文:ラリーズ編集部
2010年の世界ジュニア選手権で日本の石川佳純に勝利し、優勝すると、2013年の世界選手権では銅メダルを獲得するなど幼少期から世界で活躍している朱雨玲(ジュユリン・中国)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、数多くのメダルを獲得している国際大会での戦績についても触れます。
2019年世界選手権のシングルス枠から落選したものの、アジアカップ3連覇、T2ダイヤモンド・マレーシア優勝など成績を残し続けている朱雨玲。今回は、そんな朱雨玲のプロフィールを見ていきましょう。
>>早田ひなを育てた石田卓球クラブ代表に聞く なぜ中国は卓球が強いのか?
朱雨玲とは?
朱雨玲は2010年の世界ジュニア選手権で日本の石川佳純に勝利し、優勝を果たしました。その後2012年の世界ジュニア選手権でも優勝しました。世界選手権では2013年のパリ大会ではシングルス3位、ダブルス3位、2015年の蘇州大会ではダブルス優勝、2017年のクアラルンプール大会ではシングルス準優勝、ダブルス準優勝と結果を残しています。その他の大会でもアジアカップ3連覇、T2ダイヤモンド・マレーシア大会で優勝をしており、世界ランキング1位にもなったことのある世界トップの実力者です。先日行われた女子ワールドカップでも準優勝と2019年好調をキープしている一人です。
幼少期から成績を残してきており、東京五輪の枠をかけた熾烈な国内争いをしている朱雨玲のプロフィールを見ていきましょう。
プロフィール
朱雨玲は、1995年1月10日生まれの24歳(2019年10月時点)。数多くのタイトルを獲得してきており、今後も活躍が期待される選手です。
5歳で卓球を始めると、7歳で地元のスポーツ施設で卓球を教えていた王強コーチの目に留まり、本格的に競技を開始。その2年後には早くも四川省のジュニアチームに入り、四川省女子チームの李永生監督の指導を受け、順調に実力を伸ばしてきた。2009年に14歳で全中国ジュニア選手権ベスト8、そして今年1月のジュニア選抜集合訓練で3位となり、国家2軍(ジュニア)チーム入りを果たした。そして、2010年のジャパンオープン萩村杯で日本の平野早矢香、福原愛など強豪を連破し準優勝、世界で注目を集めました。
同年の世界ジュニア選手権では優勝を果たすと、世界選手権ではシングルス、ダブルス、団体で多くのメダルを獲得してきました。若手の追随に押され、2019年世界選手権では代表落ちを経験し、ワールドツアーでも格下に負けてしまうなど成績が低迷していました。
しかしながら2019年のアジアカップではライバルの陳夢(チェンムン・中国)に勝利し、3連覇を達成。T2ダイヤモンド・マレーシアでも中国の次世代エースと期待されている王曼昱(ワンマンユ・中国)に勝利し優勝を果たすなど落選をバネに結果を残しています。
2017年には世界ランキング1位に輝き、現時点では3位と東京五輪の代表をかけ熾烈な国内争いを繰り広げています。
プレースタイル
朱雨玲の戦型は、右シェーク裏裏ドライブ型です。中国女子チームの中では小柄な選手ですが、強打で左右に振られても、何本でも返球して相手の焦りを誘い、要所で強打を決めて試合を優位に展開します。ポーカーフェイスで競った場面や劣勢の場面でも冷静に点数を重ねることができるメンタルの強さと戦術能力を持っています。
サーブはシンプルな横下回転や下回転を多用し、ミスの少ないバックやループドライブからラリーを展開する場面がみられます。レシーブでもフリックで上回転のラリーにするよりも、ストップやツッツキで相手に打たせてからの展開が得意と思われます。
一発で決めれる強いボールは少ないですが、ミスの少ない卓球をし、攻撃力のある中国女子選手と組むダブルスでは好成績を残しています
使用用具
朱雨玲の使用ラケットはSTIGAの木材5枚+カーボン2枚合板「カーボネード45」で、ラバーはフォア面は紅双喜の「キョウヒョウ NEO 3」、バック面はバタフライの「ロゼナ」を使用しているようです。
世界ランキング
朱雨玲の世界ランキングは2010年のジャパンオープン萩村杯の準優勝、アジアジュニア選手権優勝の結果で12月に行われた世界ジュニア出場時点では23位でした。その後、成績を残し続け2013年3月の世界ランキングでは8位とトップ10入りを果たしました。2017年の11月に初めて世界ランキング1位になると、2位になることもあるものの2018年12月まで1位をキープしていました。2019年10月の最新の世界ランキングでは3位となっています。
国際大会での主な戦績
2010年 | 世界ジュニア卓球選手権 | 団体準優勝、シングルス優勝、ダブルス優勝 |
2013年 | 世界選手権パリ大会 | シングルス3位、ダブルス3位 |
2015年 | 世界選手権蘇州大会 | ダブルス優勝 |
アジア卓球選手権 | シングルス優勝 | |
2017年 | アジアカップ | シングルス優勝 |
世界選手権デュッセルドルフ大会 | シングルス2位、ダブルス2位 | |
2018年 | アジアカップ | シングルス優勝 |
韓国オープン | シングルス優勝 | |
2019年 | アジアカップ | シングルス優勝 |
T2ダイヤモンド・マレーシア大会 | シングルス優勝 | |
韓国オープン | シングルス優勝 | |
アジア卓球選手権大会 | ダブルス優勝(丁寧ペア) | |
女子ワールドカップ | シングルス準優勝 |
まとめ
ジュニア時代から世界で頭角を現し、アジアカップ3連覇、T2ダイヤモンド・マレーシア優勝など成績を残している朱雨玲。東京五輪を含め今後も日本の選手の壁となって立ちはだかってくることが予想される。戦術が豊富かつ小柄で日本人に体格も似ているため、彼女のプレーを参考にするのもいいだろう。