文:ラリーズ編集部
2019年の世界選手権ブダペスト大会で自身初の決勝の舞台に上り詰め、世界王者である馬龍(マロン・中国)との激闘を演じたマティアス・ファルク(スウェーデン)。2003年パリ大会以来、中国人選手以外では初めてとなる世界卓球決勝の舞台に立ち、2019年8月には自己最高位の世界ランキング7位の位置につけ、名実ともに世界のトップ選手の仲間入りを果たしたファルクについて紹介します。
プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても紹介します。
世界選手権で準優勝した後も、ワールドツアーで好成績を残し続け、古豪スウェーデンの絶対的エースとして世界のトップで活躍するファルクのプロフィールを見ていきましょう。
マティアス・ファルクとは?
マティアス・ファルクは2019年の世界選手権で決勝戦まで進出し、世界王者の馬龍(マロン)と死闘を演じたことで一躍有名になり、以後急速な勢いで実績を積み重ねて世界のトップ選手にまで上り詰めたスウェーデンの選手です。
そんなファルクのプロフィールを見ていきましょう。
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プロフィール
マティアス・ファルクは1991年9月7日生まれの28歳(2019年11月現在)のスウェーデンの卓球選手です。2019年の世界選手権で16年ぶりに中国以外の国の選手として決勝の舞台に立つと、勢いそのままに2019年11月現在の世界ランクでは9位に位置しています。
スウェーデンで生まれ育ったファルクは、卓球選手だった父親の影響で7歳のころに卓球を始めました。13歳のころにコーチの勧めで、ファルクの代名詞ともいえる表ソフトラバー(表面がツブツブしたラバー)をフォア面に貼ると徐々に頭角を現し始めました。その後も、2018年に地元開催された世界選手権では団体ベスト4、2019年の世界選手権では個人準優勝という輝かしい実績を残しています。
特にファルクが一気に世界のトップ選手入りを果たした2019年の世界選手権ブダペスト大会では、韓国の李尚洙(イサンス)、フランスのシモン・ゴジ、そしてこの大会で日本の張本智和を倒した韓国期待の若手、安宰賢(アンジェヒョン)などの強豪選手をなぎ倒して準優勝に輝き、世界中に鮮烈な印象を残しました。
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プレースタイル
ファルクの戦型は、右シェーク表裏前陣速攻型です。長身を生かした強力な両ハンド攻撃と、フォア面に貼った表ソフトラバーから繰り出されるスマッシュを武器に相手を圧倒します。
特にバックハンドは彼の最大の武器であり、その威力や安定感は世界でもトップクラスです。通常、フォア表の選手の弱点となりやすいバックハンドですが、ファルクの場合はそのバックハンドを世界のトップレベルまで極めることで自らの弱点を克服していると言えます。
そして、なんといってもファルクと言えばそのフォア面に貼った表ソフトラバーが特徴的です。
表ソフトラバーとは表面が低い粒に覆われたラバーのことを言います。通常の裏ソフトラバーに比べると非常に球離れが早く、相手の球の回転の影響をほとんど受けずに強力なスマッシュを打つことができます。その一方で、自分から回転をかけることも難しいので、扱いが難しく、近年の回転が重視される卓球界では使用者が減っている珍しいラバーです。
ファルクは世界でも屈指のフォア表プレイヤーで、トップ選手の中では非常に希少な戦型の選手です。
ファルクは相手のドライブを前陣でフォアスマッシュする戦術を多用します。表ソフトラバーから放たれる彼のスマッシュはナックル性の球になっていて返球することは容易ではありません。
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使用用具
ファルクの使用用具はすべてヤサカ社の製品で、ラケットが「馬琳ソフトカーボン」、ラケットがフォア面が「ラクザPO」、バック面が「ラクザX」を使用しているようです。
世界ランキング
ファルクの世界ランキングは長らく2桁台でしたが、2019年に自己最高の7位につけるとそれ以降は1桁台の順位をキープしています。
国際大会での主な戦績
2016年 | スウェーデンオープン | シングルス準優勝 |
2018年 | 世界選手権ハルムスタッド大会 | 団体戦3位 |
2019年 | 世界選手権ブダペスト大会 | シングルス準優勝 |
まとめ
ワールドツアーや世界選手権でも世界のトップ選手として活躍するスウェーデンのエース、ファルク。その特異な戦型ですでに日本の強力なライバルになりつつあります。来年の東京オリンピックでどんな活躍を見せてくれるのか、今後の彼の活躍から目が離せません。