卓球選手紹介 元世界ランキング第一位!李暁霞選手とは?
2017.07.31
文:ラリーズ編集部
文:ラリーズ編集部
卓球王国・中国においても指折りの実力を持っていた李暁霞選手は、去るリオデジャネイロ五輪での団体女子優勝を最後に、現役を引退しました。世界ランキング第一位の座を獲得したこともある李暁霞選手は、どのような選手だったのでしょうか。ここでは、李暁霞選手のプレースタイルや戦績についてご紹介します。
李暁霞選手はどのような実力を持っていたか
李暁霞(リ・シャオシア/Li Xiaoxia)選手は、2016年まで活躍していた中国の卓球選手です。2008年11月には世界ランキング第一位に輝いており、引退してもなお中国を代表する選手のひとりだといえます。
李暁霞選手は174cmと長身で、体格を生かしたパワーで知られています。リオデジャネイロ五輪のシングルス準決勝戦で対戦した福原愛選手とは、18cmもの身長差があります。戦型は、右シェーク両面裏ソフトドライブ型です。
勝負をかけるべきところで消極的になり、チャンスを逃してしまう傾向があった李暁霞選手ですが、ロンドン五輪のころには訪れたチャンスをものにして見事シングルス優勝しています。そんな李暁霞選手のプレースタイルで特徴的といえるのが、長身から繰り出される強烈なフォアのパワードライブです。歴代の女子選手と比べてみてもトップレベルのパワーで、前陣におけるシュートドライブにも定評があります。両サイドへの揺さぶりにも崩されないボディバランスと甘く入ったボールを逃さない集中力を持ち、サーブからの3球目攻撃やレシーブであっても、強烈な一発で相手の手元を打ち抜きます。
このようなプレースタイルで数々の国際大会においてすばらしい戦績を積み、世界ランキング第1位にまで上りつめた李暁霞選手が引退を表明したのは、リオデジャネイロ五輪で中国女子の団体優勝が決定した後のことでした。それまでも引退を示唆していた李暁霞選手は、シングルス優勝をしたロンドン五輪からリオデジャネイロ五輪の間、ケガに苦しんでいたそうです。「リオデジャネイロ五輪に出られただけでも感謝」と語った李暁霞選手ですが、女子団体の優勝に貢献し、シングルスでも準優勝という輝かしい成績を叩き出しました。この上ない形で、競技人生に区切りをつけたといえます。
シルバーコレクターから三冠へ。李暁霞選手の戦績
李暁霞選手は、これまでどのような戦績を築いてきたのでしょうか。
初めて李暁霞選手が注目されたのは、2002年に行われた全中国選手権でした。この年、当時の主力選手は出場していなかったものの、14歳という若さでこの大会を制覇しています。その後も着実に国際大会での上位入賞を重ね、2008年、卓球の三大大会のひとつであるワールドカップにて優勝を勝ち取りました。
しかし、2007年の世界卓球選手権 ザグレブ大会ではシングルス準優勝、2007年と2009年のアジア選手権で準優勝、2007年と2011年の世界選手権で準優勝など、トップになりきれない「シルバーコレクター」といえそうな時期が続いたこともありました。
三大大会の中でも4年に一度しか開催されないオリンピックで優勝したのは、2012年のロンドン五輪でのことでした。翌年の2013年には世界選手権でも優勝し、三大大会のシングルスを制覇しています。
日本を代表する卓球選手である福原愛選手と李暁霞選手の対戦成績を、ここでご紹介します。
何度も国際大会に出場している両者の対戦成績は、1:9で福原愛選手の負け越し。この成績からも、李暁霞選手の比類なき強さが伺い知れます。
福原愛選手と李暁霞選手が最後に対戦したのは、リオデジャネイロ五輪でのことでした。準決勝戦まで上がってきた福原愛選手は、これまでの全対戦相手をストレートで沈めるという好調ぶりでしたが、李暁霞選手にはストレート負けを喫しています。
李暁霞選手は決勝戦へ進出し、同じ中国代表の丁寧選手と対戦しました。この決勝カードはロンドン五輪と同じであり、ロンドン五輪では丁寧選手に勝利して金メダルを獲得しています。リオデジャネイロ五輪の決勝では壮絶なラリーを繰り広げ、ゲームオールにもつれ込む接戦の末、丁寧選手に破れました。
李暁霞選手は丁寧選手に祝福の言葉を贈った後、団体戦に臨みました。李暁霞選手は団体戦においても大きな貢献を果たし、中国女子代表チームはロンドン五輪に続いてリオデジャネイロ五輪でも優勝しています。
その他、ITTFワールドツアーやアジア競技大会などでも数々の優勝経験や入賞経験を持っています。李暁霞選手がいかに強く、中国だけでなく世界を代表する卓球選手であったかが分かります。
卓球の歴史に刻まれる強さ
世界ランキング第一位に輝いたこともある李暁霞選手は、世界に名を轟かす卓球選手のひとりでした。長身を生かしたパワーとリーチを武器に世界の強豪と戦い、五輪、世界選手権、ワールドカップという卓球の三大大会でシングルス優勝を勝ち取っています。このような圧倒的な戦績を持ちつつ、最後はリオデジャネイロ五輪での個人銀メダル・団体金メダルという栄誉で締めくくりました。今後も語り継がれる選手のひとりであることは間違いないといえそうです。