古豪健在 卓球レジェンドを生んだ国・スウェーデン|東京五輪ライバル国特集 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:2018年世界選手権でのスウェーデンチーム/提供:ittfworld

卓球選手紹介 古豪健在 卓球レジェンドを生んだ国・スウェーデン|東京五輪ライバル国特集

2020.01.10

文:ラリーズ編集部

かつてスター選手を何人も生み出し、中国と覇権を争ったスウェーデン。現在でもそのスピリットは受け継がれており、再び世界の舞台で存在感を示している。今回はそんな古豪スウェーデンの強さのルーツに迫る。

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スウェーデンの戦績

まずはスウェーデンの過去の成績をご紹介する。世界選手権団体では1983年から1995年まで7大会連続で決勝に進出しており、そのうち89年、91年、93年と3連覇を果たしている。また2000年にも優勝しており、2019年現在これが中国以外の国が優勝した最後の世界選手権となっている。

近年は表彰台からは遠ざかっていたが、2018年の世界選手権では地元開催で3位に入った。久々のメダル獲得で古豪健在を世界にアピールした。

個人戦でもステラン・ベンクソン、ヤン=オベ・ワルドナー、ヨルゲン・パーソンという3人の世界王者を輩出。さらに2019年にはマティアス・ファルクが8大会ぶりに中国以外の選手として決勝に進出し、世界に衝撃を与えた。

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スウェーデンのスターたち

ここではスウェーデンが誇るレジェンドと、現在のチームを支える選手たちをご紹介する。

ヤン=オベ・ワルドナー


写真:ヤン=オベ・ワルドナー/提供:ittfworld

スウェーデンを代表する選手といえば、やはりこのヤン=オベ・ワルドナーだろう。”卓球の神様”とも呼ばれており、天性のセンスでファンタスティックなプレーを数多く生み出し、世界を沸かせた。世界選手権では2度のシングルス優勝を含め、16枚のメダルを獲得。特に1997年マンチェスター大会では1ゲームも落とすことなく優勝するという偉業を成し遂げた。まさに卓球史に残るレジェンドと呼ぶべき存在だ。

マティアス・ファルク


写真:マティアス・ファルク/提供:ittfworld

続いては2019年大活躍のスター、マティアス・ファルクだ。フォア表という珍しい戦型で、正確なバックドライブと一撃必殺のフォアスマッシュが持ち味だ。2019年の世界選手権では前回3位の李尚洙(イサンス・韓国)、許昕(シュシン・中国)を破ったゴジ(フランス)らを下し、決勝進出を果たした。同年に日本の張本智和(木下グループ)や丹羽孝希(スヴェンソン)にも勝利しており、その実力は本物だ。東京五輪ではスウェーデンの主軸としてチームを引っ張っていくだろう。

クリスチャン・カールソン


写真:クリスチャン・カールソン/提供:ittfworld

続いてはサウスポーの強打者、クリスチャン・カールソンだ。2018年のヨーロッパ選手権でベスト4に入るなど、欧州のトップクラスに位置する選手だ。近年では水谷隼(木下グループ)や丹羽にも勝ち星を挙げている。前陣から繰り出される両ハンドのパワーボールでの攻撃的な卓球が特徴であり、左利きということもあってダブルスでも活躍している。

トルルス・モーレゴード


写真:トルルス・モーレゴード/提供:ittfworld

最後は気鋭の17歳、トルルス・モーレゴードだ。世界ジュニアでは2年連続で準優勝しており、ジュニア世代ではトップクラスの存在と言えるだろう。センスに溢れた多彩なプレーが特徴で、緩急の変化や巧みなコース取りで相手を翻弄する。また、T.T彩たまからTリーグセカンドシーズンにも参戦。デビュー戦では岡山の森薗政崇に対し勝利をあげた。今後日本でプレーを目にする機会も増えるだろう。

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スウェーデン躍進の陰にあった「ミスター卓球」の存在

スウェーデンが世界で台頭するようになった背景には、日本卓球界のレジェンド・荻村伊智朗の存在があった。スウェーデン卓球協会からのコーチの打診を引き受け、指導を開始し、荻村は基礎技術の練習に重きをおいた。荻村の指導を受け、ステラン・ベンクソンらはのちに世界タイトルをスウェーデンにもたらすこととなる。世界王者を生んだスタイルは現在も受け継がれている。再び世界の頂点に立つ日もそう遠くないかもしれない。

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