文:ラリーズ編集部
今回は、世界選手権ダーバン大会女子ダブルスで銅メダルを獲得した長﨑美柚を紹介します。プロフィール、プレースタイル、使用用具などの基本的な情報から世界ランキングを上げる要因にもなっている国際大会での戦績についても触れます。
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このページの目次
長﨑美柚とは?
長﨑美柚は2019年6月に開催されたジャパンオープン萩村杯で、元世界ランキング1位の朱雨玲(当時世界ランキング4位)に高校生ながら勝利するという大金星を挙げたことで話題になりました。
また、木原美悠とのダブルスは「Wみゆう」の愛称でも知られており、2019年にはグランドファイナル準決勝で孫穎莎(スンイーシャ)/王曼昱(ワンマンユ・中国)ペア、決勝で田志希(チョンジヒ)/梁夏銀(ヤンハウン・韓国)ペアを撃破して優勝するなど、世界トップレベルの実力を持っています。。
長﨑美柚のプロフィール
長﨑美柚(ながさきみゆう)は2002年6月15日生まれの22歳(2024年7月時点)で、神奈川県海老名市出身です。祖父が神奈川大学の卓球部監督だったこともあり、5歳のときに岸田クラブで卓球を始めました。幼少期から好成績を残し、小学生時代には全日本ホカバで3度の優勝を果たしています。
中学は東京の稲付中学校に進学し、同時にJOCエリートアカデミーに入校。中学2年の2016年には全中(全国中学校体育大会)女子シングルス優勝、2017年の全日本選手権ジュニア女子シングルスで準優勝の成績を残しました。そして、2017年に出場した世界ジュニア選手権では、加藤美優との女子ダブルスで銅メダル、女子団体で銀メダルを獲得しました。
さらに中学3年生になっても長﨑の快進撃は止まらず、2017年の全中女子シングルスで準優勝。さらに、2018年の全日本選手権ジュニア女子シングルスでは、高校生がいる中で優勝を果たし、大きな注目を浴びました。
写真:長﨑美柚/撮影:ラリーズ編集部
高校は大原学園高等学校に進学し、JOCエリートアカデミーにも引き続き在籍。長﨑は高校生になると国際大会への出場も多くなり、2018年のスロベニアオープンでは女子ダブルス準優勝、U21女子シングルス準優勝を飾りました。そして、同年の世界選手権ハルムスタッド大会の日本代表にも選出され、出場機会はなかったものの、女子団体で銀メダルを獲得しました。
写真:長﨑美柚と木原美悠/提供:©T.LEAGUE
そして、同年に開幕したTリーグにも木下アビエル神奈川から参戦。シングルスで2勝、ダブルスで10勝を挙げ、プレーオフファイナル進出に貢献しました。
このように、国内外の大会で着実に成果を上げてきた長﨑は、2019年に大きな飛躍を遂げます。同年1月の全日本選手権で、張本智和との混合ダブルスで準優勝に輝くと、アジアジュニア選手権と世界ジュニア選手権で女子シングルスと女子ダブルス2種目で金メダルを獲得します。
写真:木原美悠(写真左)と長﨑美柚/撮影:ラリーズ編集部
さらに、木原美悠とのダブルスで3度のワールドツアー優勝に輝き、同年のグランドファイナルへの出場権を獲得すると、女子ダブルス準決勝で孫穎莎/王曼昱ペア、決勝で田志希/梁夏銀ペアを下して、見事優勝を飾りました。
写真:浜本由惟と長﨑美柚/撮影:ラリーズ編集部
高校最後の年となった2020年も更なる飛躍が期待されましたが、新型コロナウイルスの影響で国際大会への出場が難しくなり、国内中心の活動を余儀なくされます。それでも、同年の2020-2021シーズンのTリーグではシングルス9勝6敗、ダブルス14勝5敗と好成績を収め、チームのシーズン首位に貢献。浜本由惟とのダブルスはシーズンのベストペア賞を受賞しました。
写真:長﨑美柚/撮影:ラリーズ編集部
高校卒業後は2021年4月からは日本生命に所属し、Tリーグにも日本生命レッドエルフに移籍。シングルス10勝、ダブルス9勝を挙げ、チームの4連覇に大きく貢献しました。また、同年のアジア選手権にも日本代表として出場し、安藤みなみとの女子ダブルスで銅メダル、女子団体では日本代表47年ぶりの金メダルを獲得しました。
2022年3月には第1回パリ五輪代表国内選考会(TOP32東京大会)に参加しますが、この大会で長﨑は大きく輝きます。準々決勝で東京五輪代表の伊藤美誠に勝利すると、続く準優勝では佐藤瞳を撃破。決勝では早田ひなに惜敗するも、堂々の準優勝を果たします。
そして、2022年4月には日本生命を退社し、木下グループへ所属先を変更。Tリーグでは木下アビエル神奈川に復帰しました。
写真:世界選手権成都大会女子日本代表/提供:WTT
同年9月には世界選手権成都大会に出場し、世界選手権デビューを飾ります。決勝で中国に敗れたものの、銀メダル獲得に貢献しました。
写真:世界選手権ダーバン大会女子ダブルスで銅メダルを獲得した長﨑美柚(写真右)と木原美悠/提供:WTT
2023年には世界選手権ダーバン大会に出場。長﨑にとって、初の世界選手権個人戦となりましたが、木原美悠との女子ダブルスで銅メダルを獲得し、確かな結果を残しました。また、同年のアジア選手権では女子ダブルス銅メダル、女子団体銅メダル、杭州アジア競技大会では女子団体銀メダルを獲得し、日本代表としてコンスタントに成績を残せるようになりました。
長﨑美柚のSNS
無事日本に帰国しました🇯🇵
世界選手権ダーバン大会、女子ダブルスで
銅メダル🥉を獲得することができました。現地でサポートしてくださった日本選手団のみなさん、日本から熱い応援を送ってくださったみなさん、ありがとうございました😊
Wみゆうはまた金メダルを目指して頑張ります👭🏻🔥 pic.twitter.com/nypf3KR4qJ
— 長﨑 美柚 Nagasaki Miyuu (@nagasaki_miyuu) May 31, 2023
公式HP
長﨑美柚のプレースタイル
長﨑美柚の戦型は左シェーク裏裏ドライブ型で、160cmの恵まれた体格と強いフィジカル、長いリーチを活かした両ハンドドライブが武器。チキータの技術も高く、ボールにも威力があり、高い攻撃力を備えたオールラウンダーとして将来を期待されています。
長﨑美柚の使用用具
長﨑美柚は、ラケットはバタフライの『インナーフォースレイヤーALC』、ラバーは両面にバタフライの『テナジー05』を使用しているようです。
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長﨑美柚の世界ランキング
長﨑美柚の世界ランキングは24位(2024年7月時点)で、最高ランキングは22位(2024年6月)です。
長﨑美柚の国内大会での主な戦績
2010年 | 全日本選手権(バンビの部) | 女子シングルス:優勝 |
2012年 | 全日本選手権(カブの部) | 女子シングルス:優勝 |
2013年 | 全日本選手権(ホープスの部) | 女子シングルス:準優勝 |
2014年 | 全日本選手権(ホープスの部) | 女子シングルス:優勝 |
全日本選手権(カデットの部) | 13歳以下女子シングルス:準優勝 | |
2016年 | 全日本選手権(カデットの部) | 14歳以下女子シングルス:優勝 |
全中 | 女子シングルス:優勝 | |
2017年 | 全日本選手権 | ジュニア女子シングルス:準優勝 |
全中 | 女子シングルス:準優勝 | |
2018年 | 全日本選手権 | ジュニア女子シングルス:優勝 |
2019年 | 全日本選手権 | 混合ダブルス:準優勝(ペア:張本智和)、ジュニア女子シングルス:3位 |
2020年 | 全日本選手権 | 女子ダブルス:3位(ペア:木原美悠)、混合ダブルス:準優勝(ペア:張本智和) |
2021年 | 全日本社会人選手権 | 女子シングルス:優勝 |
2022年 | 全日本選手権 | 女子シングルス:ベスト8 |
TOP32東京大会 | 女子シングルス:準優勝 | |
2023年 | 全日本選手権 | 女子シングルス:ベスト16 |
2024年 | 全日本選手権 | 女子シングルス:ベスト8、女子ダブルス:優勝(ペア:木原美悠) |
長﨑美柚の国際大会での主な戦績
2016年 | チェコジュニア&カデットオープン | U15女子シングルス:優勝 |
フランスジュニア&カデットオープン | U15女子シングルス:優勝 | |
スペインジュニア&カデットオープン | U18女子シングルス:優勝、U15女子シングルス:優勝 | |
香港ジュニア&カデットオープン | U15女子シングルス:優勝 | |
2017年 | 世界ジュニア選手権 | 女子ダブルス:銅メダル(ペア:加藤美優)、女子団体:銀メダル |
2018年 | スロベニアオープン | 女子ダブルス:準優勝(ペア:木原美悠)、U21女子シングルス:準優勝 |
世界選手権ハルムスタッド大会 | 女子団体:銀メダル | |
2019年 | アジアジュニア&カデット選手権 | 女子シングルス:金メダル、女子ダブルス:金メダル |
世界ジュニア選手権 | 女子シングルス:金メダル、女子ダブルス:金メダル(ペア:木原美悠)、女子団体:銀メダル | |
スロベニアオープン | 女子ダブルス:優勝(ペア:木原美悠)、U21女子シングルス:優勝 | |
ドイツオープン | 女子ダブルス:準優勝(ペア:木原美悠) | |
オーストリアオープン | 女子ダブルス:優勝(ペア:木原美悠) | |
クロアチアオープン | 女子ダブルス:優勝(ペア:木原美悠) | |
グランドファイナル | 女子ダブルス:優勝(ペア:木原美悠) | |
2020年 | カタールオープン | 女子ダブルス:準優勝(ペア:木原美悠) |
2021年 | アジア選手権 | 女子ダブルス:銅メダル(ペア:安藤みなみ)、女子団体:金メダル |
WTTスターコンテンダードーハⅡ | 女子ダブルス:優勝(ペア:安藤みなみ) | |
2022年 | WTTコンテンダーリマ | 女子シングルス:準優勝 |
WTTコンテンダーチュニス | 女子シングルス:ベスト4 | |
世界選手権成都大会 | 女子団体:銀メダル | |
2023年 | WTTスターコンテンダーバンコク | 女子シングルス:ベスト4、女子ダブルス:ベスト4(ペア:木原美悠) |
WTTスターコンテンダーゴア | 女子ダブルス:優勝(ペア:張本美和) | |
世界選手権ダーバン大会 | 女子ダブルス:銅メダル(ペア:木原美悠) | |
WTTコンテンダーチュニス | 女子シングルス:ベスト4、女子ダブルス:ベスト4(ペア:平野美宇) | |
WTTコンテンダーリマ | 女子ダブルス:ベスト4 | |
アジア選手権 | 女子ダブルス:銅メダル(ペア:木原美悠)、女子団体:銅メダル | |
杭州アジア競技大会 | 女子団体:銀メダル | |
WTTコンテンダーマスカット | 女子シングルス:ベスト4 | |
WTTファイナルズ名古屋 | 女子ダブルス:準優勝(ペア:木原美悠) | |
2024年 | WTTコンテンダーリオデジャネイロ | 女子シングルス:優勝 |
WTTコンテンダーメンドーサ | 女子ダブルス:優勝(ペア:森さくら)、混合ダブルス:優勝(ペア:田中佑汰) | |
WTTスターコンテンダーリュブリャナ | 女子ダブルス:優勝(ペア:木原美悠) | |
WTTコンテンダーチュニス | 女子シングルス:ベスト4 |
まとめ
幼少期からトップを走り続け、一般の部への参加という1つ上のステージに移っても、活躍し続けている長﨑美柚。そんな彼女のこれからの活躍が楽しみでなりません。
長﨑美柚以外の日本選手のプロフィールはこちら
男子選手
張本智和/宇田幸矢/丹羽孝希/及川瑞基/吉田雅己/木造勇人/森薗政崇/吉村和弘/吉村真晴/戸上隼輔/大島祐哉/上田仁/神巧也/松平健太/村松雄斗/松島輝空/英田理志/曽根翔/篠塚大登/吉山僚一/鈴木颯/田中佑汰/横谷晟/松下大星/龍崎東寅/松山祐季/田添健汰/有延大夢/高見真己/岸川聖也/田添響/町飛鳥/三部航平/谷垣佑真/濵田一輝/宮川昌大/柏竹琉/大矢英俊/郡山北斗/藤村友也/五十嵐史弥/野田颯太/渡部民人/吉山和希/松平賢二/高木和卓/萩原啓至/小西海偉/坪井勇磨/水谷隼/平野友樹
女子選手
木原美悠/伊藤美誠/早田ひな/平野美宇/佐藤瞳/加藤美優/小塩遥菜/安藤みなみ/張本美和/芝田沙季/橋本帆乃香/南波侑里香/森さくら/成本綾海/松平志穂/鈴木李茄/森薗美咲/塩見真希/大藤沙月/野村萌/森薗美月/皆川優香/相馬夢乃/木村香純/梅村優香/赤江夏星/出澤杏佳/麻生麗名/永尾尭子/横井咲桜/白山亜美/大川真実/面田采巳/杉田陽南/三村優果/枝廣瞳/鶴岡菜月/岡田琴菜/笹尾明日香/面手凛/小塩悠菜/平野早矢香/若宮三紗子/石川佳純/四元奈生美/打浪優/前田美優/石垣優香/谷岡あゆか/山本笙子/井林茉里奈