に落ちたことをきっかけに、格上の選手に勝つためには守ってばかりの卓球ではだめだとプレースタイルを変更しました。そこから下半身のウェイトトレーニングや体幹トレーニングを増やし、打点の早い超高速卓球のプレースタイルに変化を遂げました。
平野美宇の使用用具
平野美宇のラケットは、バタフライの「ビスカリア」、ラバーはフォアがバタフライの「テナジー05ハード」、バックにバタフライの「テナジー05」を使用しているようです。
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平野美宇の世界ランキング
平野美宇の世界ランキングは2015年3月時点で51位だったものの、国際大会で好成績を残すようになると、同年12月には16位、そこからも徐々にランキングを上げていき、2017年7月には自己最高位で、当時日本女子世界ランキングトップである5位になりました。
2019年7月時点では世界ランキング9位と、2017年5月の8位から約2年間トップ10入りを守り続けました。現在の世界ランキングは、22位(2022年12月時点)となっています。
平野美宇の国内大会での主な戦績
2014年 | 全日本選手権 | ジュニア女子シングルス:準優勝 |
2015年 | 全日本選手権 | ジュニア女子シングルス:ベスト4、女子シングルス:ベスト8 |
2016年 | 全日本選手権 | ジュニア女子シングルス:ベスト4、女子シングルス:準優勝 |
2017年 | 全日本選手権 | 女子シングルス:優勝 |
2018年 | 全日本選手権 | 女子シングルス:準優勝 |
2019年 | 全日本選手権 | 女子シングルス:ベスト32 |
2020年 | 全日本選手権 | 女子シングルス:ベスト16 |
2021年 | 全日本選手権 | 女子シングルス:ベスト16 |
2022年 | TOP32船橋大会 | 女子シングルス:優勝 |
平野美宇の国際大会での主な戦績
2014年 | ドイツオープン | 女子ダブルス:優勝 |
スペインオープン | 女子シングルス:準優勝、女子ダブルス:優勝 | |
2015年 | 韓国オープン | 女子ダブルス:優勝 |
グランドファイナル | 女子ダブルス:準優勝 | |
2016年 | ポーランドオープン | 女子シングルス:優勝 |
グランドファイナル | 女子シングルス:ベスト4 | |
2017年 | ドイツオープン | 女子ダブルス:優勝 |
世界選手権デュッセルドルフ大会 | 女子シングルス:ベスト4 | |
2018年 | ユースオリンピック競技大会 | 女子シングルス:準優勝 |
世界選手権ハルムスタッド大会 | 女子団体:準優勝 | |
世界選手権ハルムスタッド大会 | 女子団体:準優勝 | |
2019年 | ノースアメリカンオープン | 女子シングルス:準優勝 |
2020年 | ハンガリーオープン | 女子ダブルス:優勝 |
2021年 | WTTコンテンダードーハ | 女子ダブルス:優勝 |
東京五輪 | 女子団体:銀メダル | |
世界選手権ヒューストン大会 | 女子シングルス:ベスト16 | |
2022年 | WTTフィーダーオトーチェッツ | 女子シングルス:優勝 |
2022年 | WTTコンテンダーアルマトイ | 女子ダブルス:優勝 |
まとめ
日本を代表する選手として活躍し続けている平野美宇。リオ五輪で補欠として悔しい思いをした彼女は、自国開催である東京五輪で日本代表選手として、悲願の表彰台に上がりました。そんな平野美宇のこれからの活躍が楽しみでなりません。