文:ラリーズ編集部
今回は、チキータの先駆者として知られるピーター・コルベル(チェコ)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
このページの目次
ピーター・コルベルとは?
ピーター・コルベルは、アトランタ五輪でベスト4、ヨーロッパでも上位入賞を続けてきた選手です。チキータと呼ばれる技術を一足先に実戦レベルに仕上げた先駆者のひとりでもあります。
ピーター・コルベルのプロフィール
ピーター・コルベルは1971年6月6日生まれの52歳(2023年11月時点)で、チェコのハビージョフ出身です。
1991年の世界選手権では男子団体の準々決勝で中国を破り3位入賞を果たします。その5年後である1996年のアトランタ五輪では、男子シングルスで準決勝に進出しベスト4に入りました。ヨーロッパ内でもトップレベルの実力を持つようになり、2000年にはヨーロッパ選手権で、翌2001年にはヨーロッパトップ12でそれぞれベスト4に入るほどとなっていました。
2003年にはデンマークオープンで男子シングルスベスト4、2004年には同じデンマークオープンで男子ダブルス優勝をつかみ取りました。その後も国際大会で上位進出を果たしますが、2016年ごろを境に国際大会への参加を見送るようになりました。
その後は、自身が設立したクラブチーム「Club TTC Ostrava 2016」に所属して、ヨーロッパ圏内を中心に試合に出場しています。
ピーター・コルベルは日本食が好みで、自身のプロフィールでもお気に入りの食べ物に鉄板焼きや焼き鳥、すき焼き等を挙げています。
ピーター・コルベルのプレースタイル
ピーター・コルベルの戦型は右シェーク裏裏の攻撃型で、威力もさることながらコースの打ち分けの正確な両ハンドと、当時では稀有な実戦レベルまで仕上げたチキータが特徴です。
コルベルのプレースタイルの中でも異彩を放っていたのがチキータ技術です。チキータは、相手のサービスに対してボールに横回転を加えるようにスイングして返す技術です。張継科(チャンジーカ・中国)が主軸としてこのチキータを使用し、以後現代卓球の必須技術と呼ばれるレベルまでに定着しました。
コルベルは張継科ほどチキータを多用しなかったものの、当時レシーブでツッツキやストップ、そしてフリックが常套手段として用いられる中で使用したことで、チキータの先駆者と呼ばれています。実際にチキータを使用した試合では、馬琳(マリン・中国)相手にフルゲームに及ぶ大接戦を繰り広げています。
また、コルベルはチキータ以外にも、両ハンドの精度が高い選手でもあります。フォアハンドは前陣では強烈なスイングをしつつ、中陣でも安定して相手コートに送り込む技術力を持っています。時折シュートドライブを使用して、ストレート方向へ打球を打ち分けることもあります。
バックハンドはどの立ち位置からでも一定以上の威力で返すことができるため、ラリーとなった場合にはバックハンドが決め手となることもあります。安定感もあるため、相手がブロックで対抗してもラリーで粘り勝つこともできます。
ピーター・コルベルの使用用具
ピーター・コルベルはバタフライの契約選手で、ラケットは自身が監修した『コルベル』、ラバーは両面に『テナジー80』を使用しているそうです。『コルベル』はバタフライの中でも最古参のラケットで、1995年に発売して以降、多くの卓球プレーヤーに愛されています。
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ピーター・コルベルの世界ランキング
2023年11月時点で、ピーター・コルベルは世界ランキングを持っていません。2016年以降は国際大会への参加がなく、国内およびヨーロッパでの試合に注力しています。最高ランキングは16位(2001年10月)です。
ピーター・コルベルの主な成績
1991年 | 世界選手権 | 男子団体:銅メダル |
1996年 | アトランタ五輪 | 男子シングルス:4位 |
2000年 | ヨーロッパ選手権 | 男子シングルス:銅メダル |
2001年 | ヨーロッパトップ12 | 男子シングルス:ベスト4 |
2003年 | デンマークオープン | 男子シングルス:ベスト4 |
2004年 | デンマークオープン | 男子ダブルス:優勝 |
2006年 | カタールオープン | 男子シングルス:ベスト4 |
2009年 | ポーランドオープン | 男子ダブルス:ベスト4 |
2009年 | ポーランドオープン | 男子ダブルス:ベスト4 |
まとめ
現代技術の先駆者としても知られるレジェンドが、今後チェコやヨーロッパを中心に卓球界でどのような動きを見せるのか。今後の彼の動向に注目です。