写真:得意なチキータレシーブをする王楚欽(ワンチューチン・中国)/提供:ittfworld
卓球選手紹介 王楚欽(ワンチューチン)の使用用具・大会成績・プロフィール
2020.02.28 文:ラリーズ編集部
今回は、中国次期エースとして期待されている王楚欽(ワンチューチン・中国)について紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、成績を残し始めている国際大会での戦績についても触れます。
2020年世界選手権のメンバーに期待の若手として選ばれた王楚欽。今回はそんな王楚欽のプロフィールを見ていきましょう。
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王楚欽とは?
王楚欽は卓球界を引っ張る2000年生まれの「黄金世代」の一人です。アジアジュニアでシングルス・混合ダブルスを制し、世界ジュニアのダブルスで優勝するなど輝かしい成績を残しています。
2019年には馬龍(マロン)と組んだ男子ダブルスで世界選手権を制し、スウェーデンオープンでツアー初優勝を果たしました。同年のオーストリアオープンにて同士討ちで「ラケット投げ事件」を起こし、国際大会の出場停止という罰を受けましたが、2019年の飛躍が評価され2020年世界選手権団体戦のメンバーに選ばれました。
プロフィール
王楚欽は、2000年5月11日生まれの20歳(2020年2月時点)。日本の張本智和やチャイニーズタイペイの林昀儒(リンユンジュ)と同じ世代の選手です。
2017年のアジアジュニアでシングルスと孫穎莎(スンイーシャ)と組んだ混合ダブルスで優勝、さらに世界ジュニアでは薜飛と組んだ男子ダブルスで優勝とダブルスで実績を積み重ねていきました。2018年にはユニバーシアードに孫穎莎とともに出場し、平野美宇・張本智和の日本を決勝で下し、シングルスでも張本智和に勝利し2冠を達成しました。
2019年の世界選手権個人戦では馬龍と組んだダブルスで、破竹の勢いで決勝まで進んだオビディウ・イオネスク・ロブレス(ルーマニア/スペイン)の国際ペアに勝ち優勝しました。また、スウェーデンオープンでは決勝進出3回目にして林高遠(リンガオユエン・中国)を下し初優勝にも輝きました。2019年の国際大会での戦績が評価され、2020年世界選手権団体戦のメンバーに登録されています。
2019年には日本のエース・張本智和に3連勝しており、林昀儒とともに長年張本のライバルとして立ちはだかるのは間違いないでしょう。
プレースタイル
王楚欽の戦型は、左シェーク裏裏ドライブ型です。3球目攻撃やチキータからの速攻など攻撃的なプレーが多い選手です。前陣でのカウンタープレーに加え、中陣でも同じ中国選手にも負けないラリー力も兼ね備えています。
バックハンドで決定球を打てるだけでなく、うまくストレートを突き得意のフォアハンドに繋げていく展開が良く見られます。フォアハンドでは回転量よりスピードに特徴があり、ブロック力が高い張本がサイドを抜かれる場面もあります。
サーブは下や横下回転を中心とした組立てを行い、サービスエースを取ることは少ないですが低く短いサーブで3球目攻撃へとつなげていきます。レシーブではチキータだけでなく、フォア・バック両方でストップやツッツキも使用します。
実績を残しているダブルスではミスの少ないサーブ・レシーブ技術に加え、バックハンドでのコースの打ち分けにより相手ペアの体勢を崩し味方の攻撃で点数を重ねていく展開が多いです。同じ黄金世代の孫穎莎との混合ダブルスは今後世界の頂点を狙うことが出来るほど強力です。
使用用具
王楚欽の使用ラケットはバタフライの木材5枚+アリレートカーボン2枚合板の「ビスカリア」で、ラバーはフォア面は紅双喜の「紅双喜 キョウヒョウ 3」、バック面はバタフライの「テナジー 05」を使用しているようです。
世界ランキング
王楚欽は2012年10月に514位でランキングに初めて登場します。その後ジュニア大会で実績を残し、2016年1月には147位と100位台になり、2017年12月には104位までランキングを上げました。
ランキング方式が変わった2018年1月には391位と大きく順位を落としますが、ワールドツアーのシングルスでの上位進出が目立った2019年には20位台から10位台へと大きくジャンプアップに成功しました。2020年2月時点では17位ですが、今後トップ10入りするのは間違いない実力を持っている選手です。
国際大会の主な戦績
2017年 | アジアジュニア選手権 | 団体優勝・シングルス優勝・混合ダブルス優勝(孫穎莎ペア) |
世界ジュニア選手権 | 団体優勝・シングルスベスト4・男子ダブルス優勝(薜飛ペア)・混合ダブルスベスト4(孫穎莎ペア) | |
2018年 | ハンガリーオープン | シングルス準優勝 |
ユースオリンピック | 団体優勝・シングルス優勝 | |
2019年 | ハンガリーオープン | シングルス準優勝 |
世界選手権ブタペスト大会 | 男子ダブルス優勝(馬龍ペア) | |
オーストラリアオープン | シングルス準優勝 | |
アジア卓球選手権 | シングルス5位・混合ダブルス準優勝(孫穎莎ペア) | |
スウェーデンオープン | シングルス優勝 |
まとめ
黄金世代の一人として、中国内でも期待されている王楚欽。馬龍や許昕といったベテラン選手の次を担う選手として日本のライバルになっていくのは間違いないでしょう。今まではダブルスの成績が目立ちましたが、2019年にはツアー初優勝を果たすなど2020年の飛躍に期待が高まります。