【特集:東京2020期待の星】みうみま世代のホープ、加藤美優 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

卓球選手紹介 【特集:東京2020期待の星】みうみま世代のホープ、加藤美優

2018.03.22

文:赤羽ひな(ラリーズ編集部)

東京2020期待の星」をテーマに、東京五輪に向けた注目選手を紹介する特集コーナー。

今回は、アジア競技大会2018の日本代表に選ばれた加藤美優(日本ペイントホールディングス)を紹介する。

攻守一体となったオールラウンドプレーが魅力の加藤美優

加藤美優は1999年生まれの現在18歳である。東京都武蔵野市出身で、6歳で卓球を始めて以来、全日本の年代別のタイトルで軒並み優勝を飾った。2011年度の全日本選手権では、小学6年生にして5回戦(ベスト32)まで勝ち上がった。小学生での4勝は福原愛選手をも超える記録で、一気に注目を集めた。

加藤美優の持ち味は、「相手が押したら引く、相手が引いたら押す」という攻守が一体となったオールラウンドプレー。しゃがみ込みサービスなどサービスの種類も多彩で、苦手な戦型もなく、若くして戦術の幅の広さや技術の引き出しが多いのが魅力だ。

ITTF世界ランキングは2018年3月現在で17位。1学年上の浜本由惟、1学年下の平野美宇・伊藤美誠らとともに「黄金世代」と呼ばれる気鋭の若手選手のひとりとして、今後もさらなるランク上昇が見込まれている。

加藤美優の主な戦績

・2006 全日本卓球選手権 バンビの部ベスト8
・2013 全日本卓球選手権 ジュニア優勝
・2014 フィンランドオープン シングルス優勝
・2016 世界ジュニア選手権 団体優勝/シングルス3位/ダブルス準優勝
・2016 世界卓球日本代表選考会 シングルス優勝
・2017 アジア選手権 団体準優勝

以上のように、加藤美優は「黄金世代」を牽引する女子選手として幼少期より数々の好成績を収めている。

加藤が卓球を始めたのは6歳のとき。それからわずか11か月で、全日本選手権大会・バンビの部(小学2年生以下)でベスト8となっている。小学校卒業後は、「JOCエリートアカデミー」に所属。中学生にして選手権女子シングルスで2年連続ベスト16入りを果たしたほか、全日本ジュニアでも優勝するなど、福原愛や石川佳純以来の快挙を成し遂げた。

加藤美優の全日本卓球2018の戦績


・女子シングルス ベスト32

今年の全日本において、加藤美優は女子シングルス4回戦から出場。昨年に続いて前田美優(日本生命)とランク決定戦で対戦。

バック面の表ラバーでの変化を付けた前田のボールに対してミスが続き、2ゲームを続けて落とした加藤。その後は前田のボールに対応し始め、2ゲームを連取するが、第5ゲームからは前田の果敢な攻めでラリーの主導権を握られ、4対2で敗れた。

2017年に全日本でも5回戦で前田との試合を制することができず、ベスト16入りを逃した加藤。世界卓球の1次選考会でも敗れていただけに、加藤にとって悔しい結果となった。

必殺技「ミユータ」を炸裂してアジア競技大会で活躍できるか

加藤美優は、必殺技「ミユータ」を持つ。小学校5年生の時から1年かけて父親と編み出され、その名の通り「チキータ」と「加藤美優」の名前がミックスされたものだ。

「ミユータ」は「チキータ」とは異なり、左回転がかかるレシーブ。フォア側の球をバック面で打って鋭い横回転をかけるため、相手にとっては扱いにくくなるのがポイントだ。

加藤は2018年8月26日から9月1日にかけてインドネシアで行われる第18回アジア競技大会の日本代表選手に選出されており、そこでの活躍も期待されている。

加藤の世代は、平野美宇、伊藤美誠、早田ひな、浜本由惟、という、4年後の東京五輪代表権を争うであろう有力選手が数多く存在する。過去に例を見ないほど強者たちがひしめき合う中で、加藤は東京五輪へ向けて「ミユータ」をより練磨させ、国際大会での勝利を積み上げることができるのか。今後も積極的に国際大会へ出場し、世界で圧倒的な存在感を見せてくれることが期待される。

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写真:アフロスポーツ