文:ラリーズ編集部
今回は、Tリーグ・岡山リベッツに所属した経歴を持つ、韓国の次世代エースとの呼び声も高い林鐘勲(イムジョンフン・韓国)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
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林鐘勲とは?
林鐘勲は、U21の部で国際大会優勝を飾ることが多く、韓国次世代のエースと呼ばれています。一般の部でも近年はダブルスで優勝を積み重ねるなど、着実に上げてきた実力を評価されている選手です。現在右利きの選手が多くを占める韓国男子代表の中で貴重な左利きとのことで、シングルスとダブルスの両方で活躍が期待できる選手と言えます。
Tリーグ1stシーズンに岡山リベッツのメンバーとして参戦し、吉村真晴や世界各国のトップ選手に勝利した実績もあります。
プロフィール
林鐘勲は、1997年1月21日生まれの23歳(2020年4月時点)です。韓国出身で、かつてTリーグ・岡山リベッツに所属した経歴があります。1stシーズンに参戦し、2019年の全中運動会を制した、当時木下マイスター東京所属の侯英超(ホウエイチョウ・中国)に3-0で勝利するなど、実力は世界トップレベルです。
また、韓国代表としても韓国オープンU21男子シングルスの部を2連覇、張禹珍(チャンウジン・韓国)と組んだダブルスでも優勝を重ね、2018年のグランドファイナルを制しています。
プレースタイル
林鐘勲の戦型は左シェーク裏裏の攻撃型で、前陣での高速の両ハンドドライブが特徴です。特にバックハンドドライブは威力も充分でありながらコース取りも上手く、現代の高速卓球に合った戦型をしています。
プラスチックボールに変わってから男子卓球にも変化が現れてきました。それまではスピードで圧倒できた選手が軒並み勝てなくなり、回転の強さや変化によって点を取る選手が台頭してきました。2019年の世界選手権男子シングルスで準優勝したマティアス・ファルク(スウェーデン)は右シェークのフォア表速攻型ですが、表ソフトの回転の変化で相手を圧倒して決勝まで上ってきた選手です。このようにプラスチックボールになったことで戦いやすくなった選手もいます。
また、ボールが以前よりも飛ばなくなったため、前中陣で両ハンドを振る選手が増えてきました。それまでフォアハンドに重きを置いていた馬龍(マロン・中国)や許昕(シュシン・中国)らもバックハンドでの攻撃を多用するようになってきました。
林鐘勲の戦型は、日本では木造勇人(愛知工業大)や宇田幸矢(明治大)と近い戦型で、若い選手の間では主流となりつつある型ともいえます。
使用用具
林鐘勲はBUTTERFLYの契約選手で、ラケットは「ビスカリア」、ラバーは両面に最新作の「ディグニクス09c」を使用しています。BUTTERFLYのアウターALCのラケットを使用しているトップ選手は多いです。中でも「ビスカリア」と「ティモボルALC」はBUTTERFLYで長年愛されてきたラケットでもありその高性能ぶりは保証されています。
「ビスカリア」の使い手としては、世界選手権、五輪、ワールドカップの3大タイトルを最速で獲得した張継科(チャンジーカ・中国)やクロアチアの主砲、アンドレイ・ガチーナ(クロアチア)、日本では平野友樹(協和キリン)や篠塚大登(愛工大名電高)が有名です。
世界ランキング
林鐘勲の世界ランキングは52位(2020年3月時点)です。ここ数年で2桁ランク上位に上がってきましたが、昨年はポイントの入る大会への出場が少なかったため、やや下降傾向があります。最高ランクは2019年5月の16位です。このほか、U21のランキングでは1位になった経歴があります。
国際大会での主な成績
2014年 | 韓国オープン | U21男子シングルスベスト4 |
2016年 | ハンガリーオープン | U21男子シングルス優勝 |
韓国オープン | U21男子シングルス優勝 | |
2017年 | ジャパンオープン | U21男子シングルス優勝 |
韓国オープン | U21男子シングルス優勝 | |
2018年 | 韓国オープン | 男子ダブルス優勝 |
ポーランドオープン | 男子シングルス優勝 | |
グランドファイナル | 男子ダブルス優勝 | |
世界選手権 | 男子団体3位 | |
2019年 | 香港オープン | 男子ダブルス準優勝 |
まとめ
韓国の次世代を担う高速卓球のサウスポーが、国際大会でどのようなプレーを見せるのか。今後の彼の活躍に注目です。