春季関西学生リーグを圧倒的な成績で優勝し、6連覇を果たしたのが関西学院大学男子卓球部だ。
遊学館、明徳義塾、東山、静岡学園など全国でも上位に入る名門校から進学してきた選手が集う。取材後には、リーグ戦で1試合しか出場機会に恵まれなかった佐藤匠海(関西学院大学1年・東山高校出身)が、関西学生選手権でシングルス優勝するなど、層の厚さは折り紙つきだ。
全国でも上位進出が期待される関西学院大学男子卓球部に潜入し、関西学院大学OBの鈴木範彦監督と主将の井上湧太(関西学院大学4年・富田高校出身)に話を聞いた。
【関西学院大学男子卓球部】関西学生リーグ1部に所属する卓球強豪校。2022年の春季関西学生リーグで優勝し、春リーグ6連覇となった。2019年にはインカレでベスト4に入った。
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レギュラー争いの激しい関西学院大学男子卓球部
写真:指導する鈴木範彦監督(関西学院大学) 男子卓球部監督を務めて10年になる/撮影:ラリーズ編集部
「自分のことも大事だけれども他人のことも大事にして、社会に出て社会に貢献できるそういう人間に育っていただきたい」とはいつも部員には言っています。
写真:関西学院大学男子卓球部の練習の様子/撮影:ラリーズ編集部
例えば今年の春のリーグ戦では、6人がレギュラーなんですが9人が出場機会を得ています。最後の枠の3~4名は実力が拮抗していて、他大学ならレギュラーで十分出られるような実力だとは思います。
ただ、競争が激しい中でも、選手同士が和気あいあいと自由闊達な雰囲気でやっているというのが特徴かなと思います。
写真:佐藤匠海(関西学院大学1年・東山高校出身)、葛西啓功(関西学院大学1年・静岡学園高校出身)/撮影:ラリーズ編集部
「サラリーマン的な選手にはなるな」
写真:選手たちと話し合う鈴木範彦監督(関西学院大学)/撮影:ラリーズ編集部
どういう意味かと言いますと、自分で練習計画を組んで、毎日5コマが練習時間として必要だと思ったら、規定練習が3コマであっても5コマの練習時間を確保しなさいと。
例えば居残り練習をするなど追加で練習時間を確保してやる。そういうことを常に自分で考えてやってくださいということは言っていますね。つまり、やる課題が残っていても、時間だから帰る、ということはダメ、課題をやり切って帰る、という意味です。
ただ自主性に任せる中にも1つポイントがあります。
つまり、他人から見たらもう少しこうしたら良いのになとか思うことが必ずありますよね。
だからそこは遠慮せずに、先輩・後輩関係なく、どんどん聞いて自分でチェックしながら、「これで良いんだろうかということを常にレビューしてやってください」ということも言っています。
サポートメンバーも合わせて全員で掴んだ優勝
ここで主将の井上にも話を聞いた。
写真:井上湧太(関西学院大学)/撮影:ラリーズ編集部
ただ、試合に出てるメンバー以外の選手にも協力してもらって、試合に出ないメンバーにはリーグ前は練習を休んでもらって、リーグメンバー優先という形をとって練習していたので、サポートメンバーも合わせて全員で掴んだ優勝だと思ってます。
写真:三浦竜磨・天野一樹(関西学院大学)/撮影:ラリーズ編集部
ただ、自分だけのチームではないので、後輩の意見をまずは聞いて、それを自分が反映していくという風に、自分だけのチームじゃないようには主将として意識しています。
もちろん秋リーグではここ数年負けているので、もう一度優勝に返り咲きたいと思っています。
関学卓球部は紳士淑女たれ
最後に鈴木監督に今後のチームについて聞いた。
もちろんそんなに簡単にいかないということは百も承知ですが、色々と強いチームがある中で、絶対勝てないかというとそうでもないと思っています。厳しいことは厳しいけれども、常に高い目標は失わずにやっていこうよとチームでは話してますね。
写真:吉田勝紀(関西学院大学)/撮影:ラリーズ編集部
勉強もしっかりやるし、それから人間的にも、例えば試合態度が悪いとか、他人に敬意を払えないとか、そういったことは絶対にダメです。
読売巨人軍に「巨人軍は紳士たれ」という言葉がありますが、関学も「関学卓球部は紳士淑女たれ」というようなところで、選手に徹底して進めていきたいなと思っています。
写真:関西学院大学男子卓球部/撮影:ラリーズ編集部