「監督の仕事は"人間マネジメント"」今季に懸けるT.T彩たま監督・坂本竜介の思い【前編】 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:坂本竜介監督(T.T彩たま)/撮影:田口沙織

卓球インタビュー 「監督の仕事は“人間マネジメント”」今季に懸けるT.T彩たま監督・坂本竜介の思い【前編】

2021.05.19

この記事を書いた人
1979年生まれ。2020年からRallys/2024年7月から執行役員メディア事業本部長
2023年-金沢ポート取締役兼任/軽い小咄から深堀りインタビューまで、劇場体験のようなコンテンツを。
戦型:右シェーク裏裏

昨季最下位に沈んだT.T彩たまが、今季に懸けている。

このシーズンオフに、東京五輪代表の丹羽孝希、そして岡山リベッツからキャプテンの上田仁の獲得を立て続けに発表した。

ところで、プロ卓球チームの監督は、今のシーズンオフはどんな仕事をしているのだろう。

逆襲のシーズンに向けて日々練習を積むT.T彩たまの練習場に伺い、坂本竜介監督に話を聞いた。


写真:坂本竜介監督(T.T彩たま)/撮影:田口沙織

監督業は人間マネジメントだ

――この時期はどんな過ごしかたですか?
坂本監督:いつもは一番気が重いんですよ。僕はGMでもあるんで、選手の契約を取るのも、終了を伝えるのも自分だし。


写真:坂本竜介監督(T.T彩たま)/撮影:田口沙織

――なんとなく、好きなのかと思ってました。
坂本監督:いやいや。でも、プロの世界では通っていかなきゃいけないことですから。


写真:坂本竜介監督(T.T彩たま)/撮影:田口沙織

――今年はいつもより更に、T.T彩たまの契約発表が早かったですね。
坂本監督:やっぱりうちだけプレーオフ出てないので、今年はコロナも考えると、日本選手を強化しなきゃいけない。なので、早めに来シーズン契約しない選手にはごめんなさいと。そうすることで、T.T彩たまの枠空いたって、他のチームの選手が思うから。
――発表時期も戦略なんですね。プロ卓球チームの監督って、簡単に言うと、どんな仕事ですか。
坂本監督:一言でいえば人間マネジメントですね。
――….と、いうと。


写真:坂本竜介監督(T.T彩たま)/撮影:田口沙織

坂本監督:選手個人のマネジメントと、チームのマネジメントがあります。選手で言えば、やっぱりエゴが強くないとトップ選手にはなれないんですよ。僕はエゴが強い選手は好きです。だけど、僕らはチーム戦をやっている。チームとして3点取るには、協調性が必要になってくるんですよ。


写真:神巧也(T.T彩たま)/提供:©T.LEAGUE

坂本監督:エゴの部分は、卓球台の前にいるときだけにさせなきゃいけない。卓球台から離れたときには、こうしないとねって話をする。

ただ、やっぱり椅子取りゲームでもあって、出れる選手、出れない選手が毎試合出てくる。出れない選手が悔しいと思いながら、どれだけ応援できるか。


写真:坂本竜介監督(T.T彩たま)/撮影:田口沙織

――個人スポーツでもあり、チーム戦でもありますよね。

坂本監督:だからこそ、早く選手を一緒にして協調性を出していきたいんですよね。
――なるほど。
坂本監督:あとは、選手一人一人の練習メニューは違うし、バックハンド一つとっても身体の特徴と使い方が違うから、(松平)健太と神に同じ方法で教えられるかって言うと、できない。それも卓球のマネジメントの難しさでしょうね。僕は好きなので面白いんですけど。


写真:鮮やかな松平健太のバックハンド/撮影:ラリーズ編集部

卓球のプロは「身近だけどすごい人」を目指すべき

――卓球のプロチームとしては、何を大事にしてますか?
坂本監督:僕の中では、親近感だと思っていて。ブンデス時代にも感じてたんですけど、身近だけどすごい人っていうのは、他のスポーツにはない、卓球でしか体現できないんことなんじゃないかって。
――会場での応援を見ても、T.T彩たまはそのイメージがありますが


写真:坂本監督にエールを送る彩たまサポーター/撮影:ラリーズ編集部

坂本監督:いや、まだまだ全然です。地道に、超アナログに、一人ずつファンになってもらう。昨日も、神と上田が県内の卓球ショップを回ってくれている。自分とかチームスタッフが行くのもいいんですけど、やっぱり選手が行くと違うんですよ。まだ選手・チームを知らない方も含めて”惚れて”もらえると思うんです。

卓球だけやっててもダメな時代

――選手自身の発信も増えましたよね。
坂本監督:大事なことは、自分のためにやっているということを選手自身がわかっていること。今までだったら卓球選手は卓球だけ、野球選手は野球だけだけやってればよかったけど、今は競技の強い弱いはもちろん、ファンもスポンサーさんも選手の人間性を見ている。プロ選手としてそこがわかっていることが重要です。


写真:神巧也(T.T彩たま)/撮影:ラリーズ編集部

――勝つだけで足りない時代ですね。
坂本監督:もちろん結果は大事です。でも、人間良いときも悪いときもあるのは当たり前。悪いときに応援してもらえる選手じゃなきゃいけない。そのためにはちゃんと生きてなきゃダメなんですよ。


写真:坂本竜介監督(T.T彩たま)/撮影:田口沙織

――昨季の13連敗後の1勝を、ファンと一緒に泣いて喜んだ坂本監督を思い出しました…
坂本監督:ま、でも僕も負けず嫌いだから、自分で自分に“お前いい加減にしろよ”とは思ってますけどね(笑)。


写真:坂本竜介監督(T.T彩たま)/撮影:田口沙織

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