文:ラリーズ編集部
中国や韓国、日本とともにアジアを引っ張り、神童・林昀儒(リンユンジュ)を擁するチャイニーズタイペイ。若手の活躍もあり2019年ワールドカップ団体戦3位と世界の舞台で存在感を示している。今回はそんなアジアの強豪であるチャイニーズタイペイの強さのルーツに迫る。
このページの目次
チャイニーズタイペイの戦績
まずはチャイニーズタイペイの戦績を振り返ってみよう。世界選手権団体では2014年東京大会で初のメダルとなる銅メダルを獲得しており、ワールドカップ団体戦では2013年広州大会の銀メダルをはじめ、銅メダルを2枚獲得している。五輪でのメダル獲得はないものの、「アジア版五輪」とも言われるアジア競技大会では1998年~2018年の6大会で5枚の銅メダルを獲得しており、実力は十分だ。
個人戦では、2013年世界選手権パリ大会では荘智淵/陳建安ペアが中国ペアを連破し、優勝。チャイニーズタイペイに初の世界選手権タイトルをもたらした。現チームを引っ張る林昀儒がT2ダイヤモンド・マレーシアで優勝、ワールドカップ銅メダルと輝かしい成績を残しており、五輪のメダル候補でもある。
チャイニーズタイペイの英雄たち
ここではチャイニーズタイペイが誇るレジェンドと、現在のチームを支える選手たちをご紹介する。
荘智淵(チュアンチーユエン)
写真:荘智淵(チュアンチーユエン)/提供:ittfworld
まずはチャイニーズタイペイのエースとして長く活躍し、精神的支柱でもあった荘智淵だ。2002年の釜山で行われたアジア競技大会では準優勝、2004年のアテネ五輪ではベスト8に入った実力者で、世界ランキングも最高3位にまで上がった。30歳を過ぎる頃から両ハンドのドライブに再びキレが戻り始め、2012年ロンドン五輪では4位、2013年世界選手権パリ大会では陳建安と組んで優勝を果たした。
Tリーグ初年度から琉球アスティーダで活躍している。
陳建安(チェンジェンアン)
写真:陳建安(チェンジェンアン)/提供:ittfworld
続いては2013年世界選手権パリ大会でダブルスのタイトルを獲得した陳建安だ。2008年の第6回世界ジュニア卓球選手権ではシングルスで優勝し、注目を浴びた。2013年の優勝をはじめ、ダブルスに定評がある選手で2017年の世界選手権デュッセルドルフ大会では鄭怡静(チェンイージン)と組んで混合ダブルス準優勝に輝いている。
Tリーグ初年度の2018-2019年シーズンから琉球アスティーダの選手として参戦している。2018-2019年シーズンではサービスエースの数が101本と水谷隼に並んで1位となり、サービスの巧さが注目されている。
江宏傑(ジャンホンジェ)
写真:江宏傑(ジャンホンジェ)/提供:ittfworld
続いては福原愛の夫としても有名な江宏傑だ。荘智淵や陳建安と比較するとタイトルなどは獲得していないが、2016年のリオデジャネイロ五輪では3番目の選手として出場しており、チャイニーズタイペイを支えてきた選手であるのは間違いない。今シーズンは出場がないものの、荘智淵や陳建安とともに2018-2019年シーズンから琉球アスティーダに所属している
林昀儒(リンユンジュ)
写真:林昀儒(リンユンジュ)/提供:ittfworld
最後は彗星のごとく現れたチャイニーズタイペイの逸材、林昀儒だ。小さい頃からその才能を高く評価され、2012年の東アジアホープス卓球選手権の男子シングルスで優勝し、14歳で台湾代表入りを果たした。2019年は飛躍の年となり、ジャパンオープン準優勝やT2ダイヤモンド・マレーシア優勝、ワールドカップ3位と輝かしい成績を収め、世界トップクラスの選手に成長した。
2020年の東京五輪ではチャイニーズタイペイ初のメダルが期待される選手だ。岡山リベッツからTリーグに昨シーズンから参戦しており、今後日本でプレーする際には要注目だ。
東京五輪ライバル国特集はこちら
>>卓球帝国・中国男子 圧倒的王者の強さの理由
>>欧州の帝王・ドイツ男子 ボル、オフチャロフら強敵揃い
>>五輪金メダリスト2名輩出 アジアの虎・韓国男子の強さとは
>>古豪健在 卓球レジェンドを生んだ国・スウェーデン
チャイニーズタイペイ対日本 直近の対戦成績
2018年 世界選手権予選リーグ
○日本 3-0 チャイニーズタイペイ
○張本智和 3-1 荘智淵
4-11/11-7/14-12/11-8
○水谷隼 3-0 陳建安
11-9/11-6/11-5
○松平健太 3-1 林昀儒
11-6/11-13/11-7/11-4
2015年 アジア選手権準決勝
○日本 3-0 チャイニーズタイペイ
○大島祐哉 3-2 江宏傑
6-11/11-8/11-7/8-11/11-9
○吉村真晴 3-0 廖振珽
11-7/11-5/11-8
○丹羽孝希 3-1 王李中
11-4/11-5/11-8
2015年 ワールドチームカップリーグ戦
○日本 3-0 チャイニーズタイペイ
○村松雄斗 3-1 江宏傑
11-13/11-6/11-7/11-4
○森薗政崇 3-2 呉志祺
10-12/9-11/11-6/11-3/11-7
○大島祐哉/森薗政崇 3-0 黄聖盛/江宏傑
11-6/11-5/12-10