文:ラリーズ編集部
今回は、世界選手権の銅メダリストで、2011年にはヨーロッパトップ12の王者となったカリニコス・クレアンガを紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
このページの目次
カリニコス・クレアンガとは?
カリニコス・クレアンガは、2003年の世界選手権で銅メダルを獲得、ワールドカップでも2度の準優勝の経験を持つ、欧州を代表するレジェンド選手の1人です。50歳を超えてもなお、国際大会で活躍しています。
カリニコス・クレアンガのプロフィール
写真:カリニコス・クレアンガ(ギリシャ)/提供:ITTFworld
カリニコス・クレアンガは1972年3月8日生まれの51歳(2023年10月時点)で、ルーマニアのビストリツァ出身です。
16歳まではルーマニアの代表として活躍していましたが、ルーマニアの内政事情により、16歳でギリシャに亡命。当時はカリン・クレアンガという名前でしたが、ギリシャ語で「カリン」は女性を意味するため、「カリニコス」に改名しました。
1990年前後から国際大会で頭角を現すようになると、2002年にはジャパンオープンで優勝、ヨーロッパ選手権でも準優勝と世界トップへの道を歩み始めました。
翌2003年には世界選手権で第3位、男子ワールドカップでも準優勝と輝かしい功績を残しています。2004年、2005年でも国際大会で上位入賞するなど、着実に世界のトップの仲間入りを果たしていました。2011年にヨーロッパトップ12で優勝を飾った時には、既に30代後半でベテランの域に入ってきていました。
その後も、ギリシャ代表として世界選手権をはじめ国際大会に出場しています。2022年には、50歳ながらWTTフィーダーフォートローダーデール大会に出場し卓球ファンの注目を集めました。
カリニコス・クレアンガのプレースタイル
カリニコス・クレアンガの戦型は右シェーク裏裏の攻撃型で、豪快なスイングから放たれる両ハンドのドライブが特徴的です。
前腕を力強く振って繰り出すバックハンドドライブは、卓球ファンの中でも印象的な特徴です。一度振り回し始めると、そのラリーが終わるまでひたすら両ハンドを振りぬくことができる体力の持ち主でもあります。フットワークもあるため、一度振り始めると相手からしたら厄介な相手です。
また、クレアンガは早い打点でのフォアハンド攻撃も持ち味の一つです。相手の攻撃に対して、前陣で早い打点からカウンターを決めることができます。フォアハンドのフォームも独特で、ドライブ時には巻いて打つような形で、横回転のかかったドライブを放つこともあります。インパクトの強さも世界屈指で、ラバーとラケットの最大限のパフォーマンスを引き出せる選手の一人です。
サービスやブロックにも定評があり、総合的に能力が高い選手ですが、基本は中陣でラリー戦を繰り広げています。
カリニコス・クレアンガの使用用具
カリニコス・クレアンガはバタフライの契約選手で、ラケットは『ビスカリア』、ラバーは両面に『ディグニクス64』を使用しています。インパクトが強い選手のため、『ビスカリア』の持つALCの弾みと『ディグニクス64』のスピードを最大限まで活かすことができます。
>>【卓球】ビスカリアの性能を徹底レビュー 世界トップ選手からも愛されるバタフライの名作ラケット
>>【卓球】ディグニクス64の性能を徹底レビュー 圧倒的スピード性能の秘密に迫る
カリニコス・クレアンガの世界ランキング
カリニコス・クレアンガの世界ランキングは498位(2023年10月時点)で、最高ランキングは7位(2004年2月)です。2010年までは、世界ランキング20位以上と名実ともに世界トップ選手の1人として卓球ファンからの人気も博していました。
近年では1000位台までランキングが落ちましたが、2022年にWTTの大会に出場したことにより、一気にランキングが400位台まで上昇しました。
カリニコス・クレアンガの主な成績
1988年 | ヨーロッパ選手権 | 混合ダブルス:銅メダル |
1991年 | 世界選手権千葉大会 | 混合ダブルス:銅メダル |
1992年 | ヨーロッパ選手権 | 混合ダブルス:金メダル |
1994年 | ヨーロッパ選手権 | 男子ダブルス:金メダル、混合ダブルス:銀メダル |
1996年 | ヨーロッパ選手権 | 男子ダブルス:銅メダル、混合ダブルス:銀メダル |
1998年 | ヨーロッパ選手権 | 男子ダブルス:銀メダル |
2000年 | ヨーロッパ選手権 | 男子ダブルス:銀メダル |
2001年 | 世界選手権千葉大会 | 混合ダブルス:銅メダル |
2002年 | ジャパンオープン | 男子シングルス:優勝 |
ドイツオープン | 男子シングルス:ベスト4 | |
ヨーロッパ選手権 | 男子シングルス:銀メダル | |
グランドファイナル | 男子シングルス:準優勝 | |
2003年 | 世界選手権パリ大会 | 男子シングルス:銅メダル |
ワールドカップ | 男子シングルス:準優勝 | |
2004年 | チリオープン | 男子シングルス:優勝 |
サンクトペテルブルクオープン | 男子シングルス:優勝 | |
ワールドカップ | 男子シングルス:準優勝 | |
2005年 | サンクトペテルブルクオープン | 男子シングルス:準優勝 |
ヨーロッパ選手権 | 男子シングルス:銅メダル、男子ダブルス:銀メダル | |
北京五輪 | 男子シングルス:ベスト16 | |
2010年 | ヨーロッパトップ12 | 男子シングルス:ベスト4 |
2011年 | ヨーロッパトップ12 | 男子シングルス:優勝 |
2022年 | WTTフォートローダーデール | 男子シングルス:ベスト32 |
まとめ
50歳を超えてもなお、豪快に両ハンドを振りぬき続けるレジェンドが、若手を脅かす存在として立ちはだかり続けるか。今後の彼の活躍に期待がかかります。