文:ラリーズ編集部
今回は、元世界1位、30年近くヨーロッパのトッププレーヤーとして活躍し続けるブラディミル・サムソノフ(ベラルーシ)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
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ブラディミル・サムソノフとは?
ブラディミル・サムソノフは、1990年代から世界のトップを30年近く走り続けているベテラン選手です。1997年に世界ランク1位を記録、その後ワールドカップも3度優勝するなど世界一を見てきました。40代に入ってもその実力は衰えることなく直近の世界選手権でも上回戦に進出しています。ティモ・ボル(ドイツ)とともに現代のヨーロッパのトップに立つ選手です。
プロフィール
ブラディミル・サムソノフは、1976年4月17日生まれの43歳(2020年3月時点)です。ベラルーシ出身で、7歳の頃から卓球を始めてジュニア時代にはソ連代表として活躍、ベラルーシ独立後はドイツ・ブンデスリーガのボルシア・デュッセルドルフに所属し実力を高めました。
現在はロシアのクラブチーム・オレンブルクに所属しヨーロッパチャンピオンズリーグを戦っています。2019/2020シーズンはチームのプレーオフ準決勝進出に、マルコス・フレイタス(ポルトガル)やドミトリ・オフチャロフ(ドイツ)らとともに貢献しています。
私生活では自身のInstagramに家族との仲睦まじい写真や、他国の選手とのオフショットが投稿されていて多くの卓球ファンを虜にしています。
プレースタイル
ブラディミル・サムソノフの戦型は右シェーク裏裏の攻撃型で、リーチの長さを活かした鋭い両ハンドドライブと強烈なカウンターが持ち味です。これに加えて、前陣でのブロックや中陣、後陣でのフィッシュ等の守備技術の精度も高く、まさに攻撃よし守備よしの選手と言えます。
サムソノフが多用するフィッシュとは、ロビングとは異なった技術です。ロビングはボールを高く上げて自分の体勢を整えるとともに高さを利用して相手の攻撃をしのぐ技術です。水谷隼(木下グループ)がこの名手として挙げられます。これに対してフィッシュはそのロビングよりも低めにボールを返球する技術です。フィッシュの高さはほとんどドライブと変わりませんが、ドライブのように強烈な回転をかけるのではなく相手の球威を利用してそのまま返す技術の為、その球質の差で相手のレシーブミスを誘いやすいです。
サムソノフは189cmという長身から、多少高いボールに対しても上からラケットを振ることができるためロビングよりフィッシュを多用する傾向があります。
使用用具
ブラディミル・サムソノフはTIBHARの契約選手で、ラケットは自身が監修した「VS Unlimited」で、ラバーは両面ともに「エボリューションMX-P」を使用しているそうです。
世界ランキング
ブラディミル・サムソノフの世界ランキングは27位(2020年3月時点)です。2001年から1桁ランクでトップを走りこの数年でも2桁ランク前半と未だ衰えない実力を持っています。自身最高位は1997年12月に1位になっています。
国際大会での主な成績
1999年 | ワールドカップ | 男子シングルス優勝 |
2001年 | ワールドカップ | 男子シングルス優勝 |
2008年 | ベラルーシオープン | 男子シングルス優勝 |
クウェートオープン | 男子シングルス優勝 | |
2009年 | ワールドカップ | 男子シングルス優勝 |
モロッコオープン | 男子シングルス優勝 | |
2010年 | モロッコオープン | 男子シングルス優勝 |
韓国オープン | 男子シングルス優勝 | |
ポーランドオープン | 男子シングルス優勝 | |
2011年 | モロッコオープン | 男子シングルス優勝 |
2014年 | ベラルーシオープン | 男子シングルス優勝 |
ベルギーオープン | 男子シングルス優勝 | |
2015年 | カタールオープン | 男子シングルス優勝 |
2017年 | ベラルーシオープン | 男子シングルス優勝 |
オーストラリアオープン | 男子シングルス優勝 | |
2018年 | ハンガリーオープン | 男子ダブルス優勝 |
まとめ
30年近く卓球界を引っ張ってきたヨーロッパの古豪が再び世界のトップに立つのか。今後の彼の活躍に目が離せません。
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