文:ラリーズ編集部
今回は、シンガポールの次世代を担う主力選手の1人である、リン・イエ(シンガポール)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
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リン・イエとは?
リン・イエは、U21女子シングルスの部において数々の国際大会で優勝した実績のある、シンガポールの次世代を担う選手です。ダブルスでは格上の選手に勝利するなど、“ダブルスの名手”の一面も持っています。男子選手に負けないパワーを活かした卓球で、U21の世界ランキング1桁に上るなど世界で活躍する選手へと成長しています。
プロフィール
リン・イエは、1996年2月1日生まれの24歳(2020年4月時点)です。シンガポール出身で、ハンガリーのクラブチーム、セクサルドに所属しヨーロッパチャンピオンズリーグに参戦していました。2016/2017シーズンはチームの準決勝進出に貢献していました。また、Tリーグ・トップおとめピンポンズ名古屋に所属し、2019/2020シーズンを戦い抜きました。
シンガポール代表としても国際大会に出場、U21女子シングルスでは数々のタイトルを獲得しています。特に于夢雨(ユモンユ・シンガポール)と組んだダブルスでは、陳夢(チェンムン)/丁寧(ディンニン・ともに中国)ペアや欧州のハン・イン/シャン・シャオナ(ともにドイツ)ペアに勝利した経歴があります。
プレースタイル
リン・イエの戦型は右シェーク裏裏の攻撃型で、中陣での安定した両ハンドのラリーを得意とします。つなぎのボールと決めに行くときのボールの緩急がついていて、なかなかミスが少ない選手です。
リン・イエは、女子選手の中では珍しいYGサービスの使い手で、威力の高いフォアハンドの攻撃につなげるため使うことが多いです。また、中陣でのラリーはもちろんのこと、ロビングも可能な選手で守備範囲がとても広いです。彼女の卓球は、決め球は素早く決め、失点するときには長いラリーに持って行って相手のスタミナを削るという賢い戦術を取ります。無論、ラリーで得点を重ねることもあります。
プラスチックボールになってから、女子選手も中陣から引き合いをするなど攻撃的な卓球をするようになりました。日本でも、伊藤美誠(スターツ)や平野美宇(日本生命)、早田ひな(日本生命)らが、男子選手とも互角に張り合えるほどの攻撃力をつけてきました。特に混合ダブルスでは男子選手の球を受けることもあるため、相応の攻撃力が求められるようになってきました。リン・イエもまたその1人です。
使用用具
リン・イエの使用用具は、ラケットがXIOMの「ICE CREAM」シリーズ、ラバーはフォア面に紅双喜の「キョウヒョウ3」の特注ブルースポンジ、バック面にXIOMの「オメガⅦ」シリーズを使用しているそうです。
「ICE CREAM」シリーズはXIOMのラケットで初の異素材同時搭載ラケットです。片方にアリレートカーボン、もう片方にゼフィリウムカーボンを搭載し、フォア面は片方の素材、バック面はもう片方の素材とすることでプレーヤーの好みに合わせた打ち方ができるようになっています。
世界ランキング
リン・イエの世界ランキングは59位(2020年4月時点)です。2013年から2桁ランクで安定し、一旦100位台にまで落ち込むも2018年には再び2桁ランクへ返り咲きました。またカデット、ジュニア、U21の最高ランクは1桁であり、幼いころから非凡な才能を発揮してきた選手です。
国際大会での主な成績
2013年 | ポーランドオープン | U21女子シングルス優勝 |
グランドファイナル | U21女子シングルス優勝 | |
2014年 | カタールオープン | U21女子シングルス準優勝 |
クウェートオープン | U21女子シングルスベスト4 | |
フィリピンオープン | U21女子シングルス優勝 | |
2015年 | クウェートオープン | U21女子シングルス準優勝 |
カタールオープン | U21女子シングルスベスト4 | |
チェコオープン | U21女子シングルス優勝 | |
ベルギーオープン | U21女子シングルス準優勝 | |
グランドファイナル | U21女子シングルス優勝 | |
2016年 | クロアチアオープン | U21女子シングルスベスト4 |
2017年 | ハンガリーオープン | U21女子シングルス準優勝 |
オーストラリアオープン | U21女子シングルスベスト4 | |
2020年 | 東南アジアゲーム | 女子シングルス優勝 |
まとめ
パワー卓球を武器にシンガポールを支える新星が国際大会で飛躍するか。今後の彼女の活躍に目が離せません。
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