前田美優、長﨑美柚担当コーチに聞く「中国と日本の指導」「なぜ中国は卓球が強いのか」 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:唐興賀コーチ(日本生命レッドエルフ)/撮影:槌谷昭人

卓球インタビュー 前田美優、長﨑美柚担当コーチに聞く「中国と日本の指導」「なぜ中国は卓球が強いのか」

2021.05.16

この記事を書いた人
Rallys編集長。学生卓球を愛し、主にYouTubeでの企画を担当。京都大学卓球部OB。戦型:右シェーク裏裏

卓球Tリーグ女子3連覇を果たした日本生命レッドエルフの強さの秘訣に迫る本特集。

今回は、2020-2021シーズンにダブルス13勝をあげた前田美優の担当コーチである唐興賀コーチに話を伺う。唐コーチは、中国からの留学生としてインターハイダブルス優勝の経験を持ち、今季からは前田に加え、新加入の長﨑美柚の指導にもあたる。

日本生命の環境の良さや、なぜ中国は卓球が強いのか、前田美優、長﨑美柚それぞれの良さなどを中国、日本それぞれで卓球をプレーしてきた唐コーチの視点で語ってもらった。


【唐興賀(トウ コウガ)】高校から日本に来日し、岡山の関西高校でプレー。2003年のインターハイ男子ダブルスで優勝を果たす。大阪経済法科大学を経て、卒業後からコーチとして日本で指導にあたる。昨季までは前田美優の担当コーチを務め、今季からは前田美優、長﨑美柚の両左腕を担当する。(撮影:槌谷昭人)

なぜ中国は卓球が強いのか?

――高校から日本に来て、大学まで強豪校でプレーされた唐コーチに、今回は中国と日本の両面から見た卓球についてをお伺いできればと思ってます!
唐興賀コーチ:よろしくお願いします。そんなにスラスラと日本語を喋れるかな(笑)


いえ、めちゃくちゃ話せてます(笑)

――まずはいろんな方に聞いている質問なのですが、なぜ中国は卓球が強いと思いますか?
唐興賀コーチ:中国のナショナルチームは、ずっと一緒に練習するからだと思います。日本では、みんな個人の拠点で練習していて、試合直前にまとまって練習することが多いですよね。

中国はコーチが多いし、選手もそれぞれ強いですし、そこでずっと練習する。その分、中国は管理がきっちりしています。

――管理とは具体的にどういうところですか?
唐興賀コーチ:中国ナショナルチームはまとまって練習するので、全体的に管理している。

体調や怪我などで常に変わったところがあればすぐに見つけます。そういう部分です。


写真:日本生命メンバーは同じ体育館で練習をする(写真は2020年3月取材時)/撮影:ハヤシマコ

――そういう意味だと日本生命は寮生活で練習拠点も同じなので、管理がしっかりしている気がします。
唐興賀コーチ:そうですね。選手の体調の管理などを常にしています。

だから3連覇できました(笑)


写真:3連覇を果たした日本生命レッドエルフメンバー/撮影:ラリーズ編集部

日本と中国の指導の違いとは?

――今、コーチをされていて、中国と日本の卓球の指導についてはどう違うと感じていますか?
唐興賀コーチ:日本は、試合に対する対策練習が多い。それは日本は小さいときから毎週毎週試合が多いから。

逆に中国は小さいときはあんまり試合がなくて、ずっと練習練習。ちょっと強くなってからどんどん試合に出ます。だから練習では基本がしっかりできているけど、試合になったらできない人もたくさんいます。


写真:中国と日本の指導の違いを語る唐興賀コーチ(日本生命レッドエルフ)/撮影:槌谷昭人

――ジュニア世代では日本選手が国際大会で優勝することもあるのは、そういう違いが関係してそうですね。
唐興賀コーチ:そうですね。中国は将来勝てば良いという考えです。

ただ、最近では中国も14歳以下のナショナルチームなどができているので変わっていくとは思います。

前田美優と長﨑美柚の良さは?

――今季からは昨季に引き続き前田美優選手と、新加入の長﨑美柚選手の2人の担当コーチを務めると伺いました。

コーチとしての仕事内容はどういうものですか?

唐興賀コーチ:基本は二人の特徴をしっかりと伸ばせるように考えています。得点パターンを自分が得意な展開で作れるようにということを一番考えています。


写真:唐興賀コーチ(日本生命レッドエルフ)/撮影:槌谷昭人

――前田選手は2020-2021シーズン、ダブルスで13勝5敗と大活躍しました。強化してきたところはどういうところですか?
唐興賀コーチ:前まではラリーがすごく強くて、得点していた。でも、ラリーだけだとみんな対策を考えてくる。いろんなパターンが必要。

シーズンではダブルスしかしてないですが、台上やサーブ、3球目などいろんなパターンで点を獲れるようになっている。特に台上が上手くなっています。


写真:プレーオフファイナルでも貴重な勝利をあげた前田美優・平野美宇(日本生命レッドエルフ)/撮影:ラリーズ編集部

――新加入の長﨑選手についてはどう評価してますか?
唐興賀コーチ:長﨑は体格も良いし、パワーもあるからボールの質も良い。よく中国選手にも勝っている。その長所を出せるようにいろんな練習をやろうと思っています。


写真:昨季までは木下アビエル神奈川でプレーしていた長﨑美柚/撮影:ラリーズ編集部

コーチとして自信のある部分

――コーチとして唐さんが大事にしていることはありますか?
唐興賀コーチ:高く設定した自分の目標に対しては、何でもやった方が良いという考えで指導しています。

「これはやりたくない、これは疲れるから嫌だ」と練習を選んでいたら目標は達成できない。これはいつも選手に言っています。


写真:唐興賀コーチ(日本生命レッドエルフ)/撮影:槌谷昭人

――でも選手によってはどういう練習をしたら良いかわからない場合も…
唐興賀コーチ:そこは自信があります。選手自身がこういう卓球スタイルになりたいという理想があれば、上手く説明して教えられる。
――選手がこうなりたいという理想があることが一番大事ですか?
唐興賀コーチ:そうですね。あとはその理想に向かって間違えなければ良い。

間違えていると思ったらいろいろ選手と話をします。逆にこれをやれば絶対強くなると思ったら、教えたりビデオ見て研究したりできるのが自分のコーチとして自信のある部分です。


「自信はあります」

卓球王国・中国から留学し、高校日本一にも輝いた。中国と日本、両方の良さを知る唐コーチが、日本生命レッドエルフの“常勝軍団”としての礎を支えている。

特集・日本生命レッドエルフ第1弾 森さくら、前田美優らのインタビュー


写真:日本生命レッドエルフメンバー/撮影:ハヤシマコ

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特集・日本生命レッドエルフ第2弾 なぜ日本生命は強いのか?

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